すべてのおすすめ
妖精に満ちた部屋に
姫は住んでいる
王子を待っている
永遠に続く
冬の魔法が解かれるのを
ときどききらめくのは
姫の笑い声で満たされた
妖精たちの柔らかなお腹だ
....
この手に触れてはいけない
この手は世界をつかむ手だ
この手は大きなことを成し遂げる手だ
おまえを抱きしめるためにあるんじゃない
この手に触れてはいけない
この手に触れてはいけない
この ....
八角形の小箱は
ブルーウォーターで満ちていて
覗き込めば
ぶちの鞠が回転している
それは
滑らかな哺乳類の群れだ
あるいは
みるく色の
貝類の
ひとかたまりに
溶けて
....
ゆうがた
ひとびとの背がかなしい
ひとびとの背を超えてゆく
魚がかなしい
水が均衡する
まずめどき
幻想の水をしなやかに
幻想の魚がおよぐ
しのびよる色が
....
ほこり臭い夕方のひかり
肌にはつめたく
悲しみには音たてて
地球のいちぶでうなだれている
彩雲がはしる
きみを想うの感情を
どうどうどう、と
制御している ....
昨日と今日の境界や
夜と朝の境界は
どこにあるのだろう
ふと目を開けた瞬間
朝という今日がそこに待っている
夜という昨日を忘れてしまったかのように
本当は混ざり合っているのに
....
この足が踏みしめているものを
確かめようと視線を落とせば
いつもの国道の歩道
そんな当たり前の、日常という名前だった
小さな石ころ、蹴飛ばしてさ
歩いた幼い帰り道
今も時々思い出しては ....
この季節になれば
川幅いっぱいに押し寄せる銀鱗
浮ぶ屋形船を押し退け
向う岸まで
命をかけ
届けようとするもの
人生の在り様
私の意思
立会川の岸辺には
あなたへ
手渡そうとした手 ....
春子はミントの葉を散らし
踏みしめている 半睡眠で
如月 彼女の足の裏は
いつも薄緑に染まり
徐々に褪せていく
まるで季節を旅しているようだと
裸足のかかとをくぅと縮め
まど ....
つないだ手を
そっ、と離して
春までの距離を
歩数で測っていた君は
三十一歩でくるり、と振り返って
僕に何かを伝えてきた
如月駅を走り出した始発列車が
僕を追い越して
君を ....
こんばんは
良い夜です
『メメント・モリ』
何時頃からか
死にたい気分になると
身体中から
黒い霧が立ち上るのが見えました
霧は
冷たく
緩やかで ....
いいやもう
いいやもうって
思います
僕の言葉は
風に呑まれる
だってさあ
だってさあって
いうけれど
風が吹いたら
それでさよなら
いいやもう
いい ....
僕が働く村は 小さな漁村で
大工仲間のゴルカ君と ベンチに座ってお昼ごはんを食べる
ゴルカ君の奥さんのロシェさんはお料理の先生で
ゴルカ君の持ってくるお弁当はいつもキラキラしている
ゴ ....
どうも!
かくれんぼで鬼になったのはいいが。
百数えている間にみんなに家に帰られた事のある。
そんな日の夕焼けが目に沁みて仕方なかった僕がここにいます。
どうも!
当たりつきのアイス ....
今が過去になった
今が未来だった
何十億もの刹那を刻み
人は歩き続けている
過去は今だった
過去は未来だった
後悔しても引き返せない
そんな道を人は歩いている
未来が今になる
....
雨の記憶を憶えていない
私が はじめて雨に遭遇した時の 記憶
それはかすれて 雨の日の
窓ガラスの向こう側の風景のように
ぼんやりととおくなってしまっている
だが 思い出せば
いつでも ....
この冬はあれだってね。
「だんとう。」
でもこの間の冬も、
そうだった気もするよね。
思い違いかな?。
勘違いかな?。
けどさ、
「だんとう。」
って、 ....
「バレンタインなんて興味ないよ」
友達にはそう言いつつも
さりげなくオシャレに決め込んでいる
「いざ、尋常に勝負!」
-BATTLE1 朝の玄関-
下駄箱の中は空っぽ
まぁこの ....
混じり気のない東から
広い、まばゆい氷が溢れる
吸うわたしは、吐く
愛おしい、正しい、愛おしい、
ひゅう、ひゅう、
吸う、吐く、わたしは
空気にキスをしている
ああ、だからこの肺 ....
降りつづく雨は涙であるという
土をさらい根をあらわにして
僕の虚勢を暴いてゆく
両手を広げれば
僕はまるで木のようであるのに
こんなにも簡単に倒れてしまう
水溜まりには
強が ....
ああごめんなさい
あたくしといたしましたことが
ひどくうろこむしてしまい
大変お見苦しゅうございましょう
うなじのあたりから
せなかまでがもう
ひどくうろこむしてしまい
はがしても、 ....
七つ下がりの風通り
透かし模様の薄絹に
{ルビ囁=つつめ}く日射が
なだらかに滑り・・・・
{ルビ疾=と}うの昔に置いてきぼりの
ブリキの箱で ひしめく玉が
熱 ....
ねえ覚えている?
初めてあなたと出会ったのは
裏通りにあった小さなヘアサロン
あなたはまだぎこちなくて
遠慮がちな手つきに
硬く閉ざしたこころの奥で
何かが弾ける音がした
(誰かを好きに ....
棄てられた径
放縦の跡
少し斜めの不確かなもの
遠い遠いふるえから
そのままではないそのままに
こぼれながら手わたされるもの
灰が
ひとつのざわめきにつながり
降り ....
石ころが落ちていた
少し透きとおってきれいだったので
拾って帰った
こんなもの拾ってきて
母は決してそう叱らなかった
しばらく手で触ったり眺めたりしたあと
かわいそうだから放してあげて
....
うにょん
君が言う。
うにょん
好きだ。
声が良い。 音が良い。
うにょん
幸せな気持ちになる。
うにょん
いろはに こんぺいとう
....
見たくないから目を塞いだ
聞きたくないから耳を塞いだ
幸せですか?不幸ではない
曖昧な答えで誤魔化してきた
例えばここで星屑になっても
世界は変わらず回り続ける
それなら何 ....
「太陽を見たことがない。」
きみはそう言って、
ぼくは太陽の話をした。
きみはそれだけじゃ満足しなくって、
だからぼくは旅をして、
色んな太陽を見て回ってる。 ....
平日、日がな部屋に篭り、息が詰まりそうであった。
暗い部屋の雨戸の隙間から射す一条の光に呼ばれて、
ベッドから身を起こし、外へ出る。
( 日を浴びて、空を仰いで、息を吸い込む )
....
背中がまがっているよ
葉巻が落ちたよ
おじいちゃん
手を 貸すよ
おじいちゃん
買い物のビニール袋が
たくさんだよ
おばあちゃん
手を 貸すよ
おばあちゃん
....
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