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流星群は行ってしまった
銀の光の尾は思ったほどの残像を残さず
地に這うものと宙空の距離を
夜という名で引き離す
星が流れる
わたしは物語として知っている、
祈りのかたちで
手を胸 ....
暗い闇の街の中を一人で歩いてる
光なんて無いこの世界では
全て物が闇になった
いつくきてやまないメールの渦で
伝わらない物があるんだよね
送っても送ってもその距 ....
ほころびをなぞる指さきを
もうひとつの指が追いかける
つゆ きり もや
つゆ きり もや
ふたつ ぬれる
いきもどる雪
手玉 てのたま
三つのやりとり
いさめる声な ....
忘れられない絵がある。
いつ見たのか、どこでだったか、覚えていないが。
思い出す、絵がある。
大きな窓から夕暮れの赤い陽が射し込んでいる。
中年にかかった初老の男女 ....
あ どこで鳴っているのだろ
悲しく響くパンの笛
空の上から高く低く
木々の間から遠く近く
誰が吹いているのだろ
森に木霊するパンの笛
謎 謎 謎の響き
僕はその日いつまでも
謎の響きに ....
北の大地では六花を呼び込む灰色の空が
重く色づいた樹々を
このまんま押し花みたいに
空に繋ぎ止めてしまえば綺麗なのに
芸術家気取りの冷たい風が
ハラハラと色を零していく
どうせなら ....
その言葉を初めて聞いたのは、
まだ、あなたの海にいた頃。
大きすぎる手のひらを隠そうともせず、
揺られる海の深さを世界と思っていた頃。
右へ。聞こえる、聞こえています。
右へ。手のひらを。ぐ ....
さえない毎日はグレー
北風吹く財布の中
年の終わりに振り返る
まだまだ先の見えない生活
やり残しの多き課題
雑踏の中に消えていく個性
まばらに見え隠れするのは
等身大 ....
あなたのこと あなたの好きなこと あなたの好きなもの
時間の許す限り 私は考える
だけど あなたは あまり考えてくれてないからか
いつも私ばかり話してる
星を讃えよ
僕はここに生まれる
輝くものを愛しみ
ひるむことなく
ここに生まれたことを
心の種とせよ
星のきらめきを見よ
空を讃えよ
僕はここにいる
目にするものを敬い
たじろ ....
壁を自在に移動する窓
持ち歩き可能な窓
心臓に取り付けるための窓
蜃気楼だけが見える窓
窓硝子に詩を書くための窓
叩き壊しても何度でも再生する窓
脱け出すためだけの窓
忍 ....
この 響きの 深く
清めた 場所で
流れる感情の帯 旗として 掲げ
密かに 掲げ 夜を見詰めて
この 夜を祈り通し
星をいだき
星をささえ
深まる 夜ごと 夜ごと
闇が静 ....
そこには廂のない
木々を見下ろすような
建物ばかりが並ぶから
欠けない月は
皮膚の下
脈打つ鼓動までも
見通す
懐で熱を吸い上げる
母から貰った
裁ち鋏は
銀色の筋をつけながら ....
きれいな心の人が書いた
きれいな詩は傷つく
死ななきゃいけないって言われてるみたい
あいしても
濁らないひとがいるのはなんでなの
何が違うの
心のきれいな人が作る詩
....
空をけずるおとのする 大風のよる
ふたりで二尾百円の鰯をたべる
おさないりーちゃんのいうことには
こんな風 神サンのおうち とばへんやろか
ピンクの箸で鰯の肉を運ぶ
りーちゃんの「神 ....
見上げると
ひらひらと北風に舞う
たましいのかたちをした
まあるい葉が一枚
落ちてきた
{ルビ煉瓦=れんが}の{ルビ椅子=いす}に座ったぼくは
腰をかがめてそれを拾うと
....
さらさらと零れていったわ
貴方
あんなに細かくちゃ
骨も拾えない
きっと
暖かな夢を見ていたのでしょうと
私
自分を甘やかす
凍えて死んだ
少女が擦った
マッチ棒の先
夢 ....
なんということ
こんなにもきれいな
瞳をしているのに
のに
祖母は私の瞼に触れて
また少しちいさく
かすれてゆくかのように
そう言ったんだ
薄い皮膚で感じた
あなたの ....
自分の名前を
忘れてしまいそうになる
遠いとおい旅路なのです
だけれども
決して忘れない
名前もあるのです
あの月と星をいただく塔の上で
そらに吸い込まれる
ただひとつの呼び名のよ ....
紙ヒコーキの飛距離はそんな大したものじゃないから
紙ロケットをつくった
そんなに難しいものじゃない
簡単につくれるもの
だって紙だから
ロケットは宇宙へと飛んでゆく
宇宙旅行ができるん ....
風が公園で遊んでいる
ブランコに乗っている
砂場で小さな山を作っている
広場でおにごっこをしている
風が公園で笑っている
ジャングルジムを伝わっている
ベンチの後ろに隠れている
ボー ....
音もなく降る雨を
ぼんやりと眺める
眼鏡が塗れて
視界が薄れていく
咥え煙草
白い息と煙
止め処なく
途切れなく
溜息と自嘲
そして後悔
顔をしかめながら
通り過 ....
押し寄せる波が私を連れ去ろうとする
どこか遠くの私の知らない世界へ
もう終わりだと知っていた
これ以上続かないとわかっていた
だからこそ
信じたくなかった
この波の音が聴こえるこの ....
1
十二月の眠れる月が、遅れてきた訃報に、
こわばった笑顔を見せて、
倣った白い手で、ぬれた黒髪を
乾いた空に、かきあげる。
見えるものが、切り分けられて――。
伏せられ ....
人形の人の死体が
石積みの河原に落ちていた
右ひじから先が無く
首も変な角度で曲がり
埃と泥にまみれていた
見たことのある人の死体は
どれもきれいに整っていたので
とても汚らしく ....
嫌われることに震える両手は
ひとを切らずに
済んだかい
置き去りの身に震える素足は
ひとを捨てずに
来たのかい
おそろしいものは
いつも
わからないのに
....
プリンタから大仰なオノマトペとともに
吐きだされた紙は
わたしのこころの化身の化身
余白がもう白すぎて
わたしは震えてしまう 指先 くちびる
間のぬけた音がきかい ....
{引用=しん
と張りつめた空気の隙間から小さく 雪ふるる}
氷点下の朝
白樺の並木道
枝の間から差し込むあたたかさ
昨日の凍てつきなんて
思い出すことなく
鳥たちのさえず ....
世界の片隅で生まれた風は
猫柳の枝を揺らし
水辺に群がる蝶の触手を掠め
乾いた轍の上を砂塵を巻き上げながら
叫びと響きを翼にのせて
つむじとなって舞い上がる
鋭いまでの切っ先 ....
今いる自分より
遥か遠くにいる自分を想うから
それが夢になる
夢はいつも
今の自分よりも良くて
だから
今の自分がつまらなく想えるけれど
そう想えるからこそ
夢である価値がある
....
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