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ウォーリーを探せ、と言われて
ウォーリーを探しに行ったまま帰ってこない
そんな少女の話を以前しました
かどうかは定かではありませんが
電話帳に海という字を見つけては
泣きながら印をつけて ....
誠実で在りたいと思う
突然 割れるわけでもなく
花瓶の水が染み出してくる
その瞬間
隠している筈の物が
表に現れる
もろい心
先へ進む勇気が無い
されど
立 ....
理由など欲しいとはおもわない
おちてゆく桜の色が、なにいろであってもいいように
いつかきえていく、わたしたちに理由はいらない
別段、理由でもない
あなたへ向けた顔と、あなたとは違う ....
虚しい言葉は砕けて夕暮れ
灰色とオレンジの世界に
丁寧に磨かれた白い月
僕は僕で僕を歩いている
もうすぐそこまで来てる
君がそこまで来ている
自分を追い ....
ダッシュボードに斜めに突っ込んだ
おもちゃみたいなラジカセ、レゲエのリズム
全開の窓から
おまえは
ほっぺた出して
ぶるぶるやってた
子供みたいに
俺は
クラッチとアクセル
ジャ ....
はじまりはとても静かであたたかで目を開けた赤子は咲く花花を見ゆ
るるるると蛙の鳴き声が聴こえてきた青い田園を目を細め眺めるそふ
なんども口づけを交わす祭りの夜の恋人達蛍や花火の真上で黙るつき
....
ひからせや あかく
つれゆく ねごもり
ほうらせ かたせに
おとなう みにおう
きりあめ とかれて
ゆきいろ ぬかるみ
おりこむ みついろ
いくつもの岐路に立って
流れる雲の下
永遠なんてないのだから
絶え間ないこの血潮の想うまま
流れているのか流されているのか
いつもの交差点では
運の悪さを象徴するように
....
まあるく、まるくこの上を行く飛行船は四番目の空で
黄色や青に染まってみせながら、天井を越えていく
抱き寄せた僕の中では、懐かしい声が響いて
どうでもいいはずの、無駄な筆先が描く線でさえも
....
夜中
水道から
ぱたぱたとなみだ
海になんか辿りつかないのに
机の上で
しまい忘れたサラダが
哀しい彩りで居場所をなくしてる
きれいに一人分だけ残して
あたたかみをなくしたイスが
部 ....
まっ赤で
おおきな歌に
くだかれた夕暮れの
かけらをよせあつめて
ぼくはトルソーを
つくった
奄美の島ざらめを
たくさん、うみにながしたら
おおきな涙に ....
名前は意味だ
狼を雌鶏に変えた鷲の嘴は
焼かれて煌く
聞いてくれ!と
散歩道で騒いだくせに
すっと黙るのは
卑怯者の群衆
{引用=
森が育むのは
夜という物体
....
窓にはまった網戸を見ていた
それからちゃぶ台の上のスプーン
同じ方向に三本並べられていた
これママの、これパパの、これぼくの
暑かったと思う
そのことで汗もかいていたと思う
数年経って
....
白い桜花のあいだから
かいまみた 貴女のくちびる
いつ どこで そうなったのか
わたしの記憶はさかのぼる
赤い花は嫌いです まして
白い花が降りそそぐその中で
貴女の白い指先がこぼれおちた ....
たとえば僕の場合それは
初めて
しり あった
女
というやつと
つめたい汗を皮膚に浮かべながら
五月
間延びした地方都市のなかで
その延びきったらへんで
道がすこしだけ
ほんの少し ....
春愁に耽る窓辺に
春の宵は更けて行く
何もかも朧に映るのは
この宵の不可思議のなせる業
月の{ルビ面=おもて}も遙かな山の端も
朧に霞み夢心地にたゆたう
私もまた春宵の魔法に魅せられ
桜 ....
彼はただ椅子にじっと座っている
赤い林檎のあまさは あたしがみつけだすもの
彼を抱きしめるだけの静かで美しい生活を
いつでも望んで生きている
朝日は遠くにかけていき
あたしはゆっ ....
鬼の島に住む鬼は
毎日生活を送っている
朝起きると少し不機嫌で
中には朝から元気な鬼もいるが
多くの鬼は低血圧で
みんな朝ごはんはほどほどにしか食べない
ある鬼は会社に出か ....
微かに血の色を混ぜた
純白の火照り。
月光を浴びた濃淡の起伏が、
永くしずかに波打つ夜
幾重にも重なりあう
厳かな山脈を流離う爛漫、
滑り落ちる霞のごとく
裾野へ降りて散る花、死、花 ....
恋するたびに砕けた欠片を
涙でそっと集めて抱いて
鋭利な言葉で裂かれる思い
すべてこの手で集めきるには
わたしの心はあまりにも拙い
誰かの世界に埋め込まれたあなたの愛は
今日もわたしを彷徨 ....
低い空の音のなかで
部屋は明るくふるえている
明るさはやがて点になり
糸にほどけて消えてゆく
音はずっと鳴りつづけている
空はさらに低くなる
底の歪んだ容れものが
....
{引用=くりかえされる、すべてのいのちと
いとおしきわたしの二人称たちに}
わたしがあなたを産んだそのとき
それとまったく同時に
あなたがわたしを産んだのです
この、配線だらけの街の ....
私は私なので
私にしかつくれない詩があるはず
けれども
その言葉が見つからなくて
いつもずっと探してる
私は私なのだから
私にしか歩けない道があるはず
けれども
その道に辿りつけな ....
最寄り駅にあるキヨスクでは
店員のおばちゃんが詩集を売っている
おばちゃんの書いた詩や
駅員の書いた詩や
ホームの柱に落書きされていた誰かの詩が
そこには載っている
地域住民の出した詩 ....
むかし空には大きなバケツがあって
悲しいことがあると人は
そこまで悲しみを捨てに行った
ある日両手いっぱいに悲しみを抱えた大男が
そのバケツをひっくり返して
中身は空の隅々まで散らばってしま ....
私の中にある哀しみについて
いつか
あなたに届けたい
自慢するだけの
不幸もないので
私はいつも黙ってしまう
やさしいね
人はみな不安だ
東京にいくと
いつだってそれが見 ....
ある日
贈り物をしようと出掛けた
セーターを買いに行き
サイズを聞かれた
わたしは答えられない
靴屋に行き
やはりサイズを聞かれ
答えられない
ネクタイを買いに行って
好みの ....
この黒い塊に火をともせば
星空にくゆる灰色の煙で
ふたり。息苦しくて
思わず咳き込んでしまいそう
エンジンを切った
深夜の車内は。ことさらに寒くて
あなたの手のひらだけが
あたしの温 ....
世の中には春が訪れたというのに
一人だけ取り残されたかのように
生活に冬が続いている
わずかな陽だまりにその温かさを
見つめるしかない生活
小さな机の上には
灰皿と百五円の使い捨てライター ....
{引用=
かりそめの
さようならに
わたしを
儚い者
と呼ばないでください
宴の余韻に身を任せ
ただこのまま
眠りにつく
しばしの別れ
夢を見る
子供の頃
夢の無かった ....
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