すべてのおすすめ
わたしはコンビニエンスストアで傘を買う
ビニール傘だ 貧弱なのは値段のせいだろう
支払いを済ませるまで店主はわたしの顔を見ていた
道路を渡り向かいの建物に入りガラス戸を閉める
と店主もちょうど ....
こすった赤い眼の中
おちていく太陽が
すぎこしていった
夜へ
さみしいのまえに
たいくつがある
考える脳のくらやみ
がある
明日はデートだ
そんなことを空想す
....
肌を、エア。気づくとイラつく太陽は頂上。知らずのぼくらの、ここそこあそこを均等に、均等に照らすのでした。光、光光、だから見えるってさ。記憶って、街中に溶けて流れて固まってつまり建物とか電柱とかそういう ....
たこ焼き屋のまえで
たこ焼きが出来上がるのをじっと待っているジャリたれは
いつも実存のことばかりに頭を巡らせているので
たこ焼きくるくるするの難しい?
としつこく同じことを尋ねては
店のおば ....
家に帰ると兄が花壇を取り壊していた
“マルを作るんだ”
“マル?”
“庭いっぱいの”
思い立ったがまま行動するのは兄のいつもの癖だ
ほんの1ヶ月前、兄の顔はまさし ....
姻なA!を誘う戯肢の未思議に
彼方の華一輪/gな指切りの祝辞
出血苦時には引火の「 I 」を!と
オットー旋回千度の宣紙の「あら、霊」
曰くす燐は焼ed宣紙の浮歓ショウ!
麻谷底の沿うLet ....
いいよ
ぶた肉だっておいしいし
キャベツだっておいしいさ
私はかなしみの台所で
フライがえしをあやつるアリア
しおのひとふりでとけてしまう味
がまんできない幼子の
かなしみ かなしみ か ....
傘はふらりと咲く
街路樹はそれを見送り
またひとつ あかるくなった
ヨーグルトが発酵する
毛布はその音を包み
またひとつ あかるくなった
玄関のチャイムが鳴る
握手を交わし
....
ああ 雲ひとつない
騒がしい季節が終わって
空も
心を一つに決めたんだね
ふかえ とおく ふかの とおく
もした つのり のよみ くれて
そのわ とどき みちる ややこ
つき しろ まや かな おおて
すぎ はて ゆく まま あうせ
わたしは
乳房の小ささに悩むものの
自分が女であることをもどかしく思い
愛する人は欲しいけれど
女扱いされると複雑な気分
男のひとは嫌いで
男のひとに媚びる自分も嫌いで
....
8月のはじめの
まだ水のあふれていた庭で
あたためておいた6月の
水々しい果実を口にする
風をおとしたような日陰には
小さな花が咲いて
あれは5月の始まりの
ささやかな名残なのだと思った ....
かや かや かや
しなの ほの なき
かな かな かな
つれた つもり の そそらの はなお
ひせの くら ふき
さや さや さや
ほら
こうして
鈴をつるしたフラスコの
空気をだんだん抜いていく
鈴の音はやがて
震えるだけの記号となって
あのフラスコにわたしは
どうしても
ティンカー・ベルを入れ ....
ありったけの小銭を持って
僕らはオークションに出かけた
実家が火事なんです
と泣きじゃくる男の人に競り勝ち
三匹のサワガニを落札した
一匹は僕が名前をつけて
一匹は彼女が名前をつけ
....
連れてこられました
真っ青な部屋です
まるで深い青空のなかを
迷う小鳥のような気分にもなれ
濃ゆ過ぎる空を切り取ったような
真っ青な部屋です
君は今ごろどうしているだろう
連れてこられま ....
せっかくの ためいき
せっかくの ふじょうり
せっかくの りふじん
せっかくの ふこう
せっかくの たぼう
せっかくの すきなひとのよわね
せっかくの すきなひとが ....
君にあてて手紙を書こう
便箋
ティファニーの
スカイブルーな
世界は
そうだね
まだもう少し続くみたいだ
ボクは
ボクの周りの
ごく限られた人たちが
平和でいてくれたらいいと
....
駆け抜ける光の中
たくさんの想いも駆け抜ける
次から次へと
流れる
走り去る
街も
車も
想いも
ねえ
何を考えてるの
心地よい音 ....
赤ん坊の頬をなぜるように
水蜜桃の皮をむいていく
あなたの指が
汁にまみれて
窓から差し込む光に包まれている
甘い水が
赤ん坊の膚のような
産毛の柔らかい皮をはぐたび
したたる
した ....
「メリーゴーラウンド」 7
距離
星には決して手がとどかないって
知ったのはいつだっただろう
夜空のした
はじめて自分で立って見あげたあの ....
納豆をかき混ぜながらきみは
深夜まで見続けた同じ映像に目が釘付けで
醤油とって、と差し出す手に
マヨネーズを渡したとしても
きっと気づかないことでしょう
ときおり
あっ、とか
....
忘れないからと呟いたことも
いつのまにか忘れてしまう
そんな些細なことが毎日あること
やさしさも
伝えたい言葉も
たったひとつの出会いがくれたもの
耳を澄まそう 心に
思 ....
懐かしいお風呂屋さんのフルーツ牛乳をコンクリに撒いて 滑りたい
群青色でよかったのに誕生日プレゼントの革ジャンなんて
グミチョコレートパイン味の千円札なので釣銭は結構です
....
くり抜かれた 口
墓のない 足 が
まじないを 諭す
延びて来る真っ赤な歌
電車を塞ぐ
幾すじ もの 人柱
青は赤へ
赤は青へ
そこは どこへ 行く
それは 空虚へ 落 ....
さみしいなと思った途端に寂しくなくなった
それというのは自分でもわけがわからなくて
たとえていうなら水族館に行ったことが無いとか
煙草の火をつける方じゃない方に火をつけたとか
手帳に挟むペンが ....
あー、何?
セブンスター挟んで微妙に開いたドアの隙間埋めるべきだ/鳴ってるのはずっと8分の5拍子/ハンダ付けしてみ両手/そんなコート全然似合わない/6杯目のアップルジュースはもうほとんど水溜 ....
暗闇に
浮かび上がる 無駄のないシルエット
黄色く光る 大きな丸いふたつの眼だけが
無表情にこちらを覗いている
バルタン星人だ。
両手のハサミを重そうに持ちあげ
分身を残しなが ....
君に会おうと
ついソコまで来たけど
やはりこのまま
帰ることにする
背中を向けて
踏み出す一歩も
やけに重く
深呼吸がしたい、と
....
9月11日
学校帰りの地下鉄はいつも
ぎゅうぎゅうでみんな疲れてて きらいだ
でもそれが今日は少しやわらかな
そう、土曜日
休日の人もいるのだ
休日の人も
真実子ちゃん
こ ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50