川面はゆるやかに
within

ゆるやかに
もう乾涸びてしまいそうな川の
もう息絶えてしまいそうなせせらぎを
聞きながら
顔つきを変えずに
下ってゆく川面を見ている

投擲する石礫は対岸に届くことなく
力なく落下していく

濃い黄砂に
僕の肺は痛いと言う
痛みは突き立てられた針のように鋭利で
たまらなくなり息を止めてしまう

繋いでいた手を払い僕は走り出す

目指していたものは、まだ形のない、
はっきりとしない未来
海を越えてきた音楽は、僕をかき立てる
立ち止まろうとすることを否定する

庭に咲いている野ざらしの花は
いつか僕の墓にたむけられるだろう


自由詩 川面はゆるやかに Copyright within 2011-05-03 12:40:26
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