すべてのおすすめ
寒椿の深紅を映している
モノトナスな庭に こだまするのは
絶え間ないタナトスの呪文と
透明な四次元におののく血のなかの声
DoCoMoの鉄塔を透して見上げれば
....
町並みは息をひそめているし
プロムナードは息を抜いている
空はカンツォーネを奏でているし
海はレクイエムをうたっている
風は愚痴を吐いているし
光は論理を愛撫している ....
わたしの 青い春はぼろぎれに
続いて 赤い夏は生ごみに
更に 白い秋は空き瓶に
そして 遂に
黒い冬は 紙屑になろうとし ....
太陽が丹前の雲をぬぐうようにして
南まどのガラスを黄色に染める
きょうは北風のご機嫌がいいのだろう
プロムナードの並木のかげもあざやかだ
....
むだぐちをしゃぶりあう
かげぐちをかじりあう
にくまれぐちをたべあう
そして
くちがるにの ....
空は窓のための背景ではない
汚血に支配された脳神経を
研ぎ澄ますためのものだ
(小春日和なのに
わたしの空はなぜ軽量なのだろう)
窓は空のための額縁ではない
水毒におかされた胸のうち ....
太陽はもっぱら「脈診」してくれるだけなのに
月はどうして「舌診」に そして
星たちはなぜ「腹診」にこだわるのだろうか
セピアいろに涸 ....