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私の心の悲しみは
あなたがいないと鳴く小鳥
私の心の悲しみは
いつまでたっても止まぬ雨

私の心の悲しみは
ひとり寂しく見る夕日
私の心の悲しみは
寄せては返す波の音

私の心の悲 ....
心の中の海が騒いでいる
いつまでも鳴り止まない潮騒
僕は不安でたまらなくなる

こうして本当の海を眺めていても
聞こえて来るのは僕の心の潮騒か
それとも目の前にある海の波の音か
それさえ ....
ひとりきり頬杖ついて
ため息つく雨の午後
紫陽花の青い花びら
みつめては悲しくて
まるで報われない恋に落ちた
悲劇のヒロインみたいに
あなたが好きよ
くもりガラスに書いてみても
このせ ....
「ダナエ」


私は誰にも会うことを許されず
塔に閉じ込められたダナエ

ひとりひっそりひそやかに
窓の外の雨を見ている

もしもあなたがゼウスのように
黄金の雨となって
この身 ....
「もしもしかいちゃんいますか?」

かいちゃんは今日も
おもちゃの受話器を耳に押し当て
どこかへ電話をする


「もしもし もしもし」

まだ言葉にならない言葉で
一生懸命お話をす ....
   ?

祭りが始まった
それは緑の旗をかかげ
歌うのは風ばかり
踊るのは風ばかり
萌え出た命の露を
しとどに湿らせ祭りは始まる

   ?

若葉揺れて 君の髪のように
や ....
露草色の空を
のどかな雲が流れて行く
いつか見た雲が白い蝶をかたどって
私の頭の上を
風に吹かれて飛んで行く

どこへ行くのと手を振ると
今度は白い子馬となって
東の空へ駆けて行った
 ....
そのままでその{ルビ瞳=め}のままで
僕を呼ぶあなたがいる
ほほ笑みの中で
いくつ時が過ぎたの?

やさしさは時に誰かを
傷つけるものなんだね
そんなやさしいまなざしで
僕をみつめない ....
蒼穹はさらに深く
眩い雲はほのかに流れ行く
若木の緑をそよがす風は
初夏の薫りを匂わせながら
見晴るかす彼方へ消えて行く
雲のまにまにのぞく{ルビ天色=あまいろ}に
いつか見た白い炎が燃え ....
杉の林に静ひとつ
靄の立ち込める朝
靄に紛れて時間が漂う
暗闇から聞こえる森の声
林は何を考えている

杉の林に静ひとつ
緑の湿地に隠された
緑の夢と宝物
眠りから覚めた林の向こう
 ....
窓の外は花の雨
傘もささずに飛び出せば
白い花びらがそっと揺れた

まるで僕の心を知ってるように
どんなにかくしても
走り出してしまったこの想い
いつでも君のことばかり探してた

君 ....
わたしのなかのうたが
青い蝶になって
空の彼方へ飛んで行った

鳴り止まないオルゴール
うたのないまま時は過ぎて

今頃おまえは
どこを飛んでいるのだろう
どこでうたを歌っているの
 ....
春愁に耽る窓辺に
春の宵は更けて行く
何もかも朧に映るのは
この宵の不可思議のなせる業
月の{ルビ面=おもて}も遙かな山の端も
朧に霞み夢心地にたゆたう
私もまた春宵の魔法に魅せられ
桜 ....
君がまだ言葉をうまくしゃべれなかった頃
青空を指差しては「キー!」と叫んでいた

最初は何のことかわからなかったけれど
君の指差す方向にはいつも
飛行機が気持ちよく青空を滑って行って

 ....
夕暮れ誰かの輪回しが
カラカラカラと泣いていた
知らない少女の影法師
カラカラカラと泣いていた
だあれもいない街の角
人恋しいと泣いていた

街の広場の古井戸が
カラカラカラと泣いてい ....
さくら さくら
あの人を返しておくれ
さくら さくら
私の元に戻しておくれ

さくら さくら
女の業が咲き乱れ
さくら さくら
今宵私は鬼になる


満開の桜の花の下
額に蝋燭 ....
星も見えない
どこまでも暗い夜
ごうごうと唸る夜の咆哮と
草原を吹き渡る風の音だけが響く

僕はひとりきりの部屋で
夜が明けるのを
時が訪れるのを
ただじっと待っている
わずかに僕を ....
雲のように
雄々しく自由気ままに
空という人生行路を流れ行く

時には羊のように{ルビ溌剌=はつらつ}と
晴天の空を駆け巡り
時にはどんより{ルビ鈍色=にびいろ}に
大地を覆いつくす影と ....
あなたから逃れるように
発車間際の列車に飛び乗れば
涙が後から飛び散って行く
誰かここから連れ出して
あなたのいないところへ

愛を確かめるたび悲しくなるの
あなたのやさしさ愛さえも
 ....
あなたの声が聴きたい
かつて私を魅了した神秘的なあの{ルビ詩=うた}を
あなたの声を聴かせて
そしてまた私を夢の世界へ{ルビ誘=いざな}って

あなたの声は
私の梢を揺らす一陣の風
あな ....
なかなか歩かなかった
かいちゃんが
とうとう歩き始めた

まだよちよちだけど
少しずつ歩く距離ものびて

もう少し歩くのが上手になったら
まあたらしいくつをはいて
お外をいっしょに散 ....
あの頃は誰もが夢を見てた
遠い未来に憧れて
恋に恋していた
だけど今ひとりきり
支えてくれる人もないまま
ただ後ろを振り返らないように
前を向いて歩くだけ
やさしさにかえりたい
素直な ....
この手に触れてはいけない
この手は世界をつかむ手だ
この手は大きなことを成し遂げる手だ
おまえを抱きしめるためにあるんじゃない
この手に触れてはいけない

この手に触れてはいけない
この ....
春は黄色いバスに乗ってやって来る
嬉しそうな顔
不安そうな顔
いろんな笑顔を乗せて
春は黄色いバスに乗ってやって来る

わくわくするね
どきどきするね
もうすぐ春がやって来るよ

 ....
夜は海
街も時間も
何もかも飲み込んでしまう
私の体も海の底
静かに息をしている
夜空の星たちは海に沈んだ金貨
海賊たちに盗まれぬよう
あんなに高いところにある
ああ もうすぐ夜明けだ ....
オレンジ色に染まる公園で
僕はひとりかくれんぼうをする

ぞうさんのすべり台の上で
数を百までかぞえても
僕を探しに来る子はだあれもいない

風が気まぐれに揺らすぶらんこの
長くのびた ....
ひとひら手のひらに舞い落ちる雪
触れたら溶けて消えるはかない命

かたくなな君の心を溶かすために
僕は幾夜も眠れぬ夜を過ごした
その冷たいまなざしはまるで雪姫
誰も愛することはない

 ....
雨の降る日は絵の具の匂い
絵描きも今日はお休みさ
いろんな絵の具で塗った世界も
雨がみんな落としてしまう

雨の降る日は絵の具の匂い
空も街も灰色さ
ちょっぴり悲しい色だけど
雨はみん ....
こわいのです
この果てしない草の海が
どこまで行っても地平線しか見えて来ない
この世界が私はこわいのです

風がびょうびょうと吹き荒れる草原のただなかで
私はひとり立ちすくんでいます
絡 ....
真夜中の鳥が鳴く薄汚れた館で
誰かが歌を歌っている
それは私を{ルビ誘=いざな}うような
甘く悲しい声

その声に導かれるまま扉を開くと
どこまでも深い青が広がっていた
闇夜は海のように ....
LEOさんの未有花さんおすすめリスト(61)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
私の心の悲しみは- 未有花自由詩27*07-7-25
海の瞳- 未有花自由詩15*07-7-18
ヒロインみたいに- 未有花自由詩20+*07-7-11
雨音幻想_〜三人の女〜- 未有花自由詩13*07-6-26
かいちゃんともしもし- 未有花自由詩22*07-6-6
緑の祭典- 未有花自由詩14*07-5-30
露草色の空を_ー海へー- 未有花自由詩22*07-5-23
青嵐- 未有花自由詩15*07-5-12
白昼夢- 未有花自由詩14*07-5-9
杉の林に静ひとつ- 未有花自由詩16*07-5-2
花時雨- 未有花自由詩12*07-4-25
うた- 未有花自由詩19*07-4-18
春宵幻想- 未有花自由詩14*07-4-11
「キー!」- 未有花自由詩18*07-4-6
夕暮れ誰かの輪回しが- 未有花自由詩22*07-4-2
桜鬼- 未有花自由詩12*07-3-28
草原にて- 未有花自由詩18*07-3-19
雲のように- 未有花自由詩13*07-3-9
ローレライ- 未有花自由詩12*07-3-1
あなたの声が聴きたい- 未有花自由詩15*07-2-26
かいちゃんと春- 未有花自由詩14*07-2-22
やさしさにかえりたい- 未有花自由詩14*07-2-19
この手は- 未有花自由詩14*07-2-16
春は黄色いバスに乗って- 未有花自由詩12*07-2-13
夜は海- 未有花自由詩22*07-2-8
夕焼けかくれんぼ- 未有花自由詩18*07-2-5
雪姫- 未有花自由詩14*07-2-1
雨の降る日は絵の具の匂い- 未有花自由詩13+*07-1-29
草迷宮- 未有花自由詩24*07-1-25
輪廻- 未有花自由詩11*07-1-22

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