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鳳仙花

揺れる


『鳳仙花』


右目の古傷を開かれた
ぷつぷつ と
肉の裂ける音と共に
かさぶたを剥がされ
瞼の底へ

彼の残した右目が

入り込んだ


 ....
恥ずかしいことに
世界がこんなに醜いなんて知ったのは
長いこと生きてからで
そんなことも感じず
のうのうと
幸福で腹を満たし
偽善で呼吸し
精錬潔白を詠っていた

自分が
一番醜い ....
其の純白が
花嫁衣装の様だった


『純白般若』


祖母は
小さい頃に
骨を食べたという


焼け野原になった当時
ろくな薬も無いなか
人間の骨は万病の薬だ
という噂が ....
金色の海で
私は上手く笑えていただろうか


『金色の海で』


郵便受けに
見なれない封筒が入っていた
差出人は
失踪した親友からだった


彼は
一年前に妻子を亡くし
 ....
【椿】

花嫁の紅を着飾って
貴方を待っているのです
この純潔が叶わぬならば
首を落として
夢に果てましょう


【水仙】

明後日の方向を見ているのは
白いうなじを見せるため ....
“夜に抱きしめられてはいけませんよ”
というのは
死神の口癖です


死神は
私の名付け親です

両親を無くした今
一緒にくらしています
命にかかわる問題以外は
かなりアバウトな ....
真っ白な雪野原での事でした



真っ白いその空気の中
インクを垂らしたように
その黒い人は立っていました


時折はためく

やはり

黒いマフラーが
降る雪と交差し ....
左目の古傷を開かれた


ぷつぷつ

肉の裂ける
鈍い音が
鳳仙花の匂いが
絡み付く記憶をえぐり返す

カサブタを剥がされて
マブタ肉の隙間に

奴の遺した眼球が
 ....
溶けゆく闇に    身をうずめ
骨の芯から     温まる
夢か現か      幻か
何処の誰かの    子守唄
今日は今日の    お疲れを
明日は明日の    お疲れを
 ....
傷つけたいと思うと同時に

私にしか癒されない君を見たいと思う


壊す
直接手を下すので無く
内側から
自壊させる




パラパラと零れ落ちる
君の破片をすりつぶして
 ....
キクチさんの蒸発王さんおすすめリスト(10)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
鳳仙花- 蒸発王自由詩5*07-7-25
義眼の彼岸花- 蒸発王自由詩6*07-2-1
純白般若- 蒸発王自由詩14*07-1-7
金色の海で- 蒸発王自由詩8*06-12-16
三花繚乱_其ノ壱- 蒸発王自由詩8*06-2-27
死神と私_−夜の腕−- 蒸発王自由詩11*06-2-1
雪葬- 蒸発王自由詩205-10-20
鳳仙花- 蒸発王自由詩205-10-16
夜想曲(ノクターン)- 蒸発王自由詩305-10-12
蕩けた歯痒さ- 蒸発王自由詩304-5-10

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