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庭の紫陽花がうっすら青く色づいて
季節は嘘つかないね、などとつぶやいてみる
紫陽花は土壌の性格によって
色が変わると知った理科室で
人みたいだなとおもった
そんなふうにわたしが紫陽花を怖れて ....
水の稜線をたどると
椅子の肘掛けは
今日も閑散としていて
グラウンド整備を終えた
儚い高校球児のように
窓ガラスから先へと続く金魚に
適量の餌をあたえた

息に触れようとして
 ....
梅雨時の雨あがりに、まだ濡れている、
いくつもの、
綿毛となったタンポポが、
まるで細密な白いガラス細工のように硬質化している、
それぞれに、
きわめてミクロな水晶の玉の粒を、
無数に煌め ....
この生命保険は
六十歳になったら保障額が
六千万円が六百万円に変わる
判っていたがその通知が届いて
自分の価値が下がったことを実感

定年を迎えての再雇用では
給与が半減すると判っていた ....
 
 今朝、電車の中で

 いい詩が思い浮かんだんだけど

 帰る頃には

 すっかり忘れてるな

 何だったかな

 昨日見た夢は

 好きなコと喋ってる夢

 二人で ....
{引用=
ああ、星野さんの『たんぽぽ』のおかげで、きわめてミクロな白い天使たち、天使たち、あの明るい青空へととても穏やかな風に吹かれながら飛び立ってゆく、飛び立ってゆく。その両の手には種子というただ ....
深い夜やおら身を起こし
冷たい水を求めて蛇口をひねった
それから数週間。
ずっとぽとりぽとりと音がする
蛇口を力いっぱいしめてもしめても
ぽとりぽとりと落ち
滲み出るそれ
どうにもくくれ ....
 
 一日の終わりに、

 今日もよくがんばったね、

 えらいねって、

 自分を誉められるように、

 夜が来るんだね。

 夜の静けさの中で、

 自分が自分に帰れるよ ....
角度に実直に
ながれる水
起伏に忠実に
うねる水
感情に従順に
あふれる水
代謝に一途に
したたる水

速さを競って
にごる水
優しさに慣れて
とどこおる水
正しさを嫌っ ....
こんなふうに、結局のところわたしたち似たもの同士だし。こんなふうに、流れ、うずまき、ぶつかりながらまじりあい、あわだつ分子のひとつひとつだし。

ペイズリー柄の緑色の安いバンダナを買いたかっただけ ....
蛾蛾蛾、
長い長い年月の、
土とホコリの溜まった、
そのアルミニウムの窓枠に無数に繁殖するに至った、
その、ちいさなちいさな三角形の飛翔体、
蛾、
蛾蛾、
蛾蛾蛾、
蛾蛾蛾蛾蛾蛾、蛾蛾 ....
ハンノキハムシ、
小豆大ほどの、ちいさな黒い甲が秘めた、
爽やかな初夏の訪れを告げる、
まるで宝石質のように美しい、その青びかり、
葉を噛んでゆく、作業を放って、
框ドアのアルミのサッシを、 ....
都会にポッカリと空き地
照らすのは日の出から
カンカンぎりぎりと草原に
射し込めてこの爽やかさ
今日という日の 日日草
翳りだけ待たされて
鼻先につん!とくる
風は明日を感じさせない ....
ほどけていく
朝の気配と
牛乳だけが白い
メガネの
遠い向こう
身体の在処
その不在

親の顔が見てみたい
度々そう言われ、毎日
親の顔を見るのが
不思議だった
見に来 ....
神様の吐き出したコーラみたいに
スワスワした雨の中を、君は平然とやってくる
べったり甘ったるく掠れた声で、
私のシャツを染みだらけにして
口づけは、互いを飲み込むように夜明けまで
気が抜けき ....
スポットワーカーうれしんだ
通勤列車で押されんだ
リュックを前に抱えんだ
いっぽんの棒になってんだ

スポットワーカーうれしんだ
年下上司がやさしんだ
あいさつをしてくれたんだ
その日 ....
 
 影は

 光の当たる角度によって

 伸びたり大きくなったりするけれど

 言葉は影じゃないから

 等身大のままでいい
想いは沈み、
夜の静けさに息が漏れる
やがて、
瞼の裏に灯りはじめた
遠い星、
砂風の吹く
異郷の、
赤い空と渓谷

蒸気を吹き上げ、
無数のプロペラで浮かぶ
機械式の文明が、
 ....
古米
古古米
古古古米
古古古古米?
古古古古古米?

来ない
古米ない
ここ来ない
ここ古米ない
ここここ来ない

いいよ
高くても
美味しい米
農家の人たち
やめな ....
ときどき船になる

ただ流されるだけの
木の葉ではなくて

川を下る船になる

くぐった橋を数えるだけの
泡ぶくではなくて

時を忘れた船になる

舳先にとまったユリカモメ ....
眩しかったのはいつの頃か
あなたは
いつも笑顔だった

あなたの
小さくなっていく
その光は
音も立てずに
落ちていく

閉ざされたドアを叩き続ける
時の迷路を
ずっとさまよっ ....
買いにいった
売ってなかった
そのように
終わる日がある

たくさんの花びらを
瓶に詰めて
流す
意味がなくても
意味を求め
愛してしまう

後から静かな
養分がやってく ....
光と水はあらゆるものによく溶け合います。
美しいものには特によく溶け合います。
よく溶け合って美しいものを半ばちょっと別の美しいものへと見事に変容させます。
たとえば夏のプールからあがって来たば ....
見よう見まねでお好み焼きを焼いている

ぎこちない手つきで箸を握る人

きっと月の裏側から来た人だろう

そこは聖地でオリーブの実を照らす

 Tintarella di Luna ....
思い出せないくらい長いあいだ履いていた靴の
ソールがなめらかになり
雨の日にツルツルすべって
ひとりだけ氷の上を歩いているようで
それも悪くはなかったが
いつかは転んで頭を打ちそうと思い
 ....
きみの丸顔、
白玉団子、
笑うと、目が細くなる、
とぉーっても甘そうな、
白玉お団子、
角がないから、
まあるくなれて、
角がないから、
まあるくさせる、
その口は、
けっして人の ....
 
 近頃の私のポエムは

 気持ちがこもってて良いと思う



 でも全部フィクションなんです、



 って言ったら

 みんなどんな顔するだろう



 小さな ....
 
 嘘を吐くな

 正直に生きろ

 と親から言われてきたけれど

 詩の中では

 ウソついてもいいよね

 だって気持ちはほんとうだから

 ウソみたいな詩の中に

 ....
水のように眠った
連続する穏やかな
体液の水面
幾つかの色を見つけては
金属の味にしたがって
溶けていく
あなたが寒がるから
手袋とマフラーを買った
行く所がある訳でもないのに ....
座り仕事で
神経痛になった 街は
賑わう 今日も
選挙運動で人が溢れる


何をするにしても
時は流れた 親といても
そしてどこにいても 
歳を僕はとったものだった


荒川の ....
唐草フウさんの自由詩おすすめリスト(3971)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
トレース- そらの珊 ...自由詩11*25-6-15
稜線- たもつ自由詩5*25-6-14
露綿毛- 本田憲嵩自由詩14*25-6-14
妻と毒- イオン自由詩4*25-6-13
恋人- おやすみ自由詩425-6-12
綿毛- 本田憲嵩自由詩825-6-9
滲み出る- 凍湖自由詩3*25-6-9
おかえり- おやすみ自由詩225-6-8
- 夏井椋也自由詩11*25-6-7
ペイズリー- 片野晃司自由詩1325-6-7
- 本田憲嵩自由詩12*25-6-7
ハンノキハムシ- 本田憲嵩自由詩625-6-5
日日草- 洗貝新自由詩15*25-6-5
水滴もしくは- たもつ自由詩625-6-3
ぬるいコーラに耽る夜- 神奈備亭自由詩525-6-2
スポットワーカーうれしんだ- 松岡宮自由詩625-6-2
影踏み鬼- おやすみ自由詩325-6-1
星の儀式- atsuchan69自由詩18*25-6-1
- 自由詩9*25-5-31
船になる- 夏井椋也自由詩13*25-5-31
キセキ- 自由詩12*25-5-30
養分- たもつ自由詩5*25-5-30
水貌- 本田憲嵩自由詩1125-5-29
_スパゲティナポリタン「Tintarella_di_Luna ...- 洗貝新自由詩11*25-5-29
新しい靴を買いに- 凍湖自由詩425-5-28
白玉お団子- 本田憲嵩自由詩1025-5-27
マイポエム、マイタウン。- おやすみ自由詩425-5-27
ウソッキー- おやすみ自由詩525-5-26
優しい沈殿- たもつ自由詩525-5-26
曇りの日- 番田 自由詩325-5-26

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