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ぼくは詩人
星の数ほど夢があり
そしてそれは煌めき輝く
今日もまた
夜の散歩をしていると
星空に出会いました
星を隠す雲もなく
見渡せば満天の星が銀色に広がる
その ....
絹のような 抗いがたい量感に
涙さえも濡れてゆく
霧とよぶには 重たく
雨とよぶには 軽く
そこはかとなく
命名を拒むような
その 結界に包まれて
記憶の軸も同様に
遠退い ....
「えくぼ」
六月の風にゆれる
さくらの葉っぱ。
よく見たら
ぽつぽつ 穴があいている。
虫に食べられてしまったのだろうか?
穴は どこかの虫の命を みたして
穴は みずみずし ....
いつも眠ることばかりを考えていました
枕の硬さが場所についてを語っているので
少しばかり、指先を開くようにして
眠る場所のことばかりを想っていました
安息は帰りましたか
こちらでは同じこ ....
空気を吸い込むのでさえ
精一杯に力を込めなくては
ここでは何も掴めそうにない
五反田の駅を降り立って
いつも行くカレーのチェーン店を探すのは
どこに行っても変わらない味に
きっと安心を ....
海で眠る
大きい貝は見えない
貝は大きいから見えない
貝は大きいから見えない貝だから
大きい貝だから見えない貝だから見えない
身体ごと
くるりと曲げてしまってしまお ....
空は虹色に溶け
得体の知れない甘さが
いちめんに薫り立つ夏のゆうぐれだ
長い夏のゆうぐれだ
君の記憶が
水のように透明に
けれど水よりも濃い密度で滴ってきて
それは容易く
私の現在を侵 ....
いつも通り
夜のなかに手をつっ込み旋回
ぐりぐるぐるり ぐるん、
感触は鈍い温さを保ったまま
僕の右手におりて狂喜乱舞だ
そんなエレクトロレトロ
テトラトレトロ、トロ、
....
ぼくは詩を書きたい
つながりというものに
明確さは必要ない
今日もまた
朝の散歩をしていると
緑道に出会いました
緑が生い茂る夏
緑が似合う夏
歩く道も
なるべく ....
曇りの幌につつまれ
ふたたび生まれ ふたたびねむる
陰に刺さり
縦にかがやき
空のろくろ
空のふいご
枝々を巻き
高く きしむ
ひかりが動き
動きがひかり ....
湿った闇に蛍ちかり
潤んだ夜に星ひかり
小指から糸を辿れば
丁度きみの背のあたり
絡んだ赤が花になる
夏は夜
浴衣を着れば良かったと
木綿のシャツを少し恨んでみる
盆 ....
月は
硝子に描かれた設計図なのです
半透明に、透明に
あるいは暦のように
時は
暦の影絵
季節を待ちこがれた獣が
手に入れた花占い
君は
峠ではためく{ルビ経文布=タルチョ} ....
矢継ぎ早に
新月は降り注ぎ
縫い針がまたひとつ
遠雷に濡れている
吟醸の名を濁さぬ盆は
薬指だけの浸りに あかるい焔を映し
無言の岸辺を満たすのは
衣擦れの波
鈴なりの
....
ぼくは詩人
人はみな
苦労するために生きるのではなく
生きるために苦労するのである
今日もまた
夜の散歩をしていると
夜風に出会いました
暑かった昼を忘れさせる
そんな ....
しずくのことは
一輪、
二輪、と数えあげたく
青空ならば頷いてくれるだろうか と
躍らせた髪
真昼の月の通い路と
銀色乗せた浅瀬の流れは
中空で いま
十字を結ぶ
か ....
鍵を掛けたかどうかを忘れて
それでもここまで来てしまった
世界の青は静かに落下して
戻れない道の重なりにいる
昔の話をしようか
言葉でしか帰れない、場所がある
こんなにも遠い西の果てで ....
お見合いしないの?
って、長いつきあいのおんな友達に聞いた。
「しないよ、どんなの来るかわかんないじゃん。」
いやなら断ればいいんじゃん。
きっとさあ、
銀縁メガネでさ。
市役所の市民 ....
本当はセリカがよかった
が、人気車には、やはり手が届かなくて
中古車屋のおやじに勧められるまま
同じエンジンだというコロナにした
家に帰ってよく見ると
左のドアが少しへこんでいた
―― ....
真夏の夕陽に染まるさざなみは
あなたの肩越しに遠のいてゆくばかり
深めに倒したナヴィシートで
あなたの好きなラヴバラードに酔いしれて
日焼けしてしまった首筋に心地よくて
小さなため息をひとつ ....
思い出だけで終わらないために
日々は刻まれて
小さく、はらりと落ちていきそうなものが
私の中で対流している
一番最後の麦藁帽子が
夏の見える丘の、少し西の辺りを
沈んでいった日のことを ....
木漏れびる
影をかざして
雲のびる
来るごとくさざめき
咲くものと
信じるかはさて
先駆けるものの
真じつへの導き
芽ぶき
花ふぶき
青葉もクルルと
いのち
花のの ....
街灯に葉が透ける
見るでもなく 見ないでもなく
浮かぶ 黒猫の瞳
水たまりに漂う
おびただしい黄色の残骸
昼 彼らは風に揺られて
あたらしいいのちを探していたんだ
春は今 ....
コントラバスは 宇宙からできている
共鳴胴は スプルースやメイプルなど森の木々から、
弓は 草原を走る馬の尾の毛から
成り立っていて、
弓に琥珀色の松脂を塗り 弦に滑らせることによって ....
夕やけこやけ
身を焦がし染まっているのは
女子高生
夕やけこやけ
鍵っ子寂しくつく家路
夕やけこやけ
セクハラオヤジ
今度やったら訴えてやる
夕やけこやけ
また明日
悲 ....
さまたげるものだけが
私を
言葉に向かわせる
たとえば 雨
いつだって
あなたも同じだ
突然
ひょい、と現れて
私が
気にしないで生きようと
思っていた矢先にいつも
嫌い ....
ぼくは詩人
静寂なる空間は心を癒し
癒す心は静寂を創りだす
今日もまた
夜の散歩をしていると
月の光に出会いました
澄みきった夜空に
煌々と輝き
ぼくとぼくの心を照らす ....
私とあなたの間には
いつも一枚の窓があり
互いは違う顔でありながら
窓には不思議と似た人の顔が映る
私とあなたの間には
いつも一輪の花の幻があり *
互いの間にみつめると ....
1
光の棲む場所に立てた、
煉瓦の墓標は
あの子の水晶体の
最期の反射によく似ている
2
朝日がなぞった煉瓦の質感は
どこか罪悪にも似た
紫陽花の萼の如き裏切りの反芻で ....
無言のまま階段を上がる
放課後。
誰もいない校舎でひっそりと息をしてる僕ら
先生が来るといけないから、と
なるべく音をたてないように
階段を一段一段
手だけを繋いで
まるで心臓がそこ ....
窓と壁のはざまから
水のような顔があふれ
外を見もせず消えてゆく
風が光に 光が風に
裏切りの等価を与えるとき
狭いところ
熱いところ
いたらぬ波をくりかえす舌
輪 ....
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