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首垂れる世の試みに雪ザクラ
夜寒さの無音の部屋で飲む焼酎
何故だろう独り静かに此処に居る
ゴォとまた街の彼方が唸っている
薄陽射す花野広がる忘却の果て
ひたすらに草を食む牛只在りて
おかしみるだけ!とこども
どれみふぁそら撃つ猟師かな
手の中に誰が居るのか自分には
太陽の凝視する海死にかける
心へと刺したストロー吸い込まれ
ベルベットアンダーグラウンドわからねえ
胃の魚の蛸の目の日の白の口
....
快晴!緑樹は輝りて蛇の爪
陽光に蜥蜴艶めく気配あり
つややかに路面に光 遊ぶかも
見た聴いた書いた100人のギャラリーがいる
人のない 砂場の山に 落つ銀杏
眠らせて 秋の妖精 どんぐりポッケ
長い夜に 蒼い香りが 目を覚ます
月明かり 照らしておくれ 腹の底
水面球転糸髪竿しなり
炎昼を赤子の声で鳴く蝉や
誘蛾灯十枚の爪かかりけり
泳ぎきし手足を埋めて砂の城
真夜中の汗つま先へ到達す
扇風機ふいに大きく頷けり
蟹踏みし踵より蟹生まれ{ルビ出=い}づ ....
喜ビモ憎シミモ異色同音抽象画
朝まだき春の焚火のやはらかく
四十雀日雀春田の修飾符
曾祖父は清水一家や忘れ汐
春の海見やり枯木に火を点ける
野火猛る猛れども焼き尽くさずに
焚火して未だ青春の語を背負ふ ....
寝がえりの数だけ夢は裏がえる
またひとつ積もり重なる雪まなこ
煌々と言葉は眠りを遠去ける
見も知らぬ機械の生まれを語る夢
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あかい陽が 染めたふりして 告げる恋
生ぬるいニュース眺めるぬるい顔
ファルージャとシンクロする戦場鍵盤弾き
ウクライナにやさしい日差しとオレンジスライダー