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青年ではなく青魚として、この夏をするりと越えてみせる。
一人ではなく一匹として、父の川を泳いでいた頃の身軽さで。
あなたの悩みの種が、僕故に撒かれたものであればいいのに。
あなたが僕を想って夜も眠れず、僕故に胸を痛めたらいいのに。
蜘蛛を決して殺さないこと、幼き夏の夕に僕は僕と約束をした。
左右の小指で指切りをし、指が切れ、僕は8本指の少年となった。
この夏に飛ぶはずだった白球よ、君はバニラアイスではないはず!
この夏を溶けることなく越え、君はいつか必ず青空へ駆けるはず!
先生の使い残した白いチョークをこっそり持って帰ったりした。
僕ね、先生のことが大好きで、僕ね、先生の遺骨が欲しくって。
バファリンの半分は優しさで出来ている。
やさしさの4分の3はサ行で出来ている。
初詣の足を止めて人々の絵馬に目をやった。
僕に見られたせいで、それらの願いは叶わない。
口内炎を舐めながら新年を迎えた。
舌先に、除夜の鐘の青銅の味がした。
毎朝、小さなお守りを一つ握って家を出る。
それは例えば、食パンの留め具だったりとか。
そのドアは自動じゃなくて手動かもよ?
開かないドアは、実は簡単に開くかもよ?
指の骨をポキッと鳴らし、さぁ僕は男になるぞ!
左の小指だけ鳴らなかったんで、やっぱりやめます!
知らないうちに僕も大人になっていた。
絵柄を見ずにコアラのマーチを食べていた。
大盛りのカツ丼、君と半分こ。
食べ終えたら、お互い、半分ずつ自供する。
喉に喉仏が詰まって青年は言葉に詰まる。
そんな鬱屈した季節にて青年は心の詩人となる。
食パンの耳に独り言を聞かれてしまった。
どうしよう、はずかしい、あああー、ぱくっ。
水掻きは退化していった。
恋人繋ぎがしやすいように。
海馬という大海原を泳ぐイルカの群れ。
彼らが空へ跳ねる度、僕は自由を思い出す。
三日月のブランコから靴飛ばす。
履き潰したオールスター、流れ星となれ。
膝小僧の陰で肘小僧も生きていた。
僕の弟は2人じゃなくて4人だった。
なで肩から制鞄がずり落ちた。
十代とやらは呆気なく終わった。
ラグビーボール、さつま芋、焼き芋たべたいな。
大学芋もいいし、スイートポ、あ、トライ見逃した。
冷房消したら亡霊も消えた。
夏が終わると部屋が広く感じる。
今日は雲の流れが速い。
または僕の血流が遅い。
五円玉に麻紐を通したペンダント。
母に馬鹿にされ、小さな家出、幼き夕方。
澄みきった青空のブルーシート。
傷ついた人々を雨ざらしから守って下さい。
夏の便箋が余ったので、君にお手紙。
手渡しは照れるので、冷蔵庫の卵の辺りに。
「わたしのたわし、タワーにたわわに実ったわ。」
君のたわいないたわごとに、僕はわたわたしたわ。
キスのスタンプ。
君のお腹に試し押し。
夜はクジラのお腹の中だ。
静かな夜ほど、多分そうなのだ。
一円玉の数だけキスしようよ。
豚の貯金箱、叩き割っちゃおうよ。
秋葉竹さんのクーヘンさんおすすめリスト(30)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
青魚- クーヘン自由詩5*20-7-12
僕故に- クーヘン自由詩3*20-7-4
指切り- クーヘン自由詩11*20-6-8
白球- クーヘン自由詩7*20-6-2
先生- クーヘン自由詩6*20-5-17
サ行- クーヘン自由詩2*20-2-5
叶わない- クーヘン自由詩3*20-1-10
口内炎- クーヘン自由詩2*20-1-3
お守り- クーヘン自由詩6*19-12-11
かもよ- クーヘン自由詩6*19-12-9
ポキッ- クーヘン自由詩5*19-11-8
コアラ- クーヘン自由詩10*19-11-5
カツ丼- クーヘン自由詩7*19-10-31
青年- クーヘン自由詩4*19-10-30
ぱくっ- クーヘン自由詩9*19-10-29
水掻き- クーヘン自由詩4*19-10-28
イルカ- クーヘン自由詩7*19-10-27
オールスター- クーヘン自由詩2*19-10-23
- クーヘン自由詩5*19-10-21
なで肩- クーヘン自由詩3*19-10-20
スイートポ- クーヘン自由詩9*19-10-17
亡霊- クーヘン自由詩7*19-10-9
または- クーヘン自由詩3*19-9-29
家出- クーヘン自由詩5*19-9-28
青空- クーヘン自由詩7*19-9-21
お手紙- クーヘン自由詩2*19-9-17
たわ- クーヘン自由詩6*19-9-9
スタンプ- クーヘン自由詩6*19-9-7
- クーヘン自由詩3*19-8-5
一円玉- クーヘン自由詩2*19-8-4

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