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ねえ 窓を開けて
ねえ ちょっと見るだけでいいの
まるでそれは火の海よ
燃え盛る炎の中で
私が立っているのが見えるでしょう
ねえ 目をそらさないで
ねえ まっすぐに私をみつめて
想い ....
わたしだって
夢見るおんなでいたいから
満月の夜
かぼちゃの馬車に乗り
お城の舞踏会にでも繰り出して
素敵な王子様と踊ったら
ガラスの靴の片方をわざと忘れてしまう
Shall we da ....
電車は学芸大学を過ぎた
橙の薄日が
くすくす眼を射り
わたしは数年前に
逃がしてしまった犬の事を
茫洋と考えていた
毛並みの良い犬だった
ルクスと云う名で呼んでいた
或る日鎖をひき ....
湖の絵葉書が届いた
大して親しくなかった人からだけれど
きれいなので捨てられない
大して親しくなかったけれど
その人を思い出す
お互い積極的に話しかけていれば
きっといい友達になれ ....
急いで道を歩いていたら
目の前の車が{ルビ理由=わけ}もなく止まった
(下手な運転しているなぁ)
車と壁の狭い隙間をすり抜けると
痩せこけた若い母が{ルビ咳=せき}を繰り返しな ....
窓外に
枯れたまま{ルビ俯=うつむ}く
{ルビ向日葵=ひまわり}
夏
辺りを照らす
太陽の花に
振り返っていた人々
秋
{ルビ独=ひと}り汚れ身を{ルビ晒=さら}しな ....
ごめんね
今まで気づかなかったよ
赤や黄色の季節の絵の具で
みずみずしく重ね塗りされた
桜の木の葉っぱの影に
ちいさなちいさな
土色の蕾
今までずっと蕾は ....
日が沈み
冷めてゆく土
その上を静かに
秋の夜を泳ぐ
月はすでに
凍てついたかのように
冷たい光を
地上へと降り注ぐ
その光を頼りに
秋の海は
風とともに波を起こす
....
弁当を開けると
中に海が広がっている
故郷の海のように
凪いできれいだった
朝の静かな台所で
君がどんなふうにこれを作ったのか
想像しようとしても
後姿しか目に浮かばない
帰れ ....
秋は風
そよそよと風が吹き草の丘へ
薄穂が揺れその動きに
虫たちが自分の楽器を
思うままに奏でる
秋は色
はらはらと葉が落ち野の道へ
小枝が揺れその動きに
小鳥たちが自分のパートを ....
それは自然のなせる業にはちがひないが
梢からまつすぐ
命中するやうに頭に降つてきた木の実
重たく硬い木の実
何か不当な打擲を受けたやうで
穏やかではなかつ ....
真新しいランプで
秋の波を
どこまで照らせるだろうかと
また、
鳴き砂の浜辺で
波泡のざわめく
境界線を見つめている
小さな音を立てるのは
そこに居たという証で
胸の奥に
忘れ ....
終わりなきデジャヴュの牢獄で
嘘つきが細胞を蝕んで
穴だらけ
生温かな雨が溶かす真っ白な天井に
出口なんてない
手のひらで コロコロと
海の向こうの偏執狂が叫んでる
捏造の凱歌
....
言葉は心と心を結ぶ橋だから
言葉をたくさん知ることと
言葉を多く使えることは
言葉と心が一つになる
言葉の心は心の言葉
言葉は自分の心と
言葉の心を結ぶ
言葉は結ばれ
言葉の心と
言 ....
退屈が僕を殺す
単純なことほど難しく
複雑なことは解らない
無器用なことを言い訳にしながら
今、退屈が僕を殺そうとしている
出来ることと出来ないことの境目には
いつも壁があるか ....
しかしまあどうだ今朝のこの赤ん坊っぷりは
何にも考えてない
何にも考えてないで
シャウトしてるぜ
オパポー
オパポー
おぱぽう
おはようじゃなくて
おぱぽうだ
....
ごらん
はらはらゆく、
あれは、
空気から砂地へ
落下してゆく、あれは、
公園の
あらゆる輪郭をなぞる夕刻の光の
限られた範囲をなぞられればいい
限られた範 ....
体のまあるい婆ちゃんが
ぜいぜいと団地の階段を上っていた
通りがかりの少年は
後ろから両手で腰を抱えて
ゆっくりとした歩調と合わせ押し上げた
( 振り返ると
( 団地の ....
朝の車の中で
おばあちゃんは
他のお婆ちゃん達に
七色のあめ玉をくばって
僕にもくれた
「 このあめ玉をなめると
元気百倍ですね 」
というと
おばあち ....
仕事を終えて入った喫茶店の夕食前
紅茶をすするカップを置いてほお杖をつき
今日という日を振り返るひと時
名も無き群の
無数の足音が響く
駅構内の朝
職場の仲間と
腹を抱 ....
今日の空が知りたくて
朝から空を見上げれば
昨日と同じ秋の空
でもどこかが違う
昨日はつぼみだった山ゆりが
白く大きく咲いている
今日の空は少しだけ
昨日の空より白かった
今日 ....
そらにもよ
でっかいそらが まつんだと
まんずだまって みあげてみれ
そっだらここちが するもんだでよ
ふしぎなもんさな
なしてかな
はらっぱはよ うみのすみっこなんだと
うなば ....
★調整中
苦しみの果てに何が見える?
真夏のアスファルトからの熱気に倒れそうだった
僕自身を映した蜃気楼はゆらゆら揺れる
あの日のままの気持ちでいるのに
君はそれを気が付かないふ ....
{引用=
青と蒼のはざまに
すれ違う風
伝言は儚く
雲は 日常を
虚しく過ごすばかり
遙かに空を
跨ぐ人がいるのだが
躰が透けているので
気づく者はほとんど ....
乾きたてのネグリジェーは柔らかく
僅かに生臭いにおいがした
貝のぼたんが付いている
それを
人差し指で
上から順にさわってゆくと
真ん中のぼたんだけ
緑色の丸いぼたんに
付け替えられて ....
しらないものが多すぎて
わたしたちはいつも
上手におぼれる
陽射しとは
なにを探し出すための
あかりだろう
こたえなどわかる筈もなく
求めるわけもなく
わたしたちはいつも
上 ....
浴室に腰掛けて身体を洗っていると
虫の声が
地面を敷き詰めるように湧きあがって
ワッショイワッショイ
ジーンリージーンリー
私を神輿にかついでいるつもりらしいのだ
それならこちらも ....
りんごは優しく指を濡らし
珈琲は
のどぼとけを笑わせながら
そっとすべりこんでくる
隣のうちのベランダに
タオルケットが干してある
いつから干してあるのだろう
もうずっ ....
夕方。
昼過ぎから降り続いた雨は思い出したように止み
濡れたアスファルトに朝日のような夕日が射すと、
ちょっとくたびれた世界は
透きとおった群青色と鮮やかなオレンジ色の輝きで覆われる。
....
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