すべてのおすすめ
雨のなかの白を追い
ふたつの午後が終わってしまう
雨の後も白はひろがり
宙に音を描きつづけている


鳥が一羽
白をついばみ
描かれた音に
音をこぼす


金と ....
ひとくちの水ほしさに
幽霊は夜に立っていた
眠りと死の違いを
未だわからぬまま


あらゆる終わりに優しさは無く
ただ悲しみばかりが晴れわたる
舟漕ぎ人夫の
沈みゆく ....
霧と緑が
空に到くほど昇り
その反対側は
水平線を覆い尽くしてのびている


夜と鴉は無言で争い
少しずつ異なる記憶が
水たまりの底に並ぶ
小さな波に歪みなが ....
浪を映した鏡の穴が
さらに空から遠去かるとき
六百三十五秒の結婚
草のはざまに満ちる声


月と痛みと錯視の夜に
左目だけが吼えつづけている
緑と黄緑の静かな境いめ
 ....
うなじから首から目から羽を吹き血を吹きながら辿る足跡



蜘蛛は蜘蛛何も残さず何も見ず虫を喰みただ夏に凍える



ふところの火を手に結び手をひらき何も無い日をかき分 ....
水の悲鳴と
鐘の音が重なり
どこまでも
眠りを遠去けてゆく


骨と木と岩
蒼い火を吹き
砂と浪を照らしながら
海のかたちを描いている


白く広い風景に立ち
 ....
霧と緑と
夜に立つ巨樹
空と地を埋め
ひとり高く


低い曇の下
平原を
草より低い影がくぐり
最初の雨を引き寄せている


夕暮れのかけら
まとわりつく糸
 ....
訪れるもののない中庭に
光が射しては揺れる草
縄で書かれた文字の上
固く転がる鳥たちの声


香りの白さに照らされて
夜が隅々まで見えるのに
それでも窓を閉じてしまう
見えな ....
植えても植えても
分かれるもの
内に 内に
入り込むもの


誰かのためにと始まったのに
そこに自分は居なかったのに
小さく小さく
ひらいたもの


光を見 ....
姫 姫 脂
水面の虹
蜘蛛の背の地図
こがねの手足


水紋の下から
空を視る目に
光は廻る
光は跳ねる


夜に満ちる緑の泡が
ひとつひとつ星になる ....
何かが揺れて
降りはじまる雨
透り径 解け径
無数の目を持つ鬼の径


儚い糸
儚い角
光の跡が描くのは
すぐに消え去るものばかり


闇に常に降る破片
水を ....
針ひとつ氷の辺に立ちつくす



夕暮れに黒の交わる底翳かな



ひたひたと夢の終わりに生える藤



凍る夜と凍らぬ月の影ふたつ



断崖は枯 ....
あちこちから
出てくる猫
ガードレールの羊
見もしない猫


あちこちで何かが倒れ
あちこちで何かが外れ
崩れ こぼれ 流れ
道を路を径を横切る


電 ....
花の樹に重なり径はつづき
風と暗がりを手招いている
花の色とは異なる光が
わずかにわずかにこぼれつづける


径を飛び 径をくぐり
霧のかたちのむこうを浴び
涙の花 声 ....
むらさきを
白に刺す
影絵 影絵
すべてが
生まれ来る暗がり


明るく 渇き
荒れ とめどなく
波間に漂う
水はじく生きもの


艦が着く
小さく ざ ....
半月のかたち
窓辺の幽霊
言葉を残し
燃えてゆく紙


四月の彼方
こぼれる花房
けだものは聴く
曇の終わり


わたる風
まだらに碧く
岩ひとり
神ひとり
 ....
音の無い陽だまりの
小さな影をつまむ
紙と木と水の王国
やがて火へと向かう王国


失望の羽が一枚
ふたつにちぎれ 横たわり
夢遊病者の背の月
三時三十三分の月
 ....
光をまぶした冬の家から
粒の拍手が夜へ昇る
色 かたまり 分かれ 分かれて
まぶたの拍手 かたちまばゆく


鉄や真鍮をすぎる光
追い越し追い越し 消える光
水を追い抜 ....
雨を呼ぶ声
空をくぐる火
曇の牢に動く影
水の径を追いつづける午後


涙で目を洗うとき
ふと片目に残る光
三日月となり常に静かに
銀と灰を重ねてゆく


多く ....
針の翼
夜の屋根
緑の雨が
楽譜を照らす


街の起伏
夢のつづきの夢ばかりつづき
目覚めも指も
夜になれない夜をこぼす


葉の陰の硝子
雨の奥の太陽
扉 ....
小さな古い木の
根元近くの幹にあいた洞から
白く艶やかな瓜のようなものが
ゆっくりと外へ押し出されている
周りに溶け残る雪から
雪と同じ色をした蟻に似た虫が
ぽつりぽつりと ....
光の傷 埃の羽
蜘蛛の巣の雨 風を鳴らし
昼に沈み
夜に揺れる


つぎはぎの声
低空に満ち
矢継ぎ早の虹
径を濡らす


止まっていた渦が動き出し
老いを増 ....
{ルビ断頭台=ギロチン}に葛ちらせて{ルビ骸酒=むくろざけ}



片目あけ光の血まみれ五月雨夜



岸に降るけだものひとり振り返る



撃てと ....
指ひとつ夜に融かして冬ひとつ



迷う背に涙の匂う二月かな



種火から双つの声と双つの葉



冬あおぐ二十三時の命かな



戸惑えば戸惑う ....
空を渡る種の帯の下
あなたは何故暗い笑みを浮かべているのか
原のなかで
明るい風のなかで


無数の角と無数の羽が争い
多くが失われ多くが生まれた
双つの光が向かい ....
鉄は不可思議の組み合わせ
ひとつにひとつ
燃えさかる蛇
器の海を呑み干すけだもの


灰の駅 灰の汽車
川底を浚い
放る羽
光を終えた光に群がる


凍えた青空 ....
太陽のようにほどける髪が
小さな鈴の樹を隠している
地から昇るたくさんの音が
空に晴れを運び込む


虫から生まれる滴が
霧のなかの径を見ている
銀の歪みに映る
碧い ....
蒼の岩 蒼の雨
唇に触れ すぐ放された
二本の指を巡る文字
一人を嗤う異国文字


見つめすぎて
咽が痛くなり
紅い窓を洗う滝
遅い流れ
遅いはばたき

 ....
はやにえ
しるべ
ひかりが開けた穴
いそいで




雨の肩書き
午後のおさがり
陽の水母に
別れを言う


溺れかけたのは
羽の子ども
空気の傷が ....

ひとつの金属が鳴り
かけらのように冷えてゆく
響くことなく かがやいてゆく


背中を押す手が
ふいに昇る
何本かの指を
残したままで


声を映す手鏡に
 ....
由木名緒美さんの木立 悟さんおすすめリスト(45)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
夜_羽織る夜- 木立 悟自由詩319-4-21
ひとり_ぬかるみ- 木立 悟自由詩618-10-27
ふたつの色- 木立 悟自由詩418-10-19
季手- 木立 悟自由詩418-7-7
むこうへ_むこうへ- 木立 悟短歌1018-6-18
すぎる_ゆれる- 木立 悟自由詩118-6-17
風と水- 木立 悟自由詩318-6-8
ゆらぎ_ひとり- 木立 悟自由詩518-6-5
白あおぐ白- 木立 悟自由詩218-5-30
わかれめのないもの- 木立 悟自由詩518-5-21
ひとつ_不変- 木立 悟自由詩218-5-14
冬と喪心- 木立 悟俳句318-5-9
白と園- 木立 悟自由詩118-4-10
消える_残る- 木立 悟自由詩118-4-3
響く_はじまり- 木立 悟自由詩218-3-19
ひかり_ひとり- 木立 悟自由詩217-10-27
夜と爪- 木立 悟自由詩317-10-21
ほむら_あゆみ- 木立 悟自由詩417-2-17
あゆみ_むらさき_Ⅲ- 木立 悟自由詩616-9-21
あゆみ_むらさき_Ⅱ- 木立 悟自由詩816-9-15
ノート(果)- 木立 悟自由詩216-8-19
なごり_ひびき- 木立 悟自由詩516-8-10
二季応禍- 木立 悟俳句516-6-29
白と常在- 木立 悟俳句216-3-26
ひとつ_羽音- 木立 悟自由詩8+16-3-18
ノート(冬の蝶)- 木立 悟自由詩615-11-1
ひとつ_曳光- 木立 悟自由詩415-11-1
ノート(夜が来る)- 木立 悟自由詩315-9-22
連話_外側- 木立 悟自由詩815-8-8
戴冠夜- 木立 悟自由詩315-8-3

Home 次へ
1 2 
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する