夏
崩したり 回したり 子供の 将棋は 人生ゲーム
行水は 生まれた時から 温泉気分に
川遊び 魚と戯れ すべって ガブ飲み
大鰻 仲間と 捕まえ 魚屋へ つっかえされて 料理 初 ....
心が涙でいっぱいな時は
いつも話せる言葉も失い
何かが起きるなんて夢も見れない
誰かが自分の名を呼んでくれるはずもないと想う
野ざらしの風に気持ちは怯え
一人当てもなくさ ....
物語たちはことばのうしろですでに出来あがっている。辛抱づよく待っていてくれるのだ。それはつよくてさびしくてやさしい。
みどり色のオアシスのうえに花を作っていく。わたしの指は傷傷して汚れて、それは ....
暑い8月さなか
フラダンスレッスンの見学をしていて
ほとんどがおばあさまなんだけど
波
風
花
ご挨拶
足元や腰
肩から指までの動きが
たおやかでおだやかで
いつまでも見ていられる ....
2月の心音を思い出しながら、8月の憂鬱を海に流した。夏の夜はきみの瞳の色をしていたの。拾い集めた星屑を沈めて、ひかりを宿して、わたしの再生が始まる。こうしていまさら思い出すのは線香花火のにおいや、なだ ....
基準は一(はじめ)
石川啄木の本名だ
稲穂が風に揺れて
餓鬼道に落ちぬ為
私は歌を歌う早朝
オフを楽しめない
私はウルトラマンレオの
再放送しか楽しめない
保育園に通うと
芭蕉の木が ....
郷里の兄友に 受けた手ほどき そして 走り出す
女子高生が見る前で 市電の 濡れたレールで ズッコケ 赤っ恥
昼休み 他高の彼女に バイクで会いに
戻ったが 授業に遅れ 部室で うずくま ....
適当に引っ張り出したTシャツから
今は使っていない柔軟剤の匂いがする
どうせ乾いていく通り雨の先
住宅街の暗闇でこっそりと線香花火に火をつけて
笑い合っているうちにぽとりと落ちた
光の ....
街歩く薄暗い梅雨感じつつ明るさ帯びたカフェに辿り着く
食べ歩き美味しいものに出逢う日々商店街は美味しいの宝庫
梅雨時期の散歩も好きでよく出かける色とりどりの紫陽花色の傘
雷が鳴って一 ....
今度から天使を数える時は一人二人三人じゃなくて
一羽二羽三羽と呼ぶことにする
私は不感症でも不眠症ではないとおもうけど
夜は
寝つきの悪い女だったんだ
だから
ずっと羊を数えてきたけれど
....
ここが夢か現実かなんてきっと一生わからない。揺るがないものなんて何ひとつないんだと、停電した部屋のすみでキットカットをかじっていた。あたしただのバグで、この部屋はゴミ箱で、正常値を保つために世界から取 ....
自称詩人になる前に
家族は何とかできなかったのか?
いつも議論されることだ
昔は、息子や娘が
自称詩人になりたいとでも言おうものなら
自らの手で葬り去ることで
世間には決して迷惑を掛け ....
この体の表面
内部を包む皮膚には、呼吸をするために必要不可欠
微細な穴
他にも穴、穴、穴
匂いを嗅ぐ鼻
音を捉える耳
飲食の為に用意された口には
人間の意思や感情を外部に伝達するため ....
かたくくたびれた鞄に あめ玉とくつ下と濡れた猫をいれる。のぞきこんでくれるやさしい目をいれる。あかるい日差しとピザとソーダも。絵日記をかくための画用紙と緑とピンクのクーピーも。いれる、そし ....
脳髄を満たし、頭蓋骨をなぞるように流れ落ちる観念的な血液は、ジェルのような生温い感触を塗りつけながら、といってもはやこの肉体にはどんな未練もないというように潔く落ちて行った、それはいつか精も根 ....
剥いたあとの茄子の皮をぺらり、ぺらりと、
指先でつまんでは捨てては夕暮れて。
雨の匂いを連れてくる獣が庭先から見ている。
サラダ油が騒がしくなる。
菜箸の先で茄子をころがしながら、
はじ ....
くたびれた
くたびれ果てた
夏の果て
恋も愛もくり返し
くり返して
夕立の雨音におびえたり
涙したり
蝉しぐれも
一度も聞かずに
夏は終わろうとしている
あなたは変わった
....
そんなに
近寄られると
嬉しいような
苦しいようで
皮を剥かれた心臓が
脈打つたび
ルナティックに叫び出しそうな
ワタシを
ワタシの中に
ワタシが見つけるのです
bye-bye ....
燃えるように苦しい試練だった
貪欲で好色で汚れ果てていた
なぜなのかはわからない
疲れ果て 壊れかけ 崩れ落ちた
闇の中に 欲の中に 罪の中で
放蕩に身を持ち崩し
夜の街を 昼の街を
....
灼熱の中をあるき続けて
何処に辿り着くというのだろう
海原を帆走して
何を見つけるというのだろう
カレンダーを捲れば
何が解るというのだろう
枕元に壊れた目覚し時計
私は揺れ ....
秋近く薬師丸ひろ子の歌聴いて泣ける
カウンターのお客と会話中 背後の壁にゴキブリ君
とつさに背中で隠す 板長
飲食中 トイレに向かうお客に ありがとうございましたー!
何! 俺に早く帰れか? まずい!
玉子焼きのオーダー ....
髪と髪が触れ
影になる
風のなかの粉
砕けて光る
ざわめきを登りつめたところに
廃線の花 水に浮く葉
ひとつひとつの滴に残る
まばたきの水紋
打 ....
覗き込んだらがらくたばかり
俺の中身は
何だかまるで壊れた玩具を仕舞う箱みたいだ
お前の事使えないってみんな言ってるぞ
職場の上司に毒舌吐かれた
みんなって誰と誰と誰なんだよ
聞いてや ....
自称詩人が
被災地に行き
自称詩朗読会を開いて
被災者を勇気付けようと
行動を起こした
ところが基本的に
自称詩人は労働が嫌いなので
昼は涼しい体育館で
老人を追い払って眠り
夜 ....
あれは何だったのだろうか
白い下着に
染みた赤い穴
生臭くて吐き気がして
身体を逆さまに
したくなった
汚れた下着を
着替える前に
見つめてしまった
その一点が
創作の ....
女将が オーダーを 伝票なし 口頭で、 追いかけるように ホールの娘が 同じ注文
いよいよ開幕
小骨を つけたまま 刺身に、 セットと盛り合わせを 間違い 親子で もめている
鯖焼きひと ....
真夏になると
素麺流ししたくなる
日本独特の涼しさがある
独りきりでも出来なくはないけど
大勢でやるほうが楽しい
白い素麺に混じって
ピンクの素麺が
よく目立ち流れていく
....
トモダチはいません
トモダチはいりません
私は人生に大きな損失を抱えています
トモダチはいりません
と言う
捻れた心を持ってしまいました
そんなひねくれ者には
当然の報復として
....
泣けば良いそれがあなたの雨になる
神様が一緒にいると仮定して
僕の目をまっすぐ見たのが君だった
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