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星空を君と見たい
月が嫌いだから月のない夜に
空が澄んでいて雲が確実に動く
魔法使いが箒に乗って空を過ぎりそうで
冬だけどこのまま眠ってしまいそうで
君が横にいることがとても幸せ ....
お前の腹が黒く染まってる
お口はきれい事
俺を利用できると思ってる
俺は怒らないと思ってなめてる
その言葉の裏にひそむトゲ
この胸にきしんで刺さる
痛い
怒るのは簡 ....
庭の土を耕して
人差し指で穴を掘り
ヒマワリの種を植えたのが五月
まいにち
土の湿り具合に神経を尖らせ
やがて
いくつかの芽が出ると
お気に入りの芽を一つ残して
あとは全部引っこ抜 ....
体温は
ひとつになるアルビレオ
今日からは
遠心力で結ばれる
意志が
それを果てるまでと誓うだろう
ある時は照らされる者の影であり
そしてお互いだけが
救える日々の
満ち ....
盗んだたばこを干し呑んだ冬枯れの日
降り積むひかりを踏みしめると泣いて
頭が乾いて冷たく割れた
おんなと名乗る人に連れられ
水垢まみれのざらつく家には
もう帰らないと告げる
曼谷の ....
いちたすいちは
にじゃないと答えたら
みんなに笑われた
でも
美術の先生だけは頷いてくれて
スケッチに出かけた
あの丘の上から
故郷の青空をいつまでも眺めていた
ずっと憧れていたこ ....
夕暮れ色の飛行船、
たくさん空に浮かんでいたけれど
空と一緒の色だったので
誰にも気付かれないままでした。
*
毎朝、起きたらすぐに顔を洗います。
....
道端に表札が突っ立っていた
YAMASITA、とだけあった
YAMASITAさんとはぐれて
困っているようだった
家までの道順を教えてあげたが
わかりにくいところもあったので
いっしょに行 ....
夏の夜空はアンタレス 赤く輝いてる
思い出すのは あんたです さそり座の一等星
浴衣姿のべっぴんさんが金魚バチを眺めてる
部屋の隅では黒猫が泳ぐ金魚を狙 ....
木曜日の朝の雫が絶叫をあげている。
尖った街頭の佇まい。
通勤の熱気をはおったDNAのひかる螺旋の群は、
わたしの散漫な視覚のなかに、
同じ足音、同じ顔を描いていく。
振子のようなまなざ ....
“赤ん坊のように
手をグーにしたら
幸せはやってくるの?”
なんて考えてみたけれど
実は
わたしたちは
まだ、赤ん坊にも
満たない
無垢な気持ちは
いつでも忘れない
死ぬこ ....
ふいに
{ルビ痒=かゆ}くなった腕をかいたら
思いのほか
しろい爪は伸びていた
( 窓の外には風が吹き
( 緑の木々が
( 夢を{ルビ囁=ささや}く声がする
はた ....
一。
どんな関係なのと、
訊かれたことがある。
からだの関係です。
そう答えると、
相手は押し黙ったっきり、
何も言わず、
泣いてしまった。
....
裁くことは可能だ
だが公平ではない
愛することは可能だ
だが公平ではない
博愛主義とは何だ
ひたすらに
わけあうことか
私の精神は
無限ではない
私は
命のベクトルを
....
もみじ もみじ
てのひら もみじ
衣笠の秋の空 染み渡る
東山も 嵐山も 頬を紅く染める
ひとはあはれ 賀茂のながれ ずっと見てた
もみじ もみじ
てのひら もみじ
衣笠の秋の ....
遮光カーテンの四隅に朝が零れている
うつ伏せで眠る君をベッドに残し、
素肌にすばやくドレスシャツを着て、
夜の逞しい身体は、そっと部屋を出てゆく
落ちてゆくエレベーターのなかで――
右手 ....
あなたのいのちにきょうめいして
あたしのからだのいちばんおくの
ちいさな鈴がふるえてる
あたしのものとはおもえない
きれいな音で鳴っている
久しぶりに口笛を吹いてみたら口が笛になっていた
何度言葉を発してもフィーフィーとしか音が出なかった
周りの皆は大層大袈裟に哀しんでくれていたが
涙が出ている者は一人も居ないようだった
哀しんで ....
後ろすがた かわらないね
しゃんとせんねって
相変わらず 美人だね
中洲の女王やもんね
ひさしぶり
俺は元気
左の奥歯がひとつ欠けちゃって
すこしは老けたって言われるよ
おばあちゃ ....
音
ひとつのまぶたを
たしかめる音
分かれてゆく世界を
見つめる鳥
理解 埋葬
翼が多いほうを選ぶ
遠い雨の下の川
沈む羽と波
見つめる鳥
きらびやかな ....
ああ、今日も雲が浮んでいる。
青青と吟する空の重さに酷く狼狽し、暮れへ連ねてあるく。
おまえは「きょうもええ天気やったね」と暢気に
両手をうえに、背を反らせて伸びをする。
....
おばあちゃんが
はにかんだら
とても可愛い
面映ゆいは
顔映ゆいで
可愛いって
そこからきてるんだって
恥ずかしそうにする姿は
いつになっても
乙女の輝き
(キラリン、 ....
{引用=
きみがとなりにいて、まつげの
触れるくらいとなりにいて それは
おどろくほど退屈で いとおしい
午後で}
きのう、オジギソウが発芽して
日記にそのことは書かなかっ ....
大好きな果物の
味でもしたのだろうか
モノレールの銀色の車体に
君の歯型がついてる
先ほどまでは
玄関の無い所
スリッパと同じ格好をして
スリッパを並べていた
今は肩を丸出しにしな ....
アサガオを育てていたはずなのに
大きなヒマワリが、ひょこっと生えてきましたよ
「あれ、どうしてこんなところにヒマワリが」
って
あなたのおどろく顔がおもしろかったから
ヒマワリと一緒に
わ ....
さようなら
言葉は一つ 想いは二つ
最後にこんな言葉が言えたのは
僕には幸せだった
君のため
独りよがりのダンス
続きはない
だから辛いってこともある
だ ....
自由の森に放たれて
あたしは一人寝る
愛撫をして 抱きしめて
叫んでも
野はやんでいる
草木がざわめくけれど
あたしは一人寝る
にぎりしめて 抱き寄せて
....
誰にもわからないまま
どこか遠い場所で
ほどけていく
支点を定めると
不安定になるので
そのまま
確かでないものは
確かなものより
永遠に近いので
ひとつになりたいという ....
夜を走る
列車から覗く風景は
何もかも止まっているようで
少しばかり
眠ってしまっても
あしたには
間にあいそうだったから
夜を走る
光の羅列は
枕元を通り過ぎて
ずっと知らな ....
おおむぎの穂が、ゆれてる
ひかりやかげに、ゆっくりとけて
ぼやぼや、いまにもきえてしまいそうなくらい
クロード・モネのえ、みたいに
ぼくら、ぼやぼやしている
ぼくら、相田 ....
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