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もう、ここも夕暮れて
短い夢のあと
ひとつ、ふたつ、みっつと
呼吸を数えていく
世界はまっすぐで、明日へ向けて良好で
目覚めの後の、定まらない視線で
遠く見えない、海を見ている
....
わけもなく
海に行かない
青ざめた
この肌の下の水脈に海の素質があるとしても
夏において
情熱的な、情熱的な
世界中の観察眼と観察眼が合い続けているとし ....
夏雲がゆっくりと渡ってゆきます
手をかざしても よくは見えないけれど
僕らの記憶は 眩いあのあたりで
いまも青空にまみれて 遊んでいるんです
届けられたのは
便箋にして二枚の
こころの欠片でありました
丁寧な挨拶の他には
少しの友情のような気配
けれど
こころ火照らせるには充分な
あなた ....
どこからか
うまれた
しあわせは
てをつなぐように
であって
すなをくずすように
かわっていった
バスルームに聞えて来たのは
ベランダのふうりんの音
さんど ちり〜ん ちろり〜ん ちり〜ん
急いでバスタオルに身を包んで
ふうりんを見に・・・
短冊は揺れてるけれど音は出ない
カーテン ....
青空に流れる雲
川辺に座って ぼやりと眺める
いつのまにか 消えた雲は
懐かしい風 を 運んでくれた
いつからか思い出せない
力 になりたかった あの頃
今はきっと こう願う 心 ....
存在が
邪魔になるなら
風になるしかありません
あなたが
哀しまず
過ごせるようになるのなら
さわさわと
木々が揺れて
緑が街を
すり抜け
何事も ....
おれは
けものに
なりたいんだ
夜明け前の
海の匂いのする湿った空気に満ちた
まだ真っ暗な湾岸線を
イタリア生まれのスポーツカーよりも
もの凄いスピードで駆け抜ける
そんな
....
あめがやんだので
あのひとにあいにいった
べつのだれかに
あいにでかけたのか
よびりんをおしても
へんじがなかった
ひょっとして
すれちがったのだろうか
あわてて
うちへひきかえ ....
大丈夫だよ
キミなら大丈夫だよ
強いから
夢を追いかけられるほど
キミは強い人だから
だから バイバイ しなきゃダメだよ
言わせてはいけないと
思い続けていた言葉を
言わせてしまった
苦しそうに飛び出したその言葉を
もう一度押しこんであげられなくて
ごめんね
どんなに薄めても
悲しみは消えませんでしたから
少しずつ明日を
塗り重ねてゆこうと思いました
悲しみは複雑すぎて
はじめとおわりの区別もつかないけれど
晴れわたる空に喜びは
....
もし僕のマワリを吹く風に
色がついていたら
たくさんの場所で
数え切れないほど
なまえをもたない
色に出会うだろう
そのとき僕は
シロツメクサの
....
ふかく
ふかく
おのれをすいて
やいの
やいの
と
おのれをすいて
おのがぬくみを
はらはらと
はきだし
くぅとなるくらい
はきだし
て
わが ....
ひらいた おやまの
むこうの おそらに
ちいさく てをふる
おにのこ つちのこ
とんとん とんのに
とうせん はなおに
とんから とんから
とうそう はなおに
ひらいた ....
幼い日々
などというものは
これまでも
これからも
全く変わりありませんので
特筆いたしません
或るときから
うたに喜ぶようになって
泳法はままならずとも
流れゆく日々 ....
猫が疑問符を撒きちらし
夜がいくらか賑わいを増す
その髭の長さぶんの内容を
ひとつはそっぽをむいた月へ
ひとつは笑い揺れる木々へと
夜が明けるまで
あくびする間もなく語りかける
永遠 ....
八月、
太陽が終わりのない明るさで街を照らす八月、
影のない者は日陰をたどって歩く
わずかなあいだなら
太陽を見据えることもできるが
かれには影がない
影のない者は太陽の下を歩くことはでき ....
窓のむこうに
降るのは
あかるい雨
夏の日差し
真っ白な雪
網膜の向こうで
立ちつくし暗転する
背中の音
いつも風景に
変移を求めていた。
わたしが変わっていく事になど
....
こんこん
つたえたいことを
もってきました
ああ
ごくろうさま
そのへんにおいといてください
じゃあ
たしかに
おとどけしましたから
はいはい
ちゃんとうけとりましたよ
あの ....
またひとつ午後の行方が指し示され
風は不確かなまばたきをする
草の迷いと疑いのなかから
等しくねじれた枝が現われ
石のまぶたに呼びかける
空の一点から来る声に
地が応え ....
今し方まで
泳ぎ回ったシーツの海は
すっかり波立ち
闘うように繰り広げた時間を物語る
抱いたのは
きみのかたち
果たしたのは熱情
....
闇の中で
もう眼も慣れたというのに
きみは眼を瞑れと言う
憐憫を乞う少女の真似をして
外は月の夜
カーテンの隙間から
差し込む我が味方は
白い ....
カーテンを開いて、夜空を見上げてみた。
窓ガラス越しに、たくさんの星に囲まれた、三日目の月が見えた。
これから満ちていくの?
それとも、欠けていくの?
一人きりの部屋の窓から、
夜空 ....
みずからを
すくえなくても
ぶきようなりょうてで
すくって
すくって
すくいあげたそのみずから
なみだを
おもいだせ
それを見つけたのはもう随分昔です
早口言葉みたいに呪文みたいにお経みたいに
聞き取れないような音で速さで
青で赤で黄で鮮やかな色彩で時に真っ黒で
真っ直ぐに進んで行きました
....
苦しげな雷鳴に飲み込まれ
灰色に溶けてゆく午後の中
向日葵の黄色の彩度が
浮いてしまっていて
それでも、向日葵は
いつまでたっても泣いたりせず
ああ、どうしてなの
滲んで ....
愛してる と
届かない は
どうしてこんなに
同義なんだろう
影ふみの
鬼のように
ほんとうは
君だって知ってる
ただ
それをまがいものだと
決めつけたりしないのが
僕ら ....
許される時知らず
流れ着く場所知らず
其の手の瓦礫
其の血の痛み
乗せたまま
時を越え
流れつづける浮船の
哀しみ
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