ぼうっと過ごしている
この午後の一時を
自動車の走行音
黄金に照り輝く瓦
微かに揺れる送電線
何処までも澄み渡る蒼穹
この私が今此処に居ること
息し生きて此処に在ること
) ....
わたしの影を踏んでゆく
数多の足 雑踏
ベタベタに汚れたわたしの
中をえぐる様だと
小さく笑った
まだ大丈夫だ
笑えているから
蕾は萎んではいない
希望とかそういうものじゃなく
....
腕に時計したことがない
ダイナマイトの束、体に巻き付けたことがない
腕に時計をするなんて
それに等しいと思ってしまった
放課後の学校の屋上
飛んだことがない
放課後の黄昏は寂しすぎ ....
記憶体、
ざっく ザックリと 切り開かれます
映像群、
ぽっか ポッカリと 映し出されます
汽笛、
鳴ります 遠い国
流れる流れる追いつけない
洋上の青 浴びる太陽
溶け合 ....
あたしの体をはんぶんこにして
あんたにあげるから
あんたもあたしに
体をはんぶんこにして頂戴
あんたと体をひとつに
かさねる度に切ないくらいに
そう思ってしまうよ
あたしの心はん ....
凍結した大地
彷徨する雄の白熊
雌の匂いを頼りに
年に一度の交尾求め
蒼白い氷壁の上
雌雄は獰猛に唸り
出逢い対峙スル
選択の余地はない
生き残って来た自然
彼らの ....
山が燃えている
だれにも危害を加えず
火を使わずに山は燃えている
煙だけが上がる
複数の山から同時多発的に
白い粒子を立ち昇らせる
遠くあの山では
山から発せられる煙と雲が溶け合い
標 ....
死ぬくらい
体は酷く疲れていた
のに
神経はやたら昂っていた
午前二時を過ぎていた
市営公園の駐車場に停めた車の運転席で
うつらうつらしていた
明日も仕事だ
工場で働く
....
あの人が体をすりよせる
その度心は摩耗していく
だけど体は擦り減らない
胸も口も無くならないから
求めを拒めない
あの職場で仕事をする
その度心は摩耗していく
だけど体は擦り減らない ....
お金がいちばんよ
手っ取り早くハッピーな気分にさせてくれるもの
食べたい物食べられるし
流行りの洋服とっかえひっかえできるし
素敵なオウチにも住めるんだから
他に眼に見える幸せってあ ....
秋の匂いがする
貴女に言った
私、季節そのもの天空大気が
それぞれの匂いを放つと思ってて
そうしたら貴女、怪訝な顔して
これ金木犀の匂いだよ、って
通りの家の庭先まで連れてって ....
雨水の溜まったバケツに
虫がいた
夏の暑い日だったから
乾いていたのだろう
草で突っついたり
波を立たせて
私は遊んだ
次の日
虫は死んでいた
バケツの中で
私が遊ばず
外 ....
剥き出されている
神経は逆立ち
風雨に鳥肌立つ
紅の樹木は激しく波打ち
瞳をくりくりと輝かせた
木登り少女は姿を消した
何にもない、何もない
意味は全て剥奪され
記号だけがひょ ....
鎖に繋がれたオスの犬
どこからかあらわれたメスの犬
二匹は発情していた
日は山の向こう側に沈んで
家もその周辺も黄昏ていた
小学校の終わる頃だったか
中学校に入った頃だったか
....
渋滞し夕暮れ時の街赤い仕事疲れがどっと出てくる
昔からチーズの匂いと味が駄目苦手意識が高まるばかり
感謝して愛し愛され生きている不要なものが存在しない
南風生暖かさ連れてくる北風との ....
イートインに
午後の光が射し込んで
私はのんびりコーヒーを啜っている
いつまでこうしていられるのだろうかと
心の隅では考えながら
それでも柔らかな陽射しに包まれて
身も心もうっとりと
今 ....
雲梯にぶらさがっていた君たちは
いつか僕の子供でも仲間でも家族でさえも無くなって
風はきっと順番にあらたな名前を生み出してゆくのだろう
忘れ去られる恋人達にもせめて懐かしい墓碑銘を
そ ....
知らない誰かが亡くなったから
道端の電柱に黒枠のお知らせが貼ってある
そんなの見るたびに
自分の生存をあらためて
認識するんだ
今日の朝食は何を食べたんだっけ
そんなの直ぐに思い出 ....
何処か遠く彼方から
子供たちの声響く夕暮れに
缶カラからから転がっていく
風もない 人もいない のに
からからからから転がって
グシャリひしゃげる 銀の色
すると無数の記憶の断片が
....
砂浜にあまり近づかない
真冬の間は潮風が冷たくて
身体の芯まで冷える
冬の潮騒が小さく聞こえるような
元気のないそんなイメージがある
何となく上手くいかないこと
上手く表現出来ない ....
自転車をこいで
急に
思い立って夜の
街中の観覧車を観に行こうと思った
眠れなくても微笑んで
夜の遊びでも
するかな
街も
眠らないのなら
コンビニは
24時間 ....
キスをしてはだめ
罪が感染しちゃうから
もちろん君が聞く耳持たないのは
計算済みなんだけどね
どうせ世界は疫病の箱庭で
アタシたちは肩をすくめるしかない
堕落と背徳の口実に満ちた黄昏に ....
木漏れ日がゆらゆらと揺れて
子供達の飛び跳ねる声が木霊して
聖歌隊が通り過ぎる
微睡みの午後三時、
萎び俯く花々は
遥か地平から流れ来る
真っ白な鰯雲の群れたちに
ゆっくりと包み ....
書き溜めたポエムを
彼女たちは読みっこ
恋もしたことないのに
恋のポエムをドキドキしながら
読みっこ
ハノイの広場にて
ソクラテスが恋人と語っている
胸の高鳴りを抑えなが ....
いつか何処かで
人は誰でもその身体を無惨に千切られて
灰にされて
風に飛ばされる
そんな
ご不幸を
御愁傷さまですと
何度も見送ってきた
けれど
いつかはきっと
御愁傷さま ....
木立の間にはkたちがいて、
秋の陽のいっぽんの光線を見つめている。
アクビばかりしているけれど、
朝焼けだか、夕焼けだか、
それがわからない。
光線の中にはオレンジ色の微粒子が、
血球 ....
痛覚レセプタ
ちょびひげのおじさん、今でもフィルムの向
こうから笑わせてくれる。拳を振っている。
誰もの幸せのために戦っている。そのときに、
必ず痛くなるものをさらけだしている。 ....
ゼロから始まるモノは何もない
と言う定説
一から始めなくてはならない
一夜の夢にあらわれた少女は
一糸纏わぬその身体を
幻想の寝台に横たえている
その乳房
その乳首
股間に ....
夜の海穏やかそうでそうではない今夜は力強さが目立つ
冬なのに気温が上がり暖かいでも平年より雪が多い
北風が絶えず吹きつけ寒い今日外での仕事多くて困る
新しい店が出来ても人気出ず出入り ....
際立つ一本の水銀柱が立ち
僕は眠りから目覚めた
曳航されていく純白のヨット
青い青い水平線
ここは何処だろう?
肝心の居場所がやはり見つからない
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