静止した 夕ずつを
灰の妖雲が 覆う
静寂が 孤独な
姉妹のように ひろがる
暗い空の 水脈から
垂直に 降る雪は
地に落ち 鬼火になり
辺り一帯 埋め尽くした
人は こんなに ....
薄暗い影の縁に
取り込まれて
居た、
なんだったかな
何処だったかな
宇宙の窪みに
休らって
然るべき場所に確保され
ふんわりと明るみ目覚めた
午前二時半
薄暗い影の縁に
わ ....
私の光だった
あなたは空をみつめて泣いていた
世界はひとつだけ私に意地悪をして
彼女の記憶のいくつかを
ブラックジーンズのシミといっしょに
手洗いで消し去ってしまった
私は痛い寒さ ....
クソゴミみたいな自称詩人は
ある時からパッタリと姿を見せなくなる
うだつの上がらない現状から
ほんの一時でも解放される気がして
クソゴミみたいな自称詩を投稿し
一所懸命他のクソゴミにイイ ....
誰かの娘であるアタシたち
誰かの妻であるアタシたち
誰かの使用人であるアタシたち
名前? 大切だから教えないよ
そんなの残らなくていいんだ
アタシたちがエモいと思ったこと
アタシたちが心に ....
こんにちは。わたしはエナガ。スズメ目(もく)の野鳥よ。わけあって野鳥保護センターで暮らしています。センターは都市郊外で、近くには雑木林があるから、よく遊びに出かけるわ。野鳥としての自立を目指しているか ....
高台に建つ新居
気に入った場所に
建てることが出来た
部屋の明かりを消せば
夜景が更に綺麗に見える
風呂からも夜景が見える
よく見えるように
工夫を凝らした
昼間陽が入 ....
私が歩くとできた道を
君があとからついて来る
しばらく歩くと私は振り返り
大正デモクラシーみたいな
ロマンチックな夢を
ふたりのあいだになら
見ることもできるみたい
そっとやさし ....
生牡蠣の緑は
内蔵のオー
真珠の淡いピンクは
皮膚のウー
冬の夜に吹き抜ける寒風は
頭蓋のアー
アー ウー オー
オー アー ウー
遠く遠い去る去り逃れる
憧れ懐かしい戦慄の
....
さけのんでわすれたい
けのんでわすれたいさ
それくらいのめいていしたあたまで
っかちなおまえのふあんかん
はたらいてりゃわすれるか
はたらいてりゃわすれるか
やすみがふあんなんだな
....
風の種を、冬に播き、夏、嵐を刈り入れる。この{ルビ平原=ひらはら}はまるで、ユトランドの牧景の様に、野を、素朴の音が渡り、農人達が、{ルビ獲入=とりいれ}の厳かな儀式を行う。晩鐘色に田の覆われる秋、 ....
わらわらと さらさらと 時は流れ
適当だったり
深刻だったり
それが事実か妄想なのかも判別もつかぬまま
時に追い越され
ねじれる時代の狭間でひとり
天を見つめては
うつむいて嘆き崩れ ....
たとえ
どんなに足が遅くて
地味にコツコツ歩いていても
一度に雲行きがあやしくなって
その内にザァザァ降ってきたら
たちまち道はぬかるみ
傘の用意がなければずぶ濡れの人生なのさ
たと ....
締切があるから、
今取り組んでいる作品と
より深く向き合えて
より素晴らしい表現を生み出せるように
人生の終わりを悟れば、
今目の前にいる人と
より深く向き合えて
少しは優しい人間 ....
電子ポットのお湯でコーヒーを淹れる
暖色系の照明に照らされた部屋
木目調の長テーブルと椅子の上で
三毛猫とプードルが遊んでいる
遠い南の島から流れ着いたヤシの実が
潮の香りを運んでく ....
春の空は霞んでいた
梅の花もほころび
ダウンジャケットをリュックにしまい
自転車にまたがり坂を下る
気分は爽快なのだが
次第に世の中の見えない重力が肩にのしかかり
理想的な春の日も消滅する ....
ちいさな丘の木立をぬけて奔放に踊るものたち
白みがかった光と戯れる雪華のなかで
あなたのこめかみに浮かぶ青い血の流れ
わたしはそれに触れたい
生命は絶えず流れ、流されて
ふいに出逢っ ....
生命線をなぞる
左手のひとさし指でいちど君と
出会った気がした真昼に
やさしく訪れるように降る雨が
こころに刺さる氷柱を一欠片ずつ
溶かしていく夜に冬が泣く
何度も読んだ小説の
一行 ....
鬼灯の実が紅くなると中身を綺麗に抜き取って空にした
それを口に含んで上手に鳴らした
脳裏に仄かな明かり
思い出には靄がかかっていた
子供らはとても無邪気
数人の男のこのなかに女のこが ....
ココロ
彼女の部屋で つかの間
すごすしあわせなココロ
ココロは 彼女の顔を
見つめさせたり
目の奥を 覗き込ませて
彼女の向こうにある
秘密めいたものを
探らせたりする
で ....
歌を聴き心の奥から湧く勇気前に進めば何かが変わる
落ち着いて身体の声を聞いてみるはっきりとした声が聞こえた
前向きな気持ちを持って突き進む何があろうと自分は自分
予言する遠い未来はど ....
誕生日おめでとう
私はだんだん私ではない何かになっていく
その姿をあなたに見ていて欲しかった
止めて欲しいとか
哀れんで欲しいとか
そんなんじゃない
私は
私が変容するさまを
あなたに ....
「世は虚し」嗤う貴方は世を知らぬ観念の井に留まる蛙よ
あなたは少しだけ震える声で
言葉を世界へ解き放っていく
それは遠い未来の記憶だ
空のこと、風のこと、涙のこと
夕焼けのこと、無くした恋のこと
あなたが生まれた朝のことだ
そんなことは無 ....
世界はいつだって
出来上がった何かをなぞっているだけだから
やつらの真似をするのはやめておけ
前に居た誰かと同じになってしまうから
お題目を鵜呑みにせず
ひとつひとつ自分で考えて
自分 ....
色鮮やかな喧騒の街で僕は一人不安を抱えていた。
あらゆる期待は裏切られ、西も東もわからない。
不幸の面倒を自分一人で抱えているような錯覚。
これ以上は無理と分かっていても心のどこかに ....
私は
詩人になりたい訳じゃなくて
私は
私の吐き出す
言葉の糸をよりあわせて
何処かの
知らない誰かの
心の
その
奥深くに
垂らしたい
だけなんだよ
私は
詩人なんて
....
今日は何色でもない
なんでもない日でした。
朝日が昇って
みんなが活動を始めて
貴方とお別れをして
今日が貴方の日になりました。
永遠のお別れと言うやつですね。
わたしと貴方の距 ....
蛍光灯より白い月ですね
話すことなんて
吐き出したら終っちゃう
蒸した青い夜
初恋は夏至まえ
三人で自転車
満月のかえり道
蛍光灯より白い月ですね
....
目の前が真っ暗
けれども
光るしあわせが
横切るのは
みえる
はじめ
それが小鬼かと
思ったので
世界に対してもっている
咳払いのような嫌悪感で
吠えながら ....
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