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月の写った
水をすくう
手のひらの上で ゆるゆる揺れて
やがて消えていく
あなたとの思い出みたいに
暑さの足りない 砂漠みたいに
足のない 水母み ....
廊下に立っていなさいと怒鳴られ
私と隣りの席のこんちゃんは
はっと青ざめ しーんとした教室を出た
社会の授業で地図張をひく練習中
いろんな場所を見ていた私達は
すっかり楽しくなって
あ ....
行者の合図
クルリと翻す風
縦笛と砂ぼこり
枝の囁き
沈黙の月
眠る黒猫
右手の挨拶
マーブルチョコレート
揺れる青葉
軋む廊下
駆けるメトローム
歪な氷
飛び交うフク ....
あるのか
ないのか
わからない
ドーナツの穴を越えて
オートバイは走っていく
いつか
行き着くかも
しれない
あるのか
ないのか
わから ....
薄い靴下に 冷気が渡ってくる
凍りかけた土に 残る雨水
青につらぬかれた 空が濁る
遠い所で カラスが鳴いた
歩く頭上を 羽音がかすめる
振り返ると 朱色の実が いく粒か
....
意図を孕まない
言葉が
意味を持って
君を傷付けて
ヌルッとした
鯢のように
砂利の上を
ズルズルと
這いずり廻る
深い闇は
無いものとして
そこには在って
有るものとして ....
洟を垂れた
十円玉
若い空き缶のなかに転がる
長い
一本道の
震えた
神経
友達は
黄色いセイタカアワダチソウたち
幻想王国で
手を振る
道路の
向こう
夢と夢を繋い ....
始発列車の車窓から見上げる空に
いくつもの星が瞬いている
町も野原もまだ眠りについていて
星明かりはひどく饒舌で ―― あぁでも
下らない言葉ならあんなに知っていたのに
俺が繋げ ....
娘のプログの監視をしてくれないか
と弟が言う
プログをやりたいと言われて
無料なら んまあいいか みたいな話しで
姉ちゃん こっそり見守ってくれよ みたいな
いいけど なんて所なの
知 ....
秋を洗う
ダイヤモンドの花
プラチナの雨
慈愛
このオレンジの果てを
思う
果てに止まない開花があるとして
それが 想像が及ばないほどに 美しいとして ....
■1
少女は握る手鏡に
映した顔を
正面から
斜めから
上目使い
下目使い
順ぐりに眺めまわしたあとで
呟きました
「こんなの あたしの顔じゃない
....
知らない街。見たことのない風景。求めるもの。人は何を探しに旅をするのでしょうか。
手真似為ています。
刺激的な一日 。
うしろを振り返れば 文字を失い おやおや 自慰なんかしても ....
■1
こころを見られるのが
恥ずかしくなった
だからなんとか隠そうとして
まわりに壁を作っていたら
こころのやつ
どんどん どんどん
膨らんでいって
壁は
....
峡谷を越えると
静かな瓦屋根の風景だった
懐かしい味噌汁の匂いがした
ああ、そうか
もう冬になるんだ
木が無口だ
迷路のような路地裏を抜けると
君の家がある
赤い屋根の洋館で
君はピ ....
ある日僕は、偽善をした。
ちらほらと雪のぱらつく、浅草で。
*
ふたりの女を、愛しそうになっていた。
ふたつのあげまんを、雷門の近くで買った。
*
地下 ....
いつやって来るかも知らぬ
嵐を恐れたところで、始まらない。
夫婦というものは
四つの瞳でみつめたものを
二つの口で語りあい
四つの手を重ねて
一つの心で、祈るのです
....
近所の学校
小学校
高いところにいく
歩いていくしかない
水泳はできる
津波が来たらおしまい
辞書にも載っている
切ると助かる、喉とか
嫌いなものを食べていくうちに
....
具象抽象或いは送話
そして叙情
もうあなたに呼び掛けるのは止めよう
ことばに頼らない詩
いま 宇宙に語りかける
新たな結晶の始まり
わたしだけの ことばを
カモミール
マロウブルー
手で揉んで
匂いを嗅ぐ
それでハーブティーを作って
窓辺を覆いつくしている
観葉植物に
光が射している
光
時間は
チクタクと流れる
もので ....
中庭に
植えた花は
きれいだけど
枯れてしまった
窓際に
活けた花は
きれいだけど
萎れてしまった
花屋に
勤めてみたけど
まい日
まい日
まい日
まい日
まい ....
ただいま と思いながら両手を下に広げる
林檎畑は収穫のための作業で忙しい
陽があたるように実の回りの葉を取るため
晴天の日曜日 実家に帰る
草を分ける土の道 人の歩いた道
風にそれる 緑 ....
いつか通った雨は 何処
逃げ出した 木陰の檻
巻きつけた 小さな青い淵
黒い蜜に ひたす
重ねた 背中の羽
女を抱きたい気分でもなく
ただ、見ていたい
風がセピア色
入道雲の思い出
「バニラスカイ」を見て
あなたはどう思った?
彼女の言葉を思い出す
力を失った男が
荒野をさすらう時
相棒は ....
過ぎてゆく時間に
恨みさえ覚えて
「焦らないで」
君の言葉に耳も貸さずに
駅のプラットホームから
飛び降りるチャンスを伺っていた
こんな夜空が
あったんだ
月の出る
星の夜が
....
ベルトのまわらない腹みたいに
季節はめぐりきらずに
秋のあたりで止まっているから
あわてることはないさ
おいしいサンマで
ゆっくりとお酒を飲んで
温かい血のめぐりを ....
数か月を一緒に過ごした季節が、けさ帰ったようだ。
挨拶はできなかったが、夜中から荷造りをする音が聞こえていた。
せめて手紙でも置いて行けばいいものを。
寝転がったまま薄目を開けてみると、 ....
五歳が
小さな手で拍手すると
泡がわれる音で
リズムがはじけて
色とりどりの
風船のいぬが連なって走り出す
お子さまランチのイギリスの旗は
ご飯の上で頂上を知らせ
倒れる直前にその ....
弾ける瞬間
壊れる時
失われる形
目を閉じて
口をつぐんで
傘を通して
振動が
深い所から
気泡が浮かび上がり
空気の中へ
体に
融け
浸透する
沸き上がる
....
役場に呼ばれて俺は行った
お前が確定申告をしなかったがために
県民税・市民税の徴収に差し支えが出ている
ついては指定の日時に必ず出頭するように
そんな葉書が送られてきて困るのは
俺には確定申 ....
耳の奥で聴こえる
パンキッシュなガールズソング
なぜだか
涙が出て
止まらない
十五夜
白い月
草のチクチク
土の匂い
流れていく雲
秋の風
君が僕を見守ってくれてるって ....
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