人間として信頼されるより、
女として愛されたいよ。
そこには多くの家族がいて
大きな机の上に並べられた
温かいものを食べていた
それぞれが思うことを
なんとなく話して それとなく呑み込めば
喉元は 一晩中潤った
天井の蛍光灯が点滅を ....
俺はまだ肝心なものを手に入れてない
肝心なものがいったい何なのかわからないのが
その証だ
人生の滑り台を何度も上りその度に滑り落ちただけで
いまだに滑り止めが見つからないみたいに
探 ....
変な言い方かもしれないけれど娘には男がいる
俺ははけして良い父親ではない
それどころか
娘に依存している
不甲斐ない父親だよ
娘には男がいる
もう長い付き合いらしいが
俺はまだ一度も ....
クソマスコミは
役所の統計データの不正で
騒いでいるようだが
統計なんか所詮統計でしかないので
実態そのものじゃねえんだから
たかが知れてんだ
騒ぐ意味なんかねえんだよ
大体、統計デ ....
「もう一度やりなおしましょ」
ソファの隅、二度寝になりたい きみ
流行を気にしなくなったぼくは、
流行からも気にされなくなったらしい、
から、
たまにはふざけていいんだぜ、正直なデジタル ....
{引用=*筆者より―― 旧稿を見返してゐて、本フォーラムに掲載してゐなかつた作品があることに気付いた。以前のアカウントを消して以降、復帰するまでの間にかいたものは随時掲載していた積りだつたがどういふわ ....
春うらら
光のどけき街を行けば
子供と老婆が手繋ぎ歩み
すれ違う人々微笑んで
命の讃歌を歌い出す
季節の巡り、宇宙の鼓動と同期して
ニュースでは事件のことばかり伝える最近多い似たような事件
県北部の紅葉を伝えるニュース見て今すぐにでも出かけたくなる
紅葉が急速に進み寒さ増す見応えのある色彩の魔法
建売は買う気はな ....
あなたのいない日々が
透き通るまで
タメ口ひとつ
忘れた心に
果てなく感じる
距離の重さを
例えようもなく
見上げる桜は
ドレスコードみたいな
淡いピンク
飲み込んで
溶 ....
人がどうしようもなく疲れきった夕暮れ
地上では山々が揺れるように連なり
若い王女が匂いたつ浴場から
ゆっくり上がってくるように
真っ赤な空へ向かって
一斉にムクドリ達が飛び立つ
瓦礫を前にして
あなたの手を掴んだ
握ったのではなく
テレビの中に入って
誰かを救いに来たのだと
そう縋らざるをえなかった
打ち砕かれた砂の城の
背に浮かぶ太陽は
録画ボタンの ....
いきいきと細目かがやく雛かな 蛇笏
付句 雅な御人の麗しきかな
三句 玉の緒よ 耐えておくれと 握りしめ
四句 愛に貧富の垣根は無くも
五句 八百万の 神の江戸へと来てみれば
六句 受け ....
つまらない朝の翌朝
何もなく 考えたくない
私の頬には きっと
アザのような憂いと きっと
果てもない希望とがあるのだね。
分からない 分かることのできない
企まれた理由が いま
私 ....
自信をなくしてしまっているのね
あなたは
何もかもなくして
捨てられた{ルビ花束=ブーケ}みたいに道路のうえで
眠ってしまっているのね
眼を開いたまま
こんな真昼なのに
あなたを恐が ....
片脚のない猫を憐れむな
いまに彼の眼は空を捉え
あらゆる発情を置き去りに
屋根伝いの助走から
地平の奥へ消える
翼は
陽光を弾く埃に散り
クレイアニメの世界を
くしゃくしゃにするのだ!
季節はまた一巡りし
俺はぼんやり宙を眺める
不安定な気分はいつもながら
鉛の身体も相変わらずながら
まだまだイキマスヨと独り言ち
何処からともなく湧くチカラ
指先じんじん温もって
また一 ....
寒さが強くなる
暖かかったり
寒かったり差が激しい
雪が舞い風も強くて
外には出たくない
雪が舞う様子を
見ると心が落ち着く
静かな心になる
寒いのは嫌いだけど
雪は嫌い ....
過ぎる季節の只中で、自分を見つめる旅に出る。
煤けた国道に朝日が昇り、駆けるバイクで夢を見る。
未だ見ぬ場所に行きたい。
誰も知り合いの居ない所へ。
ついたため息の分だけ、経 ....
自分が自分以外の何者であった
ためしはない
心臓と言うポンプが血を汲んでいる
間しか生きられないんだよ
阿呆につける薬
なんてないんだからさ
頭が痛い
割れるように痛い
....
歩き方をいつ
覚えただろう
走り方はまだ
知らないのかな
遠く光が進む
道は孤独
君はその中に
名前を残し
笑顔も増えた
あの頃よりも
互いに交わした
言葉を胸に
抱い ....
生真面目に敷き詰められた文字と、憂鬱な空が疲労を連れてくる。
さりげない優しさに中途半端なプライドを傷つけられたり、上ったり下ったりする感情と気分に振りまわされる日々・・・
ふと窓越しに外を見ると ....
いつだって四季を知らせる窓は、一人の少年を反射している。
彼の、人に溺死を強いるような空色の瞳には、赤黒く淀んでいる血液が映し出されていた。
「そうして君は永遠になる」
永遠、嘘くさい言葉。 ....
予報通りに冷たい雨が降る
濡れたアスファルトに梅の花びらが貼りついている
わたしがこの世に貼りついているように
未練たらたらと貼りついている
こころは
なぜか孤独と失望に染色され
....
最近ヤモリは現れなくなった
夜のはめ殺しの天窓に映させている
流線形のシルエットが好きだった
イモリだったかもしれない
それとも風に導かれて降り立った
小さな神様だったのかもしれない
便宜 ....
先ずは
あいうえお作文でもやってみなさい
あ、浅間山荘で銃撃戦の過激派が
い、イスラム国に加わろうとして
う、海を渡ったら
え、エクアドルに着いてしまい
お、驚いた
か、革命を目 ....
ああ 春の匂いがする
ああ なんて孤独なんだろう
ああ ひたすらに歩み進む
命、息吹き
命、育ち
命、枯れ果て
底無き宇宙が開くもの
ああ なんて指先の温かい
ああ 春に湧 ....
今 触れてはだめ
六番目の勘が囁くままに
突き止めようとする指を戻す
峠越えの山道を運転しながら
闇を縫って光を探した
開きかけた何かは
古い本のように堅く閉じて
忘れら ....
雲に
貝殻の内側みたいな光の
虹が
なんど見ても映っている
なぜ
初心を忘れてしまいそうになるくらいの
たくさんの金が毎月入ってきている
服や靴、食事やタ ....
終わりの始まりは
10歳になった猟師の息子が
父親の古いライフルで
森の木の枝のフクロウを
撃ち抜いた時だった
息子は父親を振り返り
やったと笑い
獲物から最後まで目を離すん ....
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