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いったい誰が言ったことか。冬は女の子をもっとも白く可愛くする、という理論をそのまま体現していたかのような君の白い睫毛には、もはや雪ではなく白い花びらが、いま雪のように掠っている。
....
あたまから
どちらを手にしようか、迷うときがある
どちらも食べやすくて、食べにくさがある。
酒のつまみには豆腐だろう。
ご飯に添えるならば納豆だ。
どちらも同じく大豆 ....
かけちゃだめだけど
日々にあればいいもの
君が知るもの
誰も知らないもの
一服
匙で3杯
泡がくるくるまわって
つたないお点前
おかしは桜餅
よみひとしらず
草臥れたぼくを折りたたんで
シャボン玉みたいに脆い
紙飛行機
ため息に乗せて飛ばしたんだ
きみのところに届いたら
開いてみて
きみの瞳に映る時だけ
ぼくは ぼくでいられるから
....
海の轟が寄せ還る寂れた街を彷徨った
街灯がぽつりと点り羽虫を寄せていた
ヤモリが一匹それを狙ってヒタヒタと柱を登ってゆく
腹が減った
赤いちょうちんと暖簾が風に揺れている
魚介豚骨醤 ....
葉桜の明るい緑がそよぐ
もう花は残っていないと思ったのに
花びら一粒が風に乗って
頬を掠めていった
緑の隙間から太陽の光こぼれ
眩しさで目を細める
その背景の前で
風に揺れたスカートの裾 ....
ふわっと蒸しタオルで顔を包まれる安心感
顔を包むホイップクリーム
束の間の緩みから転落するように
カミソリが肌を滑るスリル
リラックスがこそげ落とされ
たらればが緊急に緊張を引き出し
背骨 ....
去年の秋のことだ。
老婆がひとり、道の上を這っていた。
身体の具合が悪くて、倒れでもしたのかと思って
ぼくは、仕事帰りの疲れた足を急がせて駆け寄った。
老婆は、自分の家の前に散らばった落ち葉を ....
幻のような町にいた どこかで風景が流れる光景を眺めていた 音のない世界だった 時折誰かとすれ違った気がした なにも見ないようにしていた 鳴いている仔猫を見かけた気がする 歩道橋の階段を登り 車の流れる ....
色彩の無いまだ
生物未満のものが
漂う原始のような海で
わたしは風の匂いを嗅いだ
ここにいる理由を
誰が説明できるだろう
ここにいる意味を
誰が否定できるだろう
ざわめく孤 ....
すべての駅は
改札を捨てて
だれかのおとしたメロディを
つぎはいでゆく
終点が
ただよう終着駅へ
咲いて
散る
それしか
人は見ていない
散って
生きる
そのことを
人は見ていない
愛でて
酔って
呆けて
憐れんだら
人は春を忘れて
葉桜の下を ....
恥ずかしくらい若かった
初秋の街角から立ち込める金木犀の香り
今でもその匂いを求めてさまようことがある
その、樹木のある家を見たこともなく
たぶん老人が住んでいたのであろうか
おそらく猫もい ....
深夜、ふと思い出し
夢の中でカレーライスの
分解を始める
専門の工具を使って
肉は脂身と赤身を分け
さらに赤身は一本一本
繊維のネジをはずしていく
ご飯の一粒は小さいけれど
....
駅までの道のりが
気怠い朝
右側に公園
木々から
ピヨピヨ
左側に民家
屋根から
ピッピッ
鳥たちは
何を話しているのだろう
ぼくは
真ん中で
おはよう
....
ボーナス制度とは搾取ではないか。
封建制度の名残である。
賞与は褒美として渡される。
縛りつけるつもりなのだ。
(ボーナス入るまで、やめないでねって。)
給与だけなら12回の手 ....
実家の垣根は汚れていた。
その汚れに入ってきて欲しくて寄り添っていた
あちこちで接木でもしているのか
いろいろな低木が混ざった垣根で
花も二、三種類咲く
そういうのは滅多にない
いっ ....
ミモザの木は枯れてしまい、可憐な黄色の花はもう記憶のなかだけの花になった
枯れた原因は、ミモザの木に肥料を与えたせいだったようだ
あとでわかったのだが、ミモザにとっては不必要なものだったらしかった ....
きみはどこでおりるの
ないしょだよ
そっか
ほしへかかる鉄道
どれくらい経ったかい
あれからどれくらいたっただろうね
君が降りてから何年経ったかい
ぼくがおりてからなんねんたった ....
色鉛筆で家を描いた
女の子が窓から外を見ていた
窓を開けてあげると
絵の中には
いい風が吹いているみたいで
女の子は気持ちよさそうに
空を眺めた
夜には星を描いた
女の子が何か ....
きみ、
こけし、
その目をつぶれば、
やわらかなこけし、
その目をつぶれば、
切り揃えたばかりの、
茶色いショートボブのヘアーが、
その瞼の内がわで、
そよ風になびいて、
あかるい、 ....
詩に神でしょうか
魂を奪われて
目を逸らせなくなった
その指がわたしの曲線に触れて
芯がじわりと赤くなる
押し寄せる昂り
少しく震え漏れる息
目を合わせた途端
はらり
と衣が落ちた
....
ジェンガティンガ司令は悩んでいた
生きるべきか死ぬべきか
崩れていくいのちのかけらを拾い集めては
途方にくれる日々だった
終わりかけたある日 にゃーがあらわれた
にゃーに ....
この灰いろの曇り空の下、
君のくちびるだけが赤い、
mysterious eyes,
そんな、頬杖の突きかた、
陽だまり、虫たちの空港
夢はいつも
そこで見ている
日々をかたどる
ため息も呟きも
散り散りになって
空のあるべき場所へと
帰っていく、と
痛みだけか残る
整備士の足首の細さ ....
高級官僚になれますように
七夕の短冊に、そんな願い事が書かれてあった。
デパートの飾り付け。
ユーモアあるわね。
それともユーモアじゃなかったのかしら?
ひばリンゴ。
ひばりとリンゴを ....
空気は暖かい
そして重い
死なない程度に手をつなぎ
死神と桜の道を歩く
路肩駐車。点滅信号
誰かの笑い声が遠ざかってく
腕がないおもちゃを拾う
灰衣の裾で風が舞う
....
朝方は雨に近いみぞれだったが、いつのまにか大粒の牡丹雪となり
真冬のような降りとなっている
誰にけしかけられるでもなく、雪は味気なく空の蓋を開けて降り出したのだ
すべての平面が白く埋め尽 ....
そらはあおい
みんなそういうし
ぼくもそうおもっていた
でも
じっさいよくながめてみると
そらって
あさやけはみかん
くもりはふるいふとんのなかみ
あめはへやのすみのほこり
ゆうぐれ ....
昨日は近く
今日は遠い
明日はその中間くらい
夏は遠く
秋は近い
春はよく分からなくて
冬は一周回って背中に
張りついている
夕は近く
朝は遠い
昼はいつも手探りで
....
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