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僕はあなたに
亡霊であり
生ものであり
影であり
車であり
スプーンであり
無垢の造型であることを
求める
あなたにここにいてほしい
日々
僕は
あなたになっ ....
なんで泣いてんの
と 姉がきく
ずけずけと 真っ直ぐに見つめて
あのときもそうだった
私をみて 手をふった姉がいた
特殊クラスって言葉の意味が
わかりはじめた頃の
私には はずかし ....
何も考えずに
野原を歩きたい
たくさんの血の雨が
空のかなたから降り注いでも
傘もささずに歩きたい
本当は笑っちゃいけないんだろう
泣いちゃった方が気が楽だろうけれど
どんなにか許しをこ ....
新月の深い闇夜はいつも
晩夏の有明海を思い出す
まだ19歳のひとり旅だった
熊本長洲港から最終間際の有明フェリーに乗船し
対岸の長崎国見の多比良港に渡った
フェリーに親しげに ....
ハワイは1年に3cmずつ
日本に近づいてるんだって
と君がいう
うん、いいね
とぼくたちは笑う
9才の君が
どんなに長生きしても
せいぜい3mか、そこら
それでも
いいね、とぼく ....
射しこむ陽が壁に{ルビ日向=ひなた}を作り
そっと今を忘れるとき、想うのは
別れ際のプレゼント、忘れられた約束
または、これから出会う誰かのこと
晴れた日は
ひとりでいると少しくるしい
....
彼らはそれをしらない
しかし
彼らは それを する
わたしたちは
夏が好きです。
海の色が一番美しくはえる夏が
好きです。
太陽の光の中に
海辺の砂の輝く夏が好きです。
そし ....
疎遠が寂しい
メールが来ても
こわくて
返さない奴だ
すまない
雨
なんで
好きになるか
誰か教えてくれたかな
交差点、分かれ道?
そこで目撃したのは過去でした。
ベッドの下、子猫の喉めがけて夜が鳴る
なにが始まる?
ビルが消える、君のマフラー、きわどい足
詰まる声は誰を思った?
選 ....
{引用=
私はいっつも赤いマフラーして
私はいっつも赤いヘッドフォンして
そんで黒い服ばっか着とるんやけど
それはなんでかってきかれても困ってしまう
赤はずっときみの色やし
....
猫ってのは厄介だ
初めから詩になっちゃってる
サーカスってのもそう
初めからそうだ
銀蠅
なんてのも案外
詩になっちゃってんのかもしんない
けど僕は
猫の ....
五時に会社を出て車で演奏会場に向かう
吹奏音楽団に入った甥のデビュー
トロンボーン奏者として舞台に立つのだ
まだ高校生だし来春からは社会人
でも誰も止める事ができなかったデビュー
ひとめ見た ....
廊下に足だけ突き出して見張りをしている。
話し声はもちろん、足音だけでも誰だか分かったし、
名の知らぬ香水の匂いにも敏感になった。
もし、知らない奴が通ったら足をかけて転ばせてやりたい。
....
十二月の
さみしい水の底から
きみのささやきに
耳を澄ませる
ふるえる感情の
ひとつ ひとしずく
その波紋
その不自由
どうして人は
急ぐのだろうね
日時計の影が
伸び縮 ....
いつもにこにこしてるから
すきになった
わたしのことすきなの
ばればれだから
すきになった
冬は夜がいいね
とあなたは言う
月へのいっぽんみちを
手を繋いでてしてし歩く
町で ....
私の一生は恋人に添い遂げていたので
もはやこの世の全てに私はいない
とはつまり、恋人の視点から見た私は
恋人から遠く離れた生き者であり、
恋人が死を選び目をつむり呼吸を終えたそれから、
生き ....
場所はどこ
この僕の その匂いが
体のレモン色みたいに歩いていた
僕はたどり着こうとする道に
知らないけれど オレンジになって
きっと僕は 満月に見た
週末を歩いていたんだろう
疲れ ....
センセイも昔はガクセイだったから
センセイのセンセイがいる
センセイは今もガクセイだから
センセイのセンセイがいる
センセイは他のセンセイに
アドバイスをもらったりするので
センセ ....
それはおおきなかわよりも
ながくながれていたとおもう
わたしはかってなおもいこみで
そのひとをなぐさめようとしてしまった
それが やさしさ の ぎしきみたいで
わたしは やさしさ を ....
鯛焼きも そこには 何でもなくなった
考えているような 君は
何もないだろう 北向きだった
きっともうすでに 窓は
部屋で 今は
そんな ただ ただ もう
ただ暗い闇だけ 暮れてしまったの ....
空白の職歴欄
病気以外のいいわけを考えているうちに
頭の芯がじわんと痺れてきた
今のわたしに
「じこせきにん」という響きは
つらすぎて
空を見ようと外に出た
冬のお陽さま ....
私はどこを守ればいいのって
お守りを握りしめるように愛想よく聞く
今日の予定は目安でしかなく
今からあっちと言われても
はい と返事は はっきりと潔く
どこに居ればいいのと迷うのは懲りた ....
なにもいらない
きみが
そこにいれば
、と
宇宙にさまよい出た
あなたに
話しかける 初冬
桜 散り 素裸に
ミルキーブルーの空
濡れた足で汚してしまうとしても
恐れることはないはず
そう信じたくて
貴方に話しかけようとする
はじけてしまう言葉を
ただ見送る
見送り続ける
君の後ろ姿など目に焼き付けるものか ....
雨になると知っていて
電車が止まると知っていて
今日はひきこもると覚悟していた
だけど何かをずっと待っていて
いつでも飛び出せるようにと覚悟していたのも事実
夜がはじまり
喉が ....
母に似てきたと言われることに
違和感はないけど否定的ではある
母はどうおもっているのか
聞いたことがないからわからない
父を知る人がいない場所で
育ったから似てるかどうか問われたことは無 ....
真っ暗な道を歩く
家に帰るために歩く
息が白くて
寒くて
視力がだんだんおちてきたせいで
星は見えない
赤いマフラーをつけた
上級生数人が
わたしの横を通り過ぎる
足が細くて ....
ねじれた幹から腕を伸ばし
まるい目のような光を孕み
銀色の匙の上に
頑張って浮かぶよ
髪が抜け
カラメルの天井からみて右横に壁に
僕の影があって
左手に温かい飲み物の人
眠いんでみんな ....
僕は何にもなかった
ポケットにはなけなしのティッシュペーパー
いくつかのコインたちの軽み
電波のすでに立たなくなった携帯電話
君を 僕は考えていた
いとしい白さの 君の
目がいとしい 君の ....
あの日から
淋しいときが減った
夜と朝の間に
笑顔の在り処を
探して
優しさの交わる
メールは
なめらかな
生クリームで
飾りつけ
スポンジの中の
いちごみたいに
....
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