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星明りの瞬く夜道を
皮ふと同化している
水晶時計の周波数と歩む
果てしない さようなら の骨格が、ひんやりうずく
しろく曲線にそった静寂(銀のしずく
の波紋)の右旋性が
夜風にとじられたま ....
体のことを思えよ
おれの
体のことを
体のことを思うよ
おまえの
体のことを
体がいいから
おれたちの
体がいいから
おまえの肌のきめを
北から ....
遠鳴りを
たずねてゆびは
更けてゆく
傾き、
あざむき、
なき、みさき、
橋の向こうを告げられぬまま
こころもとなく
火を浴びて
頑なに
待ち人の名を ....
あの夜、
ケタの顎を蹴り砕いたこと、
今でも後悔していない。
いつも間違いばかりしていたけど、
あれだけは後悔していない。
ああしなければ、
ケタはまた ....
わたしは
くらやみで
ふと きこえる
すずのおと のような
かなしみです
わたしは
ばろぼろに やぶれた
ごみぶくろ のような
かなしみです
わたしは
あおくて ふかい
....
にゃーん と言って
にゃ〜ん と答えて
それで ふたり
笑えてたら ステキ
咲かぬ花を温めて
孵らぬ卵を包み
私たちは手を繋がず
夜明け前に夢を見る
鳴いてはならぬ 暁の鳥
目覚めてはならぬ 琥珀の瞳
結んではならぬ 明日の実
空には真白な三 ....
背後から抱きしめられる気配が
して
「だぁれだ?」
そんなのあなたに決まっているのに
他のだれかを想像してみる
雪の降らなかった今年の冬を
ひとりで歩いてみた
行き先なんか
決めた ....
春の気配を漂わせても
外はまだモノトーンの景色
窓辺
揺れる裸の枝先の
まだ開かぬつぼみ
食卓を飾る赤は
花瓶に押し込められた薔薇
生気のない色はイミテーション
ならばまだ ....
向かい風に出会ったら
ひょいと向きを変えてみるといい
そうすれば
追い風になって
キミの背中を
押してくれるはずさ
朝になれば目が覚める
そこはぼくの家
いや
ぼくの家らしい
今までぼくの家と言われてきたのだから
そうなのかもしれない
生まれてきた時から繰り返したことを済ませ
家を出て学校に行く
そ ....
「Le Poete」(詩人)
という名の店が姿を消した後
新装開店して「Dio」(神)
という名のピザ屋になった。
消えた、前の店と同じく
ピザ屋は毎日空席だらけ
カウ ....
地球は丸いものだから
平たい紙に写しても
全て正確には表せない
距離を正しくしようとすると
面積がおかしくなり
方角を正しくしようとすれば
形が崩れてしまう
地図は
もともと全てを ....
昨夜の大雨で
水{ルビ溜=たま}りに{ルビ浸=つ}かった靴に
古新聞を丸めて入れる
翌朝
すべての水をすいこんだ
古新聞を取り出し
しめった重みを
ごみ箱に捨てる ....
嵐のあと
歩道に{ルビ棄=す}てられた
ぼろぼろなビニール傘
雲間から射す日射しに
一本だけ折れなかった
細い背骨が光る
あのような
ひとすじの {ルビ芯=しん} ....
「運命って信じる?」
「どうしたの真剣な顔をして」
聞けば親友がフラれたらしい
七年間の長い交際の果てに
「私達は大丈夫だよね?」
「当たり前だよそれより早く寝なよ」
強気 ....
実習中
「妊娠してます」
とは言えず
患者さんを
抱きマットへ移動
母泣かせ
父失望させ
私たちは親になる
春3月の風凍みて
結婚式
暗い顔の両親親戚
....
しずかに ね 猫
私は いま しんでるんだから
かたおもいのこい とか
あしたのしけん とは
わけがちがうのよ 猫
しずかに猫
はなれて ね 猫
私は す ....
--------------------たにおり
ひとり警棒振ってると
いろんなことが思い出されて
片腕 しびれるほどに
警棒 重さを忘れて
道のお手伝い
くるま 流れるほどに
あれ ....
教室に戻ると、
机がなくなっていた。
みんなぼくに背中を向けて、
くすくすと笑っている。
すごく笑っている。
いつもの光景。
誰かが振り向いた。
なに ....
町外れにある小さな海岸には
波が来るたびに
無数の椅子が打ち上げられる
町に住む子供たちにとって波音とは
木や金属のぶつかったり
こすれたりする音に他ならないので
海遊びをするときは
上 ....
左目の蜂
音を運び
ひとつふたつ
鎖骨に沈み
水音になる
心音になる
傷は多く
果実の匂い
口でふさぐ
はばたきの色
外へ 外へ
去ろうとする色
水 ....
当時はもてはやされた
流行のデジタルカメラ
今では部屋の片隅で
勢いで買った専用のプリンタとともに
すっかり埃にかぶっている
電池も完全に切れている
プリンタに差し込まれたままの紙は
純 ....
その線の流れは
いくつもの分かれ道があっても
不思議とまっすぐに見える
迷い間違えながら歩いているようでもそれが
過去となれば運命と名づけられるからなのか
生まれながらにして刻ま ....
まんっまるの満月だ
夜
夜でもあったかいもう
春
はある
あはは
さくら
あっちのお山の
桜は咲いたかな
ちらほら
ぶわあって
ねえ
ねえねえ
さあねえ
海 ....
別れの時刻を知ったとき
ひとは優しくなる
すなおには
明かせなかったこころをもって
朝はかならず来るのだと
ようやく夢は
ここから
近く
ありがとう ....
ふと気がつけば
後ろ手の冬
雪の匂いも薄らいで
それとは知らず
陽をまとい
季節は
追い越せないものだとばかり
待ち続けてきたけれど
いつの間にやら
景色は流れて
....
木彫りのゴリラを作った
魂をこめたつもりが
こもったのは悲しみだった
真夜中彼はがんがん胸を叩いて吠える
号泣だ
朝、机の上の涙の水溜りに半べそでモップかけてる
あんまりか ....
うまれるまえに
だれだったかなんて
どうでもいいよ
うまれかわって
どうなるかなんて
しらなくてもいいよ
まっすぐまよわず
あるけなくても
きちんとじかんを
つみあげられ ....
ふかい夜のそこで
ひざをかかえていても
かならず夜明けはくる
地球が回っているかぎり…
かなしみのそこで
かなしみがつづいていくのは
じつは
あなたがあなたじしんで
かなしみを追い ....
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