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コンクリートだらけのこの町に
ポエマーがやってくる
その名は
スーパーポエマー
マンションだらけのこの町に
スーパーポエマーがやってくる
聞くところによると
早打ちらしい
キー ....
風が みえる。
小麦畑が 風の かたちに
なぞられて ゆく・・・
{金色=こんじき}の波は
ささやいて いたのに
なぜ、 わたしは
ささやかなかったのだろう 君に・・・
愛を ....
青空と風と光と・・・
さうして夏はやつて来た
麗しき少年の日々よ
君の白いうなじを光らせ
駆けて行く あの鬱蒼とした森へと
君の涼やかな瞳が笑ふ時
・・・それは光に似てゐた
君の白い ....
よこしまないそしぎ
誰のための音も流れない
私の手をかすめ
とびはねては消えていく
苦しい苦しい泣き顔たち
曇りの朝は水を欲しがり
ひとり 作りものの他人にすがって泣く ....
ほほを桜色に染めた
小町娘が夜道をすっすーと横切って
午前零時の散歩
{ルビ映日果=いちじく}の葉に反射する
コウモリの声
超音波時計に刻まれた
わたしは悲しみに冷静でいたつもりだった ....
今日の雨は哀しい音で泣くから
傍に居て欲しいと、思うんだよ。
頭をぎゅう、と締め付ける雨の響き方が
やけにゆっくりで
あのイントロに似ている、と思ったりする。
死は矢張り誘惑で
言 ....
夏の夜に
いくつもの太陽を揺らすひまわり達
仕事帰りの疲れた男に
わさ わさ わさ わさ
大きい緑の手のひらを振る
日々の職場では
密かな善意を誤解され
....
君と
君の子供と
動物園へ遊びに行く
動物園のない町に住んでいるので
キリンもカバも見たことがないからと
地下鉄に乗っている間も
図鑑で予習に余念のない二人を
窓鏡に映る姿で見つめる ....
まるいかたち
まるくないかたちのものが
手ではない手にこぼれ落ち
光や
光ではないものとともに
器のなかで鳴りつづけている
低い草 永い風
畏れをわずかに避ける影
....
流れる秋に
ススキが揺れる
過ぎ去るものは
夕焼けの風
気づけば空に
真っ赤なトンボ
心吸われる
我が想い
染めゆく秋に
紅葉が騒ぐ
置き去るものは
夕焼けの風
気づけば道 ....
夜とカケラと
くず拾いの顔
コップをコップで閉じ込めた輝き
薄め 薄めて
水より薄く
足を伝った油の罪
月は彼等に殺された
私は月を想って泣く
封じた想いは耕され
見たこ ....
?.
あなたを
あなたのすてきなところを
一日
大切にする
あなたを
あなたの汚れたところを
裏返して
日に透かしてみると
おかしな影ができるから
その影に指で ....
あなたは手慰みの指先で
わたしの身体をくるくる回す
言いなりになんかならない
と思ってはみても
あなたにだけは嫌われたくなくて
股関節の痛みをこらえ
アンディオールのポーズを取る
(わた ....
朝に
林檎がもがれる
それは
太陽になり
風になり
私のもとへとやって来る
おはよう
ごきげんいかが
と はにかんで
さくりと
歯に当てた
ほのかな酸味
....
{引用=
その触感に硝子は濡れ
窓の向こうに季節の音が訪れた
川と海がきらめきの水に重なり
遠いそこにも
二人だけの神話は秘められている
胸のなかの声 腕のなかの ....
夕闇の
あの色が好きです
切なさをひとつぶ
いとおしさを一粒
弄んでは
つぶすたびに
広がってゆく葡萄色
甘いあまいのは
街の匂い
あなたとはぐれた
秋の匂い
五 ....
人々が漏らす{ルビ溜息=ためいき}で
街の輪郭が{ルビ歪=ゆが}む土曜日の夜
場末の Bar の片隅で
翼の生えたアダムとイブの人形は壁に{ルビ凭=もた}れ
虚ろな瞳で古時計をみつ ....
あなたが優しく息を吸い
ふい と息の根を止めた時
私は とても幸福でした
流れる雲は川面に映り
青い空を魚は流れる
錯覚しておいで
この手の平の陽に
飛ぶ魚よ 飛ぶ鳥のように
....
きりきりと張られた
暗い夜道
向かう音のない雨
片側だけで 聴く耳
もうひとつの行方
舗道を流れる
外灯の明りに
寄りすがり
つぶてに 落とされた 蛾
パタパタと 動か ....
祖父が亡くなってからずいぶんの時が経つ
お骨になった祖父は白く そしてもろかった
まだ暖かい祖父の骨を私たちは火ばしでついばむ
生きている者を火ばしで持ち上げたりしないすなわち
祖父は名実 ....
いつしか子どもたちは
走り方を忘れていった
いつしか大人たちも
走らせ方を忘れていった
走ることの大切さよりも
走ることの危険さが
叫ばれるようになった
走ることによって
強くなっ ....
(1)
外では血の雨が降っている。誰が死んだわけでもなくて、ただ空が血の雨を降らせている。ねばねばと。あたしはなにがしたいのだろう、あのひとはなにがほしいのだろう、なぜここはこんなにも寒いのだろ ....
「一件のメールを受信しました」
薄い透明な膜
電源を入れれば一瞬真っ白になる
僕のパソコンは液晶ではなくて
少しだけ奥行きを感じる画面
ラーメンが茹で上がるくらい
立ち上げる時 ....
カレンダーを一枚めくる度に
当たり前に季節は深くなってゆく
ビルとビルの谷間の廃屋にひとり住む老婆は
知らぬうちに彼方からの者を迎え入れる
表通りでは今日も賑やかな工事が進み
誰も気づかぬう ....
山里深く
美しい女が独り
淋しく庵を結んでいるとの噂を聞きつけ
伊達男や
誇り高い益荒男どもが
我こそはと
鼻孔をうごめかせつつ尋ねて行ったが
その度に女は
こんなときを ....
会社
会社の顔を汚すなと
上司に言われた
僕に顔は
いらない
未来
40年後の
僕の顔
今のこころが作り出す
レジェ
....
わずか25cmの彼女は
メルフェンだった
愛くるしい顔をした
庭の番人
彼女の周りにはいつも
伸びてくる草や
季節の花々に囲まれ
笑顔を絶やすことはない
時折り
トカゲや大き ....
そっぽを向いた鏡をなだめて
今日も自分は
この世に映る
結び目を
ほどこうとする指先は
きみの吐息の熱さのなかで
やわらかに
能動のつもり、の
受動となる
名を呼ぶほどに
ひとみはひとみの鏡となって
きみは時折
ひとりで勝手に向こうへ ....
このひとつぶに幸いあり
このひとつぶに不幸あり
不ぞろいに置いたそのつぶを
くちびるに含んで夢を見る
あのひとのくちづけを
あのひとのかんしょくを
私の恋はいまだ熟さない
....
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