小さいけれど頭の片隅に確かにある言葉

とらわれないように首を傾げて微笑むわたしの癖を
あなたはいつも笑っていたね


引き出しの奥にある日記は思い出の色がつき
次のページを待ち望んでい ....
リズムの残骸は、砂浜に沈んで、視覚障害者の見る幻覚みたいな朧げな輪郭だけが、晩夏の太陽のなかで揺らいでいた、それはジェファーソン・エアプレインの音楽を思い出させた、敢えて違うところで繋がれたパズル .... 多彩ないい句が出来たので
私は回って回って回って喜ぶ
市電がイチョウ並木の間を縫う様に
行けば車窓から見える田圃よ生きろと
思う、稲穂、刈田、稲雀など
季語もいっぱい
ちょっと前まではもう ....
右手を左に巻き
手のひらを横に
額に立てて
夜は夜を
ひとりはひとりを
両断してゆく
  或る秋


切り取られた空が

造り酒屋の軒先にひつかかつて

はたはた ゆれてゐる

おかつぱの姉さんと

坊主頭の弟が

口をまんまるにして

それを見つ ....
昨日の真夜中に

久しぶりに ゴキブリに出あった

コオロギかと思ったら

ゴキブリだった


我が家からゴキブリがほぼ消えて

かれこれ15年

この10年はまったく見てい ....
遠くで鐘が鳴っている
ひんやり切ない秋の日に
何処までも高い青空に
追いかけても追いかけても
決して追いつけないあの場所で
(金木犀の花が軌道を舞い
秋の大気が生まれるところ)

遠く ....
何かどうでもいいことを
左の手のひらに一つ
何かどうでもいいものを
右手の人差指の上に少し

噛みすぎたガムを耳の中に一つ
冷たすぎる水をまぶたの中に少し

はみ出した友達の
後 ....
羽は
触れれば汚れそうです
羽は
天使の落し物だと
思いますか?

天使は
飛べるから
私は
天使に
憧れています
ただ
水辺に天使はちかよれないのです

祈る神 ....
何処にも届かなくていい
誰にも関わらなくて
何の問いもないが

ただ在ることを想う

ダーウィニズムがもたらした
革命にしたがおうとおもう

忙しい自分は本当なのだろうか
ぼくはい ....
ヘタなてっぽも数撃ちゃあたる、のたとえ通り、詩とか、短歌(?)とか、散文とか、書きまくっていたら、30作書くのに、30日必要としなかった、って話さ。気がつくと、ね。
まぁ、なかなか、てっ ....
その人は
一生の間に六匹の猫に出会うのだという
わたしが知っているのは
九回生まれ変わるという言い伝え

あなたに会いたくて
も一度生まれてきたんだろうか?

昔死んだしろちゃんに
 ....
ふうっと
息をつくと
こびりついていた何かが
テーブルの端まで
遠のいた

そおっと
見渡すと
微かに青みがかった指先が
木の葉を鳴らすのが
見えた

自由になった
意識 ....
先月末に、大学を卒業してから勤務してきた会社を退職しました。最後はグループ会社の経理をしていたのですが、丁度グループ子会社の再編が始まりバタバタしました。やっと落ち着いたところで退職できました。
 ....
心を研ぎ澄まし
硬く
固く
堅い
爆弾のような石 / 意思 を
ここに置いてみよう
少し離れて見ていると
バンッと
爆発しないかな

丸い石
角張った石
欠けた石
 ....
夜闇に目覚めて迫る闇の奥

闇蠢く無の充溢に襞重ね

襞を折る無名の漆黒生動し
砂浜が元気をうしない

青い秋の影がかたまる

あの麦わら帽子はどこ


時代のむこうか

記憶のむこうか

麦わらベイビー

エントロピーが騒ぎ出す

夏に逆流する宇宙 ....
(記憶の夜空に浮かぶ
(過去の星星は
(幾億光年という長い歳月を経た
(客観性の強い光を帯びて――


つい先日 北海道全域が地震と停電に襲われた
ぼくの住むこの赤い夕陽の市(まち)でさ ....
羽が落ちている
本体は見当たらないから
誰かが食べてしまったんだろう
羽は食べてもおいしくないだろうし
さしたる栄養もなさそうな
だけど
錆ひとつない
無垢な部品

ない、みたいに軽 ....
はげしい地震のあと
まるでなにもなかったかのように
がれきの上にひろがる青空

すさまじい台風のあと
まるでなにもなかったかのように
倒壊した建物の上にひろがる青空

自然とは
なん ....
明けない朝、雨音が体中にしみこみ、体内に落とし込まれている
体内にピカリピカリと衛星が動き
コーヒーの苦い液体が少しづつ私を現実の世界へと導いていく
ありったけの負の感情と、希望の無い労働のため ....
うねる雲を見ていたら
わたしは私でなくなっていた
わたしは流出して溶けてしまい
涼風とともに雲をかき混ぜていた
いつの間にか落ち込んで、本棚の隅に引っかかっていた文庫本を見
つけた。手に取って頁の目地に溜まった埃を払う。

金沢市片町1-1-23 07**−61−7950

古い住所のその ....
むごい位置にゴム印が
落ちて居た
押すと五重塔が現れて
今を更新する
ケーキが食べたい願望を
不自然に抑圧するのも
不健康だから
五重塔のてっぺんのカラスを
目指して昇って行けば
柿 ....
涼やかな風が吹いている
寂しげな曇天に包まれて
秋の気配が漂っている

僕は相変わらず臥せっていて
君の姿は遠くある
遠く響く君の声
僕は抱きしめ此処に居る

君、ぼくたちはどこから ....
やさしいかぜがふいている
たのしいおんがくもながれている
ぼくはどこへゆくのだろう

せいしんろんがきらいで
むぎのほのようにじゅうじつして
それは夏の嵐の夜であったが
積乱雲の割れ目から
夜目にも鮮やかな新星が見えた / 見えた気がした


暗い湿気た空気の中を
零れ落ちて 光の粒よ


光の粒には質量があって
重さが ....
転がり落ちる球を見ていると
途中で坂を下っているのか
坂を登っているのか
見ていて分からなくなった


見上げると
秋の光があって
黄色い光が踊っていた
自分の人生を想う


 ....
胃にげんき出してもらえば
夏バテなんかも退散するか

いとしい
あのこに
レモン水

ガラスのようなハイウェイ
秋をふくんだ夕日のひかり

いとしい
あのこに
レモン水

 ....
お義母さま
あきの こごえです
朝風に 精霊バッタの羽音が
そっと 雫を 天に すくいあげています

何が終わったのでしょう
もう はじまりはじめの空
むかしむかしの反対のはじまりのはじ ....
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