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流されていく言葉の端にも
空の順列が
少しずつ結び付き始めている
この街にも人は零れていて
青でいっぱいになって、いつか身動きがとれなくなる

沈んでいけるのなら
そこに沈み込みたい
 ....
雲が
破け
露わになった夜は既に黒々と
艶やかで冷たい体表を完成させており
その直下でアスファルトは
終わったままの雨の微粒子で
キーン、と
光沢し


張り詰めて、いる
張り詰 ....
れんげ ききょう おみなえし
ひとつかみ
ひとつかみ
藍の脂の寝るところ
黒から下は夢も見ない
誰かがつけた月の名を
つぶやく濡れた毛の動き
想うものが何も無いから ....
君の既視感を舞っているのは
紙製の蝶だよ
いちめんのなのはな と君は呟くけれど
此処はうち棄てられて久しい館の中庭
君が坐っているのは朽ちかけたベンチだよ
とうの昔に涸れた噴水の傍の

 ....
春まだ浅い、冬空を
バッサリとまぁるく切り抜いて
茶色の小瓶に詰めましょう

だんだんと伸びていく日暮れ時と影を
ちょっぴり三角に千切ったら
茶色の小瓶に詰めましょう

実は朝 ....
朝は最初のひとりが前足を躓くと、慌ただしく、将棋倒しになって過ぎてゆく。落下してゆく。黒子だった冬が前面に出て罵声を上げて、季節の華やかな色を、乱暴に剥がしている。
冬の膨張は、僕の忘却の山 ....
直立する目覚める夜が、黒色の雨で高揚する。
行き場の無い雨の溜まり水を抱えて、
痛みに耐える打ちつけられた岩が、
侵食する季節の皮膚の性をむかえ入れる。――
慌ただしく夜の吐息が反転して、 ....
いつかの君とひたすらに逢いたくて
五線譜に綴ったふたりの情愛の記憶を
休止符に挟んだ花水木の栞で辿れば
蘇る感情の起伏に今も戸惑ってしまう


それは仕組まれたエチュードの調べ
震える指 ....
書かれた言葉と
書かれなかった言葉を挟んで

あの日記は閉じました

喜びが込み上げてくる日には
書かれた言葉が読めるのですが

悲しみが込み上げてくる日には
書かれなかった言葉が読 ....
星はひとつづつ
オルゴォルのピンのよう
ゆっくりと巡って
光の楽譜をなぞる

  昼に
  雪を降らせるのは雲で
  夜に
  雪を積もらせるのは月だと
  指揮棒で譜台をたたく
 ....
すべては夜に
言葉でさえも
すべては音に
私ではなく



ひとつのひびき
ふたつのひびき
みっつのひびき
私ではなく



光を投げかけ
器を揺るがし ....
陽の当たる坂の上の
団地育ち
歩いて小学校に通い
バスで中学校に通い
自転車で高校に通う

川べりの大きな家の
女の子に恋をして
書いた手紙は
クラスで回し読み
団地の上の
貯水 ....
  昔、あなたに宛てて書いた手紙
  あなたが受け取らなかったので
  まだ手元に残っている


  手渡そうとすると
  あなたは決まって困った顔をしたから
  わたしは何故なのだろう ....
腕を

上げ下げする時モーター音が少しうるさいでしょう
ごめんなさい

今日はどんな一日でしたか?

駅でまたお腹が痛くなったんですか
大丈夫ですか

私ですか
私は駅のホームか ....
塾の講師なんて仕事をしていると
子供の心に触れてしまうことがある

前に受け持っていた女子生徒が
授業中に突然飛び出して
二階のベランダから飛び降りようとした

「死んでやるー!」と何度 ....
一頭の牛が
ブランコを押してくれた
こんなに高くは初めてで
空だけがきれいに見えたけれど
必ず元の場所に戻って
どこにも進むことはなかった
明日食べられるのだ、と
牛は言った
 ....
真夜中の部屋で独り
耳を澄ますと聞こえて来るピアノの音
沈黙の闇に 響く「雨だれ」

( ショパンの透き通った指は今夜も
( 鍵盤の上で音を{ルビ紡=つむ}いでいる

写真立ての中で肩を ....
暖房の効きも悪い部屋の中
膝を抱えてぼんやり過ごす
あと三十分のタイムリミット
月曜日が僕の肩に手をかけてきた

差し迫る現実を目の前に
虚しい空想を慰めに
潜り込んだベッドは
昨日よ ....
酸性雨が降り
森が枯れて
花は身じろぎもせず
こっそりとあぶくを吐く

内なる情念を
笑った眉尻にはりつけて
澄んでゆく



道草が過ぎたので
傘をなくしてしまった ....
のりしろを見つけました。

観察しても、
どちらがのりで、
どちらがしろなのか、
わかりませんでしたが。

とりあえず。
貼り合わせてみましょう。

のり( ....
コートの袖口に
凍った風が刺さり
いつか繋いだ掌を思った

小さな歴史が吹き飛びそうな日には
冷静を乱し
きみ行きの列車に
乗ろうかと考えたりする


枕木に光る足跡を
小さな獣 ....
喧嘩でへこんだ時
涙こぼれそうな時
何気なくそばに来て
寝そべっていてくれたね

柔らかい毛の下の
温かいぬくもりは
言葉超えて僕を
励ましてくれた

誕生したのは
僕が先だった ....
みずうみに滑る風が微細な音を鳴らして、
朝は呼吸している。
絶え間ないひかりを厳かに招き入れて、
夜のしじまを洗い流す。
目覚める鳥の声の訪れと共にあらわれる、朝霧の眩さ。
真っ赤に湖面 ....
世界で一番悲しい人が笑った
花のようだった
花の名前と同じ速度で
列車は走った
良い陽が入るね
そう話す乗客たちの袖口は
等しく汚れていた
窓の外にはいつも窓の外がある
という ....
空と海の境目は
遥か遠くでつながっている

海鳥が
水際に光る魚を探している
真実は見え隠れして
それを捕えるためには
そこに飛び込まなくてはならない

解っている

生き残るた ....
少しだけの眠りのつもりが
起きれば一人きりになっている
音楽室の隅、斜めに立ちながら
輪郭だけを残した人たちの足跡を
軽いステップ、かわしながら
半音、高いところを
やがてすり抜ける

 ....
やわらかな
風が吹いている
丘の上の

さようなら

たくさんの公園と
澄んだ小川と
空き地と

苺の庭と
カブトムシと
サッカーボールと

さようなら



そう ....
送電線の下をくぐって
アスファルトの海を
ぼくたちは、
泳いで、


はりめぐらされる
緯度や経度に
足をとられながらも
ひたむきに
日帰りの旅をくりかえす
ねむる前、ときどき
 ....
ぎゅっと
ケチャップのチューブをしぼって
出来たてのオムライスに
真っ赤なうずまきを描いた
かわりに涙が
ほほを伝わないように


悪いのはお前じゃない
と 言って
 ....
凍える桜の枝を煮る
花の色に染まる
記憶のひとひら

なくしそうな
砂のらくがき
ため息で
消して

あなたの指した
電柱の奏でる擦弦楽の季節
手をさしのべても
触れるもの何も ....
LEOさんの自由詩おすすめリスト(4980)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
空葬- 霜天自由詩1106-2-8
緊迫夜- A道化自由詩806-2-8
れんげ_ききょう_おみなえし- 木立 悟自由詩306-2-7
架空の春- 塔野夏子自由詩15*06-2-7
*春の裁ちかた*- かおる自由詩5*06-2-7
冬のひかり- 前田ふむ ...自由詩6*06-2-7
夜の情景- 前田ふむ ...自由詩5*06-2-7
不断(愛のエチュード)- 恋月 ぴ ...自由詩15*06-2-7
栞(しおり)- ベンジャ ...自由詩12*06-2-7
うつつな夜のオルゴォル- たりぽん ...自由詩12*06-2-7
サトル・キダチ- 木立 悟自由詩1006-2-7
団地育ち- ZUZU自由詩906-2-6
手紙- 嘉野千尋自由詩31*06-2-6
私の好きな詩- ふるる自由詩41*06-2-6
知らないことを知っている- ベンジャ ...自由詩42*06-2-6
明後日- たもつ自由詩22*06-2-6
夜想(第二稿)_- 服部 剛自由詩11*06-2-6
Sunday_Night_Blue- 松本 卓 ...自由詩4*06-2-6
不透明な_ものたち- 落合朱美自由詩2106-2-5
「_のりしろ。_」- PULL.自由詩10*06-2-5
雪白の約束- 銀猫自由詩12*06-2-5
BROWN- さち自由詩14*06-2-5
四つのベンチ__デッサン- 前田ふむ ...自由詩6*06-2-5
春の裁ちかた- たもつ自由詩1406-2-5
空と海の狭間で- ベンジャ ...自由詩6*06-2-5
ヘリウム- 霜天自由詩606-2-5
さようならと共に- 自由詩11*06-2-5
ブレス- 望月 ゆ ...自由詩55*06-2-4
ケチャップ- まほし自由詩8*06-2-4
それが喩え、だとしても- たりぽん ...自由詩16*06-2-3

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