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あんたが生きたかった毎日を
死にたい死にたい言うて生きてる人もいて
そんな人と命の交換ができたら
どんなにええんやろうと思うよ

うちが生きることしかできひんなったんは
あんたが ....
わたしの影は
わたしの涙で
水色になりました
わたしがそっと足をつけると
ぴちゃっという音をたてます
わたしはくつをぬいで
服をぬいで
影のなかへ
沈んでいきます
 ....
隣に座った旅人に
何処に行くのですかと聞いたらば
にこりと笑みを返された

なんだかそれがとても
尊い物のような気がして
私もご一緒していいですかと
たずねた

旅人は笑って首を振っ ....
あまがえるたちの追悼の合唱が
真夜中の公園に響く

ゲコゲコ、ゲコゲコ

とても悲しそうな声に
僕は胸が詰まりそうになる

ゲコゲコ、ゲコゲコ

音が止む

黙祷 ....
久しぶりじゃないか

思わずそう言った僕の方を
あまがえるは振り返る

久しぶりのあまがえるは
少し痩せて見えた

仲間の合同葬儀なんだ

彼はそう言った

この ....
この石ころは
どっから来たんかな
遠い遠いまだ教科書でしか見たことない
ヨーロッパとかから
来たんかな

学校帰りの小学生や
ちょっとムシャクシャしてたおじさんや
いろん ....
約束の時間になっても
あまがえるは姿を現さなかった

もうすぐぽつぽつと青苗が植えられる水田は
今日の雨を十分に吸収して
ちょっとした池の様だ

ゲコゲコ

申し訳なさそ ....
そろそろ準備をしとかないとね
あまがえるは僕にそう言った
明日からなんだ
あまがえるは少し嬉しそうだ

まだ大きな声は出せないんだけど
あまがえるはそう言いながら立ち上がって
 ....
トントンとドアを叩く
あまがえるが立っていた
雨が降りすぎてねぇ
しばらく雨宿りさせてくれないか

あまがえるは
びしょびしょの体をタオルで拭いて
どっかとソファに座り込んだ ....
こうやって一つずつ年が離れていくんやね
来年になったら
また一つ年が離れて
うちが十年たっておばさんに近くなっても
あんたはあの頃のままのあんたで
うちらの年だけがどんどん離れてい ....
鬼の島に住む鬼は
毎日生活を送っている
朝起きると少し不機嫌で
中には朝から元気な鬼もいるが
多くの鬼は低血圧で
みんな朝ごはんはほどほどにしか食べない

ある鬼は会社に出か ....
一人ぼっち寂しそうね
そう言って目を細めた
こんなにもきれいな夕日だけど
太陽の本音を君は知っている

柔らかな暖かな
風が撫でる君の赤い頬
夕日を映した様に
それはとても可愛らしくて ....
雨が降るよ
こんな深い夜に
追い討ちをかける様に
雨が降るよ

雨音は単調な二音の伴奏
群がる音符は
飛び散る水しぶきと
破裂する

真っ暗闇の薄明かり
電灯は雨 ....
ねえ手を繋ぎませんこと
恥ずかしいのは私も同じ
否、と御即答されるのは
判っているけれど

はあっと息を吹き掛け
一瞬の合間に空気が
冷やされ地面に落ちて行く
まるで貴方 ....
世辞を御云いになる貴方の口先には
吐いて捨てるほどの口唇が群がる
郵便受けに貯まった手紙には
貴方の本音の言葉が陳列す

嗚呼僕はこうでありたい訳ではないのだ

然れど正夢 ....
あんたはほんまにきれいに切りよる
すうっていう音が聞こえてきそうになるわ
あんたの血はきれいやな
そこに顔を映すとき
一番うちが奇麗に見えるわ

あんたの切り口を見てると
だ ....
あの太陽を挑発するように
空に向かって主張する
大きな大きなくらげ雲
這い上がる排煙は
この世の隅々にまである希望を巻き込んで
絶望色に空を染める

その触手に刺された先に  ....
凍りついた重たい大気に圧されて
密やかに凍えるお前を
私はそっと抱きしめる
けれどお前は
私に触れられた瞬間
はっとしたように
すうっと空気に溶け込み
私の指の間をすり抜け ....
春の花を見つける
忘れないように匂いを嗅ぐ
きっとこの花が
私を飾る
だから忘れないように
匂いを嗅ぐ

夏の果実をかじる
熟す時期を覚えておく
きっと私が最期に食す ....
坊や、雪が降っているよ
桜はまだ、咲かないの
ご覧もう咲いているよ
真っ白な雪桜が

坊や、雪が降り続いているよ
椿はまだ、咲かないの
ご覧もう咲いているよ
みどりいろの ....
わたしは死んだ
あんたはさぞかし喜んでいるやろう
あんたは周りにいっぱい女の人こさえて
家にも帰って来うへんで
月に一回お金だけ落としていって
なんかの義務みたいにわたしを抱いて  ....
一夜の頃
初めてあなたと離れた夜
一人の夜は何か不思議で
夜の音を聞いている間に
過ぎてしまいました

二夜の頃
あなたがいないことに慣れてしまった夜
何をしていいか分か ....
お前みたいにようできた妹を持つ秘訣はな

兄ちゃんみたいな駄目な兄貴を持つことや

何やってもあかん
お父ちゃん、お母ちゃんに
心配ばっかりかけよる
こんな駄目な兄ちゃん見てる ....
あやおかしな男とはいるもので
月水金になりゃ
どっかに行っちまう野郎がおりまして

火木、土日は
わたしの寝床で
愛を囁くんですが
他日は何処へか行くんですよ

ある日 ....
アダムとイブが
神様の庭を追われた一週間後
アダムにもしものことがあったとき用に造られた
もう一人の落ちこぼれのアダムは
目を覚ました

神様には
目覚めたときに
優秀な方のアダムがい ....
お風呂に浸かって
六十兆の細胞を丹念に洗いつくす
明日消えるものには別れを
新入りの細胞には洗礼を

すべての細胞を磨き終えたら
今日も一日が終わる
さよならした細胞
初 ....
あの日子宮に辿り着いた時
私は多くの仲間を蹴落として
一人の女を犯した

彼女はとてもきれいな
色をしていたから
私は穢したくて
嫉妬していたのだろう

彼女と一つにな ....
最後の日、最初の日
間の少しの瞬間に
私は眠る

何にも属さない真空の時間に
私は密かに
眠っている

最後の日
私は何を思ったか
張り詰められた息苦しい
そんな時 ....
みずへらしのお仕事は
毎日毎日水を減らすこと
とにかくいろんなところを回りながら
どんな水も減らしてしまう

あの子が悲しくならないように
涙の粒を吸い取って
ごくりごくりと ....
詩えない者の声を聞け
摩擦をすり抜ける
声は燃える

枯れた泉に
言葉は腐れ落ちる

枯れた泉で
喉を潤せ

錆び付いた下水道
手の届かない生活水
ガブ飲みし ....
LEOさんのなかがわひろかさんおすすめリスト(31)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
命の交換- なかがわ ...自由詩7*07-5-28
白い影の住人- なかがわ ...自由詩14*07-5-19
隣の旅人- なかがわ ...自由詩8*07-5-8
あまがえる、追悼- なかがわ ...自由詩2*07-5-8
あまがえる、再会- なかがわ ...自由詩3*07-5-7
石ころ蹴り- なかがわ ...自由詩8*07-4-29
雨、尽きた後に- なかがわ ...自由詩3*07-4-23
あまがえる、前夜- なかがわ ...自由詩6*07-4-22
あまがえるの雨宿り- なかがわ ...自由詩4*07-4-18
誕生日- なかがわ ...自由詩5*07-4-14
鬼の島- なかがわ ...自由詩8*07-4-11
桜道- なかがわ ...自由詩5*07-3-31
雨降り夜- なかがわ ...自由詩4*07-3-11
柔らかな気持ち- なかがわ ...自由詩7*07-2-28
朝の手紙- なかがわ ...自由詩3*07-2-23
赤い糸遊び- なかがわ ...自由詩7*07-2-22
くらげ雲- なかがわ ...自由詩7*07-2-8
如月- なかがわ ...自由詩9*07-2-8
四季の森- なかがわ ...自由詩12*07-2-4
雪花(ユキバナ)- なかがわ ...自由詩6*07-2-2
わたしが死んだ後に- なかがわ ...自由詩15*07-2-2
夜離り声- なかがわ ...自由詩7*07-1-31
兄ちゃんと妹- なかがわ ...自由詩16*07-1-25
兼業恋人- なかがわ ...自由詩8*07-1-23
もう一人のアダム- なかがわ ...自由詩11+*07-1-11
細胞日記- なかがわ ...自由詩8*07-1-4
子宮の中で- なかがわ ...自由詩12*07-1-3
最後の日、最初の日- なかがわ ...自由詩4*07-1-1
みずへらし- なかがわ ...自由詩11*06-12-30
枯れた泉- なかがわ ...自由詩5*06-12-6

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