青灰色に垂れ込める空や 翡翠色のうねる海や 色とりどりの砂の浜を
灰色の塩漬けの流木や 鳥についばまれてからっぽになった蟹や
ボラが跳ねる 「あの魚は身がやわらかくてまずいんだよ」
きん色に太陽 ....
名も付けられぬとりどりの色をしている砂の文字列に埋もれて
やわい肉を縮めこませ
耳を塞ぎ
あなたに握りしめられればその途端
脆くパリンとわれてしまうような
うす青い貝になってしまいたいときが ....
服従は自由の敗北ではないときみは言う
何も考えなくていい
何も決めなくていい
それは重荷をひとつ減らすことだときみは言う

支配されることも同じだ
言われるままに動けばいい
逆らうことな ....
片想いが
自分を子供扱いした
あの夏祭りの思い出は
今も私の胸にある
悪友たちと
冷やかした出店の先に
同級生の君はいた
大人びたその浴衣姿は
いつまでも子供でいたい
私の心中を陽射 ....
いつかわたしが殺したあなたは真夏の池に眠っている
水天井を睡蓮の花で彩られ 綾なされあなたは
わたしが逢いに来るのをずっと待っている
その白い咽喉をのけぞらせ(わたしが愛したその咽喉仏)
しな ....
私の中に
さびしい都がある

そこでは多くの人が行き交うけれど
皆どこかさびしい瞳をしている
そこここで交わされる会話にも
どこかしらさびしさがにじんでいる

街角の光景も
どことは ....
 500円コインで販売している未来の事

 3分先の未来情報

 競馬場で入手できれば

 紙吹雪の中で、ほくそ笑む自分を見る

 1億円で販売している未来の事

 10年先の ....
おぼろげな夢のなかで
おまえは踊りはじめた
おざなりなワルツのプロローグ
おぼつかないステップの羅列

金属のような月明かりが
照らす板張りの床のうえで
同じリズムが何度も、何度 ....
熱風が吹く夏の午後
僕は木陰に座っていた
何一つ考えることなく
ただ予感がヴィジョンを結ぶまで

草木が揺れ
積乱雲が流れ
風景は異郷と化し
一日も百年も等しくなって
裸の少女が夢見 ....
瓦礫



ぬくぬくの
肌のにおいの子守唄
あきらめにぬるい血が満ちてゆく
とっくに腐ったぬるい血が
ビニール袋に穴開いて
ぴゅーぴゅーこぼれる腐った血

ずっと

ただ、謝 ....
硬い雲達に負けないように
灰色の煙突はまっすぐと立つ
足元でうるさい虫どもの声も気にせず
頭の上を滑る飛行機にも動じない

空がただ高くなるたびに
煙突はぐんぐんのびた
空が夕焼け色にな ....
美しいことば
その中にしずむもの
湖の底に沈む一つの石
美しいことば
その中に震えるもの
あなたと別れる昼のあの冷たい私の苦しみ
美しいことば
美しい海
美しい怒り と
 悲しみ
 ....
雨と点滴はどこか似ている

涙のようにつたい落ち
大地なる体を潤そうとする

友の瞳が夢を見ているうちに

雨よ止んでおくれ

彼が誰かに恋するには気恥ずかしく
与えようとするのが ....
黒雲に覆われた空から
雷鳴降り注ぎ
驟雨の中を
啼き騒ぎながら飛ぶ鴉 
 
うららかに
影が伸び逝く
削られた肺の形に
木の葉が揺れる
今年だけの命が昔から
そして遠くまで
まる ....
わたしがおばあちゃんになるまで
あるだろうとなんとなく思ってた
レストランが
「閉店いたしました
長年のご利用をありがとうございました」
さようならのプレートが
汗ばむ夏の風にゆれてた
 ....
昔、武士は短刀を
用を足すときに持ち込み
寝るときに枕元に置く
人を傷つけるためではなく
自分の身を守るため

刀を持つ者は
刀を持つ者に傷つけられる
危機感を持っていた
戦国時代だ ....
  お前は夢を見ているのか。

 緑に囲まれた小さな庭の片隅。
 日陰に置いた籐椅子に腰かけたお前は優しく眠っていたのだ。
 
 静かな寝息を立てているお前に私は小声で語りかけた。

 ....
僕は、夜の絵を描きたい。
あなたが安心して眠れるような、温かい、あるいは、涼しい夜を描きたい。
もし描けたら、僕もその絵のなかに入って、
きみと一緒に夢を見たい。
運命のように
そこへ落ちた種だったのか
それとも意志だったのか

雨の晴れ間
煉瓦の隙間に芽吹いた健気な
目立たない草を抜く

弱い日差しの下
幼い命を選別する
神のごとく
悪の ....
ぽっかりと空いた時間に何をしよう

流れる雲はいつもよりちょっと忙しそう

吹く風は私をちっとも気づかってくれないし

花はまたねとゆらゆら揺れている

石ころはちっともこっちを見 ....
僕が空白ならば時間は通り過ぎる
首元を擦り抜ける絹の滑らかさで

 例えば陽の光が円を描いた日の
 夜空に煌めいた美しい光も

 瞬きの間も世界は動く
 次の季節の前に今を残して
 風 ....
白い砂のシーツ

頭に枕を

夢の幄の下で

溺れましょう

聞こえ来る

御伽の唄に

酔いましょう

誰の気配もない

部屋の中

老いた武将が

昼間を相 ....
梅の木の根本で小さな箱を見つけた
錆だらけのブリキの小箱には
鍵がかけられているようだ
力任せにこじり開けたところ
瑞々しい桜の花弁が溢れんばかりに流れ出した
そう、私の手の上の小箱から桜の ....
あめかぜに暦の色も洗われる


浴衣縫うミシンの音が昼の夢


一枚の紙に刷りたし松林


憂鬱の答えを得たりかすみ草


アイスコーヒーいつも半分信じてる
良くない話が心に棲みつきスイッチを押せば
遠慮もなく増えてくから 見えない鎧になっていく

時計が壊れるほど速く永い黒も
宇宙に憧れるくらい重たく深い青も

少し立ち止まって時間(とき)に ....
君の代わりに抱きしめるカーテン
薄いレースは白く軽やかで
向こうの世界が透けて見えるから
触れると熱くて破れそうになる

窓際にやって来る風の唄や
耳を当てると何かが聞こえて
レースの擦 ....
足の柔肌はつまむ 砂の心地よさ
立っているのは ひとりじゃないのに
眺めている ただひとり 

あたしは馳せる
思いの先に なにを見つめていた??

コツコツと貝住みは歩く 波間に
 ....
ふんふんふんふん

どうしたってさ いろいろあるよね
びっくりさ

父さんに捨てられた
ぼくが
父さんを捨てたひ

ね、笑うかい

{注イデアを宝石と呼ぶ人=瀧村鴉樹『胎児キキの ....
光を消して過ごしました
朝に揺れる光を消して過ごしました
吐かれた煙を夜から夜へ引き継いで
アベンチュリンの若葉を
湛えた私の両目が鏡の中で溺れている


揺れているものすべてを
 ....
 さっきまで明るかった空が暮れてゆく。
 家路へと急ぐ人達に紛れ込み、今日も一日が終わろうとしている。
 暗がりの中、明かりが灯された電車の中で私は孤独だった。
 誰かと話したい訳ではなかっ ....
秋葉竹さんのおすすめリスト(2339)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
跳ねるさかな- 田中修子自由詩6*18-7-25
とりどりのいき- 田中修子自由詩10*18-7-24
満月の夜でなくても- HAL自由詩6*18-7-23
夏の思い出- しょだま ...自由詩5*18-7-23
七月の睡蓮の庭- 石瀬琳々自由詩7*18-7-23
さびしい都- 塔野夏子自由詩5*18-7-23
未来販売機- 佐白光自由詩4*18-7-22
ソリチュードのもつれ- ホロウ・ ...自由詩4*18-7-21
贈り物- ひだかた ...自由詩6*18-7-21
瓦礫- ◇レキ自由詩2*18-7-21
焼却センター- 藤山 誠自由詩2*18-7-21
美しいことば- 浅見 豊自由詩2*18-7-19
呼吸- まみ自由詩7+*18-7-16
雨上がり- Lucy自由詩11*18-7-15
クローズド- 田中修子自由詩9*18-7-15
短刀スマホ- イオン自由詩1*18-7-15
午睡- ヒヤシン ...自由詩10*18-7-14
夜の絵- 水宮うみ自由詩3*18-7-13
どこかから飛んできた- Lucy自由詩9*18-7-13
ぽっかりと- 天鳥そら自由詩9*18-7-12
砂と雫- 邦秋自由詩1*18-7-11
ものがたり- まみ自由詩3*18-7-10
桜流し- 坂本瞳子自由詩2*18-7-10
◇心模様- 渚鳥俳句1*18-7-9
光合成のうた- 邦秋自由詩5*18-7-8
イノセント- ミナト ...自由詩4*18-7-8
滲みの島- クロヱ自由詩2*18-7-8
父さんをすてた日- 田中修子自由詩4*18-7-7
過_覚_- 渚鳥自由詩10*18-7-7
海街- ヒヤシン ...自由詩6*18-7-7

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