花園は雨に憂えている。その{ルビ間=なか}を、
 ミツバチが叫びつつ、跳ねめぐっている。
幾百もの花が、その実をちらしている。
 地は、しゃがれ声とともに水をながす。

湖は{ルビ水煙=けむ ....
子供の頃のある秋の日
滑り台の下を掘ると
もぞもぞと何か動いた
見つけたのは 妖怪の幼虫

普通の芋虫に似ていて
体は白くて顔は黒い
目が一つしかなくて
その周りに 赤い隈取り

 ....
木立の緑が揺れている
私は冷たい虚を飼って
鉛の監獄から眺めている
気だるく憂鬱な昼下がり
空は一面の灰色模様、
風はもう絶えず吹き
荒れ果てた街並みが
ぱたんぱたんと倒れていく

 ....
膝小僧の陰で肘小僧も生きていた。
僕の弟は2人じゃなくて4人だった。
もし思惟が 
とこしえに水をたたえる
優しい一つの海であったなら
光輝く透明な波打ち際から
わたしの記憶のひとかけら
叫び声一息あげながら
思い切り投げうちたい

わたしの手を取りなが ....
誰か愛しい人はいますか?
憎まれても
想った様にはゆかなくても
悲しみを抱えてしまっても
許せるくらいに想える人が
プライドを傷つけあっても
地面に倒れこみそうになっても
それでもいいと ....
ひとり取り残された部屋
煙草とコーヒーのにおい
片付けていたら虚しさだけが残った
「なんで私ここにいるの?」

(空白)

ホーム柵が私の邪魔をする
乗り越えるにはスカートがひらひらし ....
なで肩から制鞄がずり落ちた。
十代とやらは呆気なく終わった。
早く起きて会社へ行く

それは日常で
それ以上でもそれ以下でもない

休みの日
早く起きてあの人と逢う
それは日常で
それ以上でもそれ以下でもない
と、
思っていたけれど。
 ....
美しい言葉を綺麗に並べたら
弓にして
誰かの心に矢を放ちたい

それが誰かがわからない
靄に飲まれて
わからない

美しい言葉を綺麗に並べて
風景画を描きたい

気に入る絵の具が ....
あと数時間後に優勝者が決まる
音楽コンクールの本戦
バイオリンとオーケストラの共演が
これからはじまる
 
最初にチャイコフスキー
次にブラームス
そしてシベリウスの協奏曲が
次々と演 ....
ぼくはあなたが好きである
部屋のあなたが好きである

こっそりしているあなたが好きである
ひとりでやろうとしているあなたが好きである
検索しても出てこないあなたが好きである
youtube ....
ああ 風が吹く
空気、気圏水面の冷気に触れ
含む熱、適度に放散し
この大地に
秋という季節を刻んでいく
遠い昔から今の今まで
高く天に青、打ち広げ

)地球、太陽から遠去かり始め
) ....
あたしだってあきらめましたかあさんのぼうれいとはもうおわかれしたい 言葉にはできないものがある
言葉からは洩れるものがある
その溢れ落ちた得体の知れないものを
掴みどころのない感情を
何とか伝えようと
何とか形にしようと
何とか掬い取ろうと
名も無き詩人 ....
 そのおおきな階段をのぼりながら、かたわらをとおりすぎるとき、そこにすわっていたのは誰だったの? 小鳩のむれが波をうって空を灰いろに染める。── 印象派の画家たちなら、空をにじいろに描いたかもしれない .... レストラン、居酒屋
映画、コンサート、旅行
ー「お一人様」に慣れていた

でもこれからは違う
どこへだって2人で行ける
あなたと知り合ったから

店の片隅のカウンターに
小さくなって ....
色んな模様の鍋
良い雰囲気を作り出す

今日はどんな鍋料理にしようか
考えるだけでも楽しい
鍋を囲めばもっと楽しい

楽しい会話と
美味しい鍋料理の香り
ポジティブしかない空間

 ....
夜中に蚊が飛んでウルサイヨ
殺してやる
近づいてくると
スマホの明かりをたよりに
何度もはたき殺そうとしたけど
無理

あっ
蚊が嫁さんの顔に止まった
血を吸っている
隙あり
そ ....
いまから僕が歌う 
数分間のテノールのアリアで
必ずあなたを振り向かせる
そして、ソプラノの返し歌
あなたからのアリアをもらう

さっき出会ったばかり
それなのに僕はもうあなたに
心を ....
さいごの蜻蛉がいきをひきとった
かえりはくらい溜息で
宙返りする雲がふくらんで
そしておんなになったと囃したてる


くちびるはたくさんの蔦がからまるから
目のむきだけでゆくさきを伝 ....
凍るように広がる
冬の夜空は海のようで
東から西へ流れる月はクラゲ
夜光虫を集めたプレアデス

今夜も編んでるあなたへ
羊は身体を差し出して言う
私の毛をどうぞと
温かな夢を編んで ....
台風の奴が過ぎ去っちまえば、
我が意識はまた、パソコンあさりを再演し始める。
母の一周忌が過ぎてからでいいと思うのだが。
6万ぐらいで、メモリーを16gbにしてとか、
hdは、1tでいいか ....
ラグビーボール、さつま芋、焼き芋たべたいな。
大学芋もいいし、スイートポ、あ、トライ見逃した。
 優しさだけがある人のなかに 太陽がおちて 夕焼けが終わった
   冬の空より退屈な人ね
 ひなた雨がいう
 そういう雨も そうとうに退屈なかおをしていて おれも ついおおきなあくびをした
  ....
生温き句捻らむかと風の夜

私達は私達の進むべき道を
そんなこと判ってるのに
判っているのにどうして
こんなにも無為に時を過ごすのだろう
また、それを慈しむかのように
それも ....
上司に怒られていても
映画で泣いてしまっても
ボーナスがでても
公園でタバコが吸えなくても
どうってことはないんだけど

胸の大きな女を抱いている時
ゲームで負け続けている時
心臓とは ....
きょう、おまえは二十歳になる
もし、生きていてくれたら…

特別の思し召しで
神様がいまのおまえを1日だけ
天国から地上に降ろし
会うことができたら
父はおまえと何をしよう?

まず ....
詩を書かなくなって
すわっていた
ぼくのゆびやひざこぞうを
こぐまたちが噛んでいく
あああ あああ
ぼくのゆびやひざこぞうで
きっと大きくなるだろうね
くまたちは
詩を書かないが
 ....
くだらない

触れるまえはあれほどまばゆかったのに
手にしたはしからくすんでゆく
体液で汚れたシャツ

濃いめの罪で舌がしびれる午前六時

清潔な朝日にむかって石をなげるバカな人たち
 ....
秋葉竹さんのおすすめリスト(2339)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
sonnet(雨の日)- おぼろん自由詩5*19-10-21
妖怪の幼虫- 藤山 誠自由詩219-10-21
只ぼうと(改訂)- ひだかた ...自由詩11*19-10-21
- クーヘン自由詩5*19-10-21
忘れない―思惟の海にて- Giovanni自由詩4*19-10-20
拙く単純なままに・・・- まみ自由詩4*19-10-20
でんしゃじてんしゃ- 木村きむ自由詩319-10-20
なで肩- クーヘン自由詩3*19-10-20
日常よりもたいせつな- 立見春香自由詩719-10-20
美しい言葉を- こたきひ ...自由詩619-10-20
音楽コンクール- 日比津  ...自由詩319-10-20
部屋のあなた- 宮木理人自由詩219-10-19
- ひだかた ...自由詩519-10-19
菫印- もっぷ短歌219-10-19
戒め- HAL自由詩12*19-10-19
larger_steps- おぼろん自由詩3*19-10-19
「お一人様」卒業- 日比津  ...自由詩219-10-19
鍋の美味しさ- 夏川ゆう自由詩319-10-19
蚊が飛んでいる- こたきひ ...自由詩419-10-18
プッチーニ_歌劇「ラ・ボエーム」より- 日比津  ...自由詩419-10-18
いきのいろ- すいせい自由詩619-10-17
おひつじ座- 丘白月自由詩319-10-17
近況- ナンモナ ...散文(批評 ...7*19-10-17
スイートポ- クーヘン自由詩9*19-10-17
天泣ファンタジー- 草野大悟 ...自由詩319-10-17
生温き- AB(な ...自由詩3*19-10-17
魂のようなもの- 藤山 誠自由詩3*19-10-17
きょう二十歳になるおまえと- 日比津  ...自由詩519-10-17
くまたちは詩をかかない- はるな自由詩219-10-16
新自由区- トビラ自由詩1*19-10-16

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