すべてのおすすめ
あの子がゴミだって捨てちゃったもろもろを
一ヶ月くらい水車の横に隠しておいて
さざなみがつくる境界線のもっと向こうまで
もういいやってなった一歩手前まできたら
僕ん ....
ころころ月が 指うえアソブ
あんなに雨だれ 聴いたのに
覚えているのは 風の事
吹いた過ぎたと つかえた胸に
爪たて 口たて 脈をうつ
風車は どちらさま
残したわだち 戻らぬ見返り
....
たなについたとたん ゆれおちるいた
くずれたものはない おとしたものも
のせられなかったゆびが ただおちて
おこごとはよわくはげしくみみなりに
ちらかってはばかって くしゃくしゃ
ただしい孤独は
凛として涼やかな音色であった
愛しい憂鬱は
窓辺に花をさして髪を梳かす
美しい季節は
褒めそやされて散る花びら達で
そこそこ保たれるものだ
どうしようもない時 ....
団地の狭い庭に桃を植えて
安くて新鮮な桃を食べようなどと
欲を張ったのだが
日当たりは良くないので
おいしい実がなったかどうか
それも分からないまま…
たっぷりの肥料と
水やりをし ....
友達じゃなくて知り合いの
たまにしゃべるような
そんな感じの関係が
ちょっと懐かしい
懐かしいと言っても
別に何かあったわけじゃないんだけど
笑ってばかりいられるなら
それは ....
おしるしが来てから二日後
夜、下っ腹に引きつる痛みがあった
陣痛 前駆陣痛か はたまた胎盤が剥がれてしまったのか
ネットで調べる仰向けの オロオロ妊婦
これは我慢できる痛みだから 陣痛 ....
なんとなくせかされる気持を
落ち着かせようと
傘を開くように
立ち上がる
肩から力を抜き
仙骨を立て
腹から息を出し
前を視ると
スクリーンが
ワイドになる
混雑する電車を ....
いいつけられた そこにはゆるされず
いいつくしても そこははらされない
ののここにも うそのうたにもつみも
さざめくもの いしからよごれてなき
ところふりかえり とどけふりほどき
か ....
きつく、きつく、したら
壊れてしまうかもしれないね
って
胸のうちで微笑み合いながら
重なりあう
雪の
はずだった全ての飾りは
やわらかな音のなか
硬質な匂いの
一滴 ....
弱々しい泣き声を自粛して
見上げる空に満ちるのは
サファイアの海
誰のものとも分かちがたい記憶の潮に
わたしは鼓動をそっと浮かべる
きれいな言葉も醜い言葉も
燃やしてしまえ、落 ....
苦々しい喜びや
清々しい恥じらいが
わたしの背中を支えてくれる
寒々しい真実や
みずみずしい偽りが
わたしの肩を持ち上げてくれる
どうしたって
戻れないのが過去ならば
....
ふたりあやとりがしたくて
赤い毛糸をひろげてみたけど
まわりに
ひろってくれるひとはいなかった
ひとは
ひとりで生まれて
ひとりで死ぬんだというのに
ところどころで
どうし ....
今日も生息した
生きて息した
それだけ
役立たずで
怠け者で
どうにもならない私
でも確かに
生息してた
そのことで保たれる
平穏もある
生きて息する
と
生き ....
June
手紙を書いている 来る日も来る日も
一言で済む話に 二言目、三言目を無理矢理つなげて
文字で埋め尽くされ 便箋は真っ黒
子どもみたいに汚れた手で ポストに投函する
届き ....
バーチャル世界を漂う夥しい単体から
吐き出される0と1の記号は
フェロモンを伴って 波に乗り
キーボードの前に佇む孤独な心の
隙間に入り込む
ディスプレイの
向こうとこちらで ....
今日は 10回言おう
さみしいって
さみしい
さみしい
さみしい
言えてるうちは
大丈夫
哀しみは
まだ
そんなに近くにはいない
私には
あなたがいる
私が
さみ ....
時刻表通りに来るはずの
予定という列車を待つ
今日は宴会で
ぼくが進行役だ
何もかも遅れがち
ぼくはイライラする
十分おくれで
皆をのせて出発する
宴会がはじまる
打合せで
飲 ....
他人のせいにできないから
簡単に
諦めたり
開きなおったり
すべてをしかたなく
肯定したりもできないから
君はいつも
自分に厳しい
そんな君を
素敵だと思っても
緩い自分の
誉め ....
指に待つ 花片
空に梳く 葉片
枝に眠る 夜片
丸い月は 一本の線
体も 木蓮も 雪も
声は 雷
公園の
並木道で
かすかに
聴こえる音
の精をさがす
淡い
色すらない
音の精の
羽が
ひらひら舞うのに
輪郭が
ぼんやりしてきた
こころが
よりそう
ためきれない ....
曇った朝
「力、出すことだけ考えや」
車を降りる息子に声をかけた
「うんうん」
曖昧に頷きながら改札に消えた
重い病気で
1年を棒に振った彼は、ある日
「フリーター」、と自嘲して泣い ....
やまいは 至る所に
色をぱたっぱたっとつけていって
足あとのように
きれいに残っている
雨にぬれて溶けて
しまえばいいのにね
つながり つながっていく私と
切れないきずなを
ゆるしてね
青空を見ているときは
星空をわすれ
かき氷を食べているときは
雪をわすれ
かなしみが沢山のこころは
よろこびをわすれ
大人になると
子どもをわすれ
山を登る ....
踵を軽石で擦っちゃダメだよ
もっと硬くなるから
生物って傷めつけると
もっと自分を守ろうとして
防御強化するからね
強烈な垢擦りだって擦った後はスベスベでも
何日か経ったら角質層はもっと厚 ....
深夜、火がついたように
泣き出した2才の周は
生まれた時と同じ病院に
急遽、肺炎で入院した
生まれて間もない
ちっこい周を世話してくれた
懐かしい看護師さん達が
「あらあら、かぜがひ ....
「ととん、ととん」
曇った夜空から
列車の走る音が聞こえる
大気の具合でこんな日がある
目の前に来た列車に
いい加減に乗り
いい加減に乗り継いで
私の旅は現在にある
飛び乗った ....
桃の花が咲き 蜂が盛んに飛び交っている
林檎畑の中に二本ある 出荷しない桃の木
嫁いだのに 実を選るのは担当だと言われ
なんで私がと思いながらもなんとなく親しみ
桃ちゃん と呼んで会うのが楽 ....
今日は
晴れてくれて
窓は全開
ほのかな潮と
草のにおい
洗濯物から漂う柔軟剤の香料も清々しく
戸締まりする気になれなくて
遠くの小型飛行機のエンジン音を聞きながら
まったりと
やじ ....
街路にいるぼくが
語りかけるとき
胸の塔の
小さな窓があき
風がはいって
搭の中に眠っていた
もうひとりのぼくが
街路をのぞく
去っていくときに
長い髪をゆすって
一度だけ
....
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