すべてのおすすめ
夜空にはった薄い
うすい膜のような
しろい雲の
あまりの遠さに
秋を知る
気づけば
月も
星も
なにもかも
わたしたちを包むせかい
高みにみあげた
綺麗の ....
風のかたちになりたいのです
なのに
縫いつけておいたはずの秋風が
かたちをうばいました
(ほたる 湯けむり はぐれ雲)
うばわれたと思ったのは勘違いでした
かたちがない ....
戸惑いがちな指先で
そっと書いた「の」の字たち
あの その
真っ直ぐ言えないことだから
くるりと曲がってしまうんだ
その あの
「僕の好きな君の
好きな僕でいさせて下 ....
秋桜揺れる
秋揺れて
風の彼岸を見渡せば
時の遥かに思い出揺れて
塩辛い川面に光注げば
懐かしく
哀しく
かの人は手を振る
道を分かちて
生きた君
人のか ....
秋の夕暮れに
夕日がふたつ
赤く熟した
太陽と
柿の実と
風に揺られて
見分けがついた
子供のころは簡単だった
青いクレヨンで雲のかたちをくりぬけば
それが空だと言えたけど
いま僕が描こうとしてる
この空には青が足りない
たくさんのことを知ると
たくさんのこと ....
雪の中
反射望遠鏡を囲んで
オリオンをみたかい
どの星の並びを見ても
君の残像に見えたのは
ぼくのせいなんだろうか
雪の白黒を反転し ....
山を駆け 風を纏い
花を愛し 詩を歌う
季節ごとに
色とりどりの
抜け殻を残し
また新しく
はじめる一日は
きっと爽快で
陽がさしこみ
はじめる
山々の稜線は
そんな
新しい人を
待っ ....
男と女の間には
深くて暗い河があるらしいから
君の悲しい心の内を
僕は分かった振りして黙って頷く
男の情けは出したら終わりで
女は心に宿した思い出を
どこまでも抱きかかえ生きてゆく ....
その
ひぐらし
アコーディオンがたからもの
ヒトの喝采むさぼって
どこふく風のねなしぐさ
ゆらりと浮世をやりすごす
あれは
キリギリスとしんせきだったかねぇ
そ ....
月の夜にほろほろ酔い
虫の音聴いて踊り出す
モミジの葉陰の魔物たち
ヒガンバナが燃えてるよ
ワレモコウは眩しくて
そっと瞳を閉じている
秋の月夜はきれいだね
アケビの露を ....
忘れてください、という言葉が本望であるはずもない
聞きなれた響きのトーン 違和感のある丁寧な言葉
別れは突然に来るから寂しいものではない
いずれ必ず来るものとわかっているものでもない
....
わたしは みにくい獣だ
鋭利な刃物を知っている
(わたしの爪はいつも)
鋭利な言葉を知っている
(やわらかな皮膚だけを)
鋭利な視線を知っている
(傷つける)
みよう ....
しとやかに咲く花の雌蕊を
ひと撫で
ふた撫で
愛の甘い誘惑は
心の隙間を逃さない
あなたは踊り子になる
薄塗りのなまめかしい曲線を
チュチュの爪先でなぞれば
そこは倒錯の天蓋
....
振り返れば
手の届きそうで届かない
「昨日」
に責任の全てを背負うかのように立っていた両足を崩して
独り誰からもかばわれることなく
地に身を伏せている私がいた
幻想の友情に終止符が打た ....
誰もが一度は
忘れてしまいたい夢を見る
上昇気流が
鳶を雲の上へ連れ去り
生まれた真空が吸い込む
一匹の羽虫
星だっていつかは消える
恐れることはない
東京行き 東京行き
....
夕飯を食べたあと
タバコを吸っていると
ささと風がふいた
まぼろしにささやきかけたように
近くでおんながくしゃみした
僕の物思いの雨の中を
通りすぎた
あれら透明な命はなんだった ....
あなたを 美しいと 思った 秋の日
秋の日
あなたは ものごとを わたしの肉に
染み込ますように わたしを 叱るのでした
わたしは 朝露を 飲むように
あなたを 識る
遠くに 近く ....
赤錆の目立つ時刻表のバス停に立ち
来るか来ないかの
微妙な時刻にバスを待ってみた
進路の前にバスは無い
順路の後ろに気配も無い
行く先も馴染みの無い駅の
名前の書かれた ....
アゲハのハネは夏の欠片
土の上にパリン 零れる小宇宙
落ちていたハネなんですけれど
日にさらされてか
ガラスのように かわいていて
リンプンは星屑しゃらんりん
本体は見あたらなくって
....
時の住まう所は どこですか
チクタクと
なぜ 音がするのですか
暗くなれない地の中で
目覚めていない
ただ ひたすらなもの
天を知らなくても
地上を知らなくても
風を知らな ....
季節はずれの花粉のせいなのだと
説明する僕のことを
受話器のむこうで
君がくすくすと笑っている
きのう雨の中でけんかして
雨なのか涙なのかわからなく濡れたふたりが
いまはこうして傘 ....
もっときれいな出来事が あってもいい
良い事をするのは
良い事だと教えられた 僕ら
悪い事をするのは
悪い事だと教えられた 僕ら
昨日のニュースで聞いた事
思い出したくない ....
虹を渡すのは、雨の純真であるように
雨を放すのは、空の配慮であるように
空を廻すのは、星の熱情であるように
やさしき担いごとは満ちています
あなたを求めるわたし ....
祈りの数だけ神がいて
祈りの数だけ願いがある
何故人は祈るのか
恐れおののく、その先の
抗いきれぬ力に前を遮られ
溜め息さえも躊躇して
祈りの数だけ花が咲き
手向けた花の ....
ガラパゴスで恋をして、
ガラパゴスで眠りたい。
わたし、
ひとになれません。
きっとね、
駅
プラットホームの端っこで
小さく手を振る人がいる
今
動き出す列車の背中には
きっと誰かの
そう
見送る視線のその先には
きっとそんな
夏の終わりが ....
ずっとずっと遠くまで
届かないものを追いかける
そういうひとを見上げながら
足元の土を均してきょうもあるく
届かないことを知らない彼らは
知っているわたしよりすこし滑稽で
そのくせとて ....
雨のなかのふたつの星が見つめあい
ちぎられたもの 離されたものを結んでゆく
音の生きもの
風の音の生きものが
白い木々のはざまに響き
銀に濡れた視線を向ける
建てら ....
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