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「観月橋」

せせらぎの音は
いつのまにか、ざあざあと鳴り
錆び付いた欄干が
しとどに濡れる紫陽花の、夜

ここには愛づる月もなく
ただ名ばかりの橋が
通わぬこころの代わりに、と ....
迷走した夜明けが今日に辿り着いた
しまい忘れた記憶が日に焼かれ
過去になりきれなければ後悔になる

(朱の刻)

その頃眠りにつくのがいい
いろんな唄も聞こえるだろう
そ ....
午後からは雨なので、
傘を持っては出掛けなかった。
昼食の蕎麦屋から出ると、
案の定、
雨が降り出した。

色取り取りの傘が、
街に花開く。
わたしは蔓 ....
  はぐれものは
  ふるさとの名前を知らない
  だから、私の汗ばんだほほを
  冷たい指でぬぐいながら
  細く、薄青いくちびるで
  君が名付ける、それが
  たどり着きたいふるさと ....
弟はいつの間にか
僕の背を追い越していた
身長をたずねると
三メートル五十七センチ
と言って悲しそうにうつむく
明日になれば
弟は遠いところに連れて行かれる
多分頭のてっぺんも見えないく ....
一度で良いから
真珠の館に住んでみたい

というのは
我が家の小さな家蜘蛛が
梅雨時になると決まって呟く言葉だ


『真珠の館』

 
   漂白された空から降ってくる雨粒は
 ....
                したたる、

水のひびきのなかに、私の声があ
ります。暗いこころのままで死ん
で幽霊となった私のとうめいな喉。
ぬれながら、だえきもでないほど
にかわいてし ....
振り返ったら
影法師しか
あなたの名残は落ちていなかった


雷雨が滑りこむ昼下がり

四角い白い箱の中
些細なことで
笑う
二匹の赤い鈴
あの日
パスタの蝶々結びが
{ ....
かけ足に過ぎなかった

いまでもそれは
よくみえる


ほろにがい
夕暮れの日を
燃え尽くすには
まだ早い

わからないほどに
からまり続けて
いるからね


 ....
ことばにならないこと
ことばにするから
やさしい

かたちをもたないもの
かたちにするから
たのしい

なんでもあるようで
なんにもないせかいと

なんにもないようで
なんでも ....
犀川の 
芝生の土手に腰を下ろし 
静かな流れをみつめていた 

午後の日のきらめく水面には 
空気が入ってふくらんだ 
ビニール袋が浮いていた 

近くで
ぴちゃりと魚が 
跳ね ....
ちぎられたもの
砕かれたもの
ひとつひとつに触れる指が
それらの色に染まりゆくさま


色のないもうひとつの指に触れ
血のにじむまま触れ
あたためるさま
染まりゆくさま
 ....
#2

  雨の魚

雨に濡れながら歩いていると
死んだ魚の匂いが漂ってくることがある
湿った空気が ねっとりとまつわりつき
地球が水の星だったことを思い出す

そんな時、あたし ....
青空が映った瞳は
力強い光の匂いがする
その目が捕らえるものは
枯れた幹でさえも
息吹きが聞こえてきそうで

夕焼けが映った瞳は
哀愁が漂い
声をかけることすらも
ためらいがちにさせ ....
ジョセフィン博士の勧めで
手紙で紹介された
アパルトマンに引っ越すことにした
もう親離れしなければと

0号室は管理人の夫婦が
1号室からは芸術家の卵たち
ここは芸術を育てる部屋
変わ ....
一番線のホームを
羊の群れが通過していく
海の近くに
美味しい牧草地があるのだ
その後を
羊飼いの少年が
列車でゆっくりと追う

夕暮れ近くになると
列車に羊を乗せて
牧舎へと帰る ....
背の高いあの人の言葉は
いつだってやさしく降り注いだ
まるで霧雨みたいに
やさしく私を包み込んでいた

けれど滲んだ愛情は 蒸発してしまったんだ
今はもうあの人の言葉は
水溜りの上に浮か ....
目が覚めたら朝が来ました
目が覚めても朝が来ました

昨日と同じ今日が怖いので
今日と違う明日が恐ろしいので

僕はバリアを張って僕を弾いてしまいます
僕らはオーラを発して僕らを放してし ....
ほとんどの人は、もう
溺れているの
誰も気づいていないだけ

澄んだ指さきが
アルカディア、と答えて
空の一角をさす
新しい風景、新しい秩序
それは
見たことのない宇宙

(行け ....
なくし物を忘れることと
さがし物を思い出すのは
どこか似ている
{引用=これでおわりかもしれないことが

毎日たくさん響きあっていると知って

目の中だけにある見えない雪に溺れた、溺 ....
長い長い 
夜が明けてゆくよ 
夜行列車で目覚める 
旅先の朝だよ 

寝ぼけ眼を手でこすり 
車窓の外へ目をやれば 
松林の向こうに 
只静かな海は広がり 

振り返れば 
雲 ....
浅い眠りのなかに
潮の匂いと砂を踏みしめる音がして
わたしは海辺にいるらしかった

裸足に海水は冷たくはなく
貝殻の欠片を拾い上げても
その尖った先は指を刺さない

(きっと夢なの ....
 
採石場の跡地を
ヒトコブラクダが
ゆっくり歩く
かわいそうな気がして
コブをもうひとつ
描き足してあげた
耳の奥を覗くと
夜が明けるところだったので
慌てて帳面を閉じた
 
そっと でいいから
ふれてみたい
あなたの零した一雫のわけを

どこから
流れてきたのですか

まりのような白い雲が
あちこち 漂っている
空なのに
雪解け水が激しく流れる季節は
 ....
今日はしとしとと雨なので
天体観測は中止

傘を持ってこなかったけど
濡れて帰るのは楽しい

口々に喋る子供たち
「ヘビ座、トカゲ座、ミドリガメ座・・・」
ほこりっぽかった道は
黒々 ....
裏通りに 傾いた陽が落ちてくる頃
放課後の声たちが 初夏の帯にのって
泳いでくる
バギーの乗客を覗いて
ほんのり口角を上げて
青いランドセルが追い越してゆく
まだかたそうなランドセル
さ ....
越えると海があり
越えると
またひとつ海がある
踏みしめた
指のはざまの
銀色


風の来る方へ
息を吐き
風を吸い
空洞の
奥の奥を
のぞきこまれることに戸惑う
 ....
下町に生まれてから
高いビルに憧れていた
今になって見上げる景色は
華やいでいるのに
どこか淋しい

地方に引っ越して
久しぶりに来た東京

夜の地下鉄の
長い階段をおりてゆく ....
ツバメが
車庫を低く飛び
チチッ
チチチッ

ふるさとは
ツバメの里だ
雨上がりの透明なそらを
自在に

いつだったか
納屋の真ん中に
ツバメが巣をつけて


それも仕 ....
君が僕に触れた
その指先から、ほどけて

僕の身体に巻き付く
見えない包帯に
なってしまえたら、いい


息をする度に
ひらひらと揺れて

いつか、二人の匂いが
一緒になっちゃ ....
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