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癒えるにつれて ひどく
かゆくなる 若いころの
途方もない ゆめをみて
あけがた 目をさますと
指先が 血まみれだった  
空の 鏡  に ひび 
はしり く  だける かけら
燦燦 と ふる その
う  たかたの き らめきに
死 すとも くや まず  
鏡のなかの じぶんを
こわすこと ぼくにも
儀礼の ときがあって
いまでも その破片が
胸郭に ささっている
あかりを 消して
ひらいたら きずあとを
指で なぞって
たがいの からだを
すみずみまで 読む
ほしかったのは 荒野
みたかったのは
石をたたいて だまって
死んでゆく 血の系譜と
じぶんの ぬけがら
境界に ぬぎすてた 皮膚と肉を
まいあさ まとう直前 わたしの
あばら骨のすきまに 火を
ともして くれているのは
誰だろう
まがいものは 百年もたぬ
詩語は 意味をはこばない
わたしらは 修羅であるから
もとめあいながらも ついに
手を むすばない
どんな たくらみが
わたしを 必要とするのか
無私であるならば
心から よろこんで
裏切られもしよう
キクチさんのみつべえさんおすすめリスト(8)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
そろもん(傷の歌)- みつべえ自由詩707-12-11
そろもん(冬の歌)- みつべえ自由詩407-11-15
そろもん(残の歌)- みつべえ自由詩407-10-23
そろもん(寝室の話)- みつべえ自由詩1007-9-6
そろもん(切望の話)- みつべえ自由詩307-7-25
そろもん(出勤の話)- みつべえ自由詩507-7-15
そろもん(単独者の話)_- みつべえ自由詩607-2-10
そろもん(友情の話)- みつべえ自由詩407-1-13

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