すべてのおすすめ
点描を打ちながら
窓に・風
空に・花
見れば・雲
きん・こん・チャイム
音楽室
古いピアノふるえる
新入生たちの指
柔らか過ぎて
美術室
ももいろの花瓶が立ち上がって
春 ....
眠りをすり抜けた昨日の喪失は
ぱらり、
白いお皿への林檎と一緒に
落下して
静止する
*
ぱらり、ぱら、ぱら、手の平から
白いお皿へと、剥いて ....
こんなに胸がきょう
せつないのは
わたしだけなのだろうか
春の前ぶれの雨が
まるで生まれたてのたまごのような
しろいふあんと
いたたまれぬきぼうと
あたらしいよかんと
蜂の ....
朝が音とともに明けたとして
僕は目を覚ますのか
低い体温の
衣服との間にこもる
すこしの熱が
昼の街に広がっていくのか
肌の表面を右手で触る
なめらかさを見つける
夜のうちに注がれた
....
歌詞を忘れても歌える歌
力のない私に吹き込まれる
命の息吹
口をついてでる言葉がない時
諦めた いいわけばかりが
心地よい
でもそればかりを唱える事を許さない
新たな思いはどこか ....
さみしかったんだ
ほとんど狼みたいに毛羽立った孤独を
ずっと人の死角にかくして
宇宙に旅立ったアホウドリの飛行士の話。
最近、ようやくこの星に戻ってきた彼の話によると、
宇宙の中 ....
沈黙をファイルしつづけた理性は
つぶらな意識をふとまたたかせ
早春の空にくりひろげられる
光のハープを聴いている
美味しそうな楽しみがあったので
夫と半分こして食べた
牛乳パンのようにほんのり甘く
甘いものが大好物の夫は
半分になった楽しみを
美味しそうに食べている
その頬が幸せを含んで
ぷくり、と ....
ねぇ、死んじゃったら
なにも見れなくなるんだよね?
なにも伝えられなくなっちゃうんだよね?
そこには、なにもなくなっちゃうの?
なにも残らないの?
天国にいくの? ....
家に入ると
音をたてて雨が
降って来た日
僕は心を失くし
愛情の伴わない
告白をした
東京6時41分
金沢6時51分
大阪6時51分
広島7時2分
那覇7時6分
深夜のタ ....
物語は
いつからはじまったのだろう
あれは遥かふたばの記憶
いろおにの
むらさきが見つからなくて
忍びよる気配に耐え切れず
かさぶたに触れた、指先
―――ふるえていたのだ
―― ....
君に明日会えるのが
楽しみ
で そりゃもう
君に明日会ったら
嬉しみ
で そりゃもう
なんて
どうして言えないの
楽しい
にミを着せて
嬉しい
は裸のまま
うっ 寒 ....
もう、
どこからどこまでが地図だったかなんて
関係なくなって
美しいことをいうよ
きみはきみで
ごらん、
すれ違う人々の両手には、何か
約束のようなものがぶら下がっているね
....
皿の上に不恰好な卵焼き
違うようホットケーキだようと
いもうとがきゃんきゃん吠え立てている
味は悪くないぞいもうとよ
頭を撫でてやると
子供じゃないんだからと言って
手をぽんと払われた ....
すこし寒い朝と
すこし寒い夜と
あなたはそれでいいと
あなたは言うのでした
かなしみはどこにもないと
よろこびの逆はきっと
いつか色あせてし ....
ああ
いくつもの候補があったよ
さくらとか、みかんとか、まりんとか
植物や風景が多かったかな
もう生まれてくる季節なんか
どうでもよくってね
まろんとか、こなつとか、みさきとか
次々 ....
泣きたいのに
年齢が邪魔をして泣けない
大人顔
友人の電話に
声が滲む
人はいつをもって
大人と言うのだろう
まだわからないなんて
子どもみたい
また眠れなく ....
予定のない週末に
予定を入れた
噴水を見に行く。
それで噴水を見に出かけた
ぼんやり缶コーヒー飲んだ
マラソンする人をながめた
虹が出た
ひとりぼっちだった
予定 ....
伝わらないもんなんだろう
わかってる
この想いほどは
いつも君には届いていない
共感してみせて
大袈裟をさらして
....
いつか見た景色
輝く野原
「君も見たことがあるだろう?」と
耳元で聞こえたような誰かの声
「もう戻らない?」
疑問の声を心の片隅に留めたまま
今日も作業する
星はひとつでも
じっこ ....
素数ばかりの現実を逃れて
羊水に包まれたような充足と安心を
浅い眠りに{ルビ貪=むさぼ}る、朝
休日の
{ルビ繭=まゆ}の内に垂れる
一本の危うい糸に吊るされた体躯を
淡白い光りの方角 ....
たたと ゆゆく
ののねの なくめめ
どのほが さくるの
つるいよわ ひのやや
ほしりい ふす けた わ
ね ぎちぎち
け せら みっ
あわ わあい
わた雪が
景色の中で降っていました
それが幻だということは
知っていました
幾重もの
ゆらゆら
ただよい降りて
白く、たどりつく
地の上へ
その音が耳 ....
果てのないような冷たさの
季節にあって
白い六角形の粉末は
人間の傲慢を
目覚めさせてくれるようだ
横に吹き荒れる風を友にして
人の造った灰色の道を
埋めつくし
道と道でない境界線 ....
微笑みがこぼれると
それをよろこぶ
ひとがいます
わたしにはのぞけない手紙が
おそらくそこで広がるのでしょう
愚痴をこぼすときも、
そう
溜め息は
誰かのな ....
「先生、強くなりたいです。」
「そんなに強くなりたいか。」
「はい」
「ならカレーを山ほど食べなさい。」
「何カレーがいいんですか。」
「それは自分で考えなさい。」
自由は詩の中に携え
短い帯に書き記し歌う
川面に映る柳
写真に収め
空を仰げば
梅の散り際
君の文句も空し
高校はへんさちで言うと
中の上のへんで
商店街の本通りが見下ろせる
屋上でいつも
ちよちゃんと並んで
お弁当を食べました
たわいのない話
ゆめや
男子のこと
テレビや
音楽のこ ....
暖まってきた空底をゆきかう
つららとのびた水面の宿り木
てん てん
おちて
なぞらずに許してくれる
しまい忘れられて
陽に 壊れていく冷たさ
包まれてしみこむ
沈黙の前
....
缶コーヒーが
だんだん
冷めていく
ほんとうのことだけ
しゃべってみようって
ガードレールで
決めたけれど
信号機がかわるたび
人は行き交い
高いお買い物と
安いお買い ....
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