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ぼくが産声をあげたのは
相模原市淵野辺
の旅館だっとか
何もない相模台地の荒野だった
父の本籍が八王子だったので
八王子市生まれになっている
戦時中で食糧難 ....
残念でした。もう少しだったんですけどね。ほら、あなたの回答にはひどくムラがあるのです」
市役所が募集した屠殺係の試験に落ちた
受験者はどれくらいいるだろう
市民グランドに学校机が6つ
その ....
他人に迷惑をかけないように
生きていきなさいって母は言った
幼いあひるの行列が
刷り込まれていくように
あなたは
もう気付いているとは思うけど
愛するということは
誰かを傷つけること ....
きょうのひがおわる
おんなじように あなたのひもおわる
きょうもいきてるよ
だって ....
本当は誰もがアタシのコトなんかに興味がないこと位知ってる
どうでもいいんだ
本当は、誰のことも
たにんだから
ミニスカートにもぐり込んだ指とか
ブーツにかけた指とか
着信拒否した番 ....
月曜日に滑車が回り出して押し出され
火曜日に半分寝たまま準備をして出発
水曜日に到着して見上げると青い空
木曜日に煙と風がやってきて
金曜日に夜になる
土曜日にあいだを見つけて寝転がって
....
たしか夜
洗面台下にて
ここにあるハエは腹を見せる
ナイフより、見守る光を
黒い塊に
ささぐる
一日の終わりに
シャワーの蛇口をひねると
十二時のひずみから
しずくが落ちる
窓枠の
カタカタ
と鳴くのもよそに
通り過ぎたのは
秒針で
洗いながしたのは
遠い遠い
約束 ....
悟りきったように
雨だった
鉄錆のトタン屋根血のように
濁った生を洗い流した素直に生きることを
問う
あなたには力なく頭を下げた
ぼくは限りなく人を差別する
よく見ると晴れていたあまたの ....
盲目であることを知った
ふと
砂嵐の画面に吸い込まれた
夜通し泣いたら疲れて眠ろう
朝には
全部忘れているだろうが
当たり前に 夜は来る
僕はただ
真夜中の中間点が ....
『マルボロ/カフェテリア』
バイパス沿いのカフェテリア
男のくわえたマルボロから吹き出てくる白ひ煙
ごしに夜がゆつくりと幕をあけて、その向かふ
夕焼けを背負うように蒼ひプジョー ....
100円の森であなたを捜す
あなたは私の5cm上で
森と遊ぶ
母さん
私は5歳です
あなたを見つけられなくて
今にも泣き出しそうなんです
今は大人の身体に居るから
平気なふりで立っ ....
ボクのこころに
君をしのばせ
月夜の草原を
駈けていこうか
カンガルー・ポシェット
君が
さむいよ、
なんて言わないように
幾重にも
大事に抱きしめて
君がさむくなかったら ....
逢いたさは
距離に比例する
忙しさの倍数である
ひとりの夜には
二乗される
愛情という
未知の定数を持つ
この方程式を解きなさい
飛行機も
新幹線も使わずに
....
その皇子
東へ進軍し
その剣
雲を斬り
丘を割き
沼を埋め
戦に次ぐ戦
謀殺に次ぐ謀殺
返り血の乾く間も無く
川にかかれば妻を売って渡り
海峡にかかれば妻を売って船を買い
船を打 ....
空の高いところからするすると
吊革が降りてきたので
僕はそれにつかまる
今日はとても飛びたい気持ちなのに
これじゃ何だかわからない話だ
ほうっとしてると
たくさん食べられてきた ....
*
僕たちは午後から出発した
地面に句読点をつけるよりも速く
きれいな風が僕たちを追い抜いていく
足もとを通り抜ける
小さな音が風を追いかけていく
白いページにやがて日が傾き
それぞ ....
ピエロの「ぴ」は
ぴゅうって吹く風の「ぴ」
ピエロの「え」は
えーんっていう泣き声の「え」
ピエロの「ろ」は
色も形もなーんにもないロマンの「ろ」
じゃないことは解ってるんだっ ....
雨雨雨雨雨雨雨雨雨雨雨
雨雲の上は晴天だ
雨雨雨雨雨雨雨雨雨雨雨
いま世界のどこに雨雲はあるのだ
雨雨雨雨雨雨雨雨雨雨雨
雨雨雨雨雨雨雨雨雨雨雨 ....
ドトールで女と待ち合わせ
といっても携帯時代
正確にはドトールで女の連絡を待っていたが
まるで、連絡が来ない
ドトール地下のライブハウスでは
メロコアバンドが「青春」について叫んでい ....
剃刀で切り裂いたような
三日月が女子大校舎の上にでていた
疾うに絶滅した狼でも泣きそうな室温18度の秋桜
女が欲しい 女の肌が恋しい
なぜ女なのか なぜ街なの ....
そんな小さな ふしだらな棒で
あたしのこと 突き刺して
満足げに笑って
得意げに煙草ふかして
「俺の女になれ」 なんて。
左耳にピアスがなければ
クロムハーツが好き ....
男には三種類のタイプがあって
ひとりはイブに惚れる
もうひとりはマリアに惚れる
残るひとりはリリスに惚れる
というのを私は15歳のとき何かで読んだのだが
そのときすでにじゃあ私はダメだと ....
ソプラノリコーダーを 手にとって
僕は エーデルワイスを 奏でます。
息を吹き込むと そこには
途切れ途切れでは ありますが
確かに 美しいメロディーが 流れるからです。
言葉と ....
それをそっと両手で包むと
私は私のそれに、
途方に似た
責任を感じ
る。
これが
こう誰かに包まれる時が来た
ら、
これは一人歩きして、私の知らない
何処かへ行ってしまうかも ....
「詩を読むのにも飽きて
ピヨピヨ湖のほとりで
釣りをしていた
おれが愛したのは
美しい風景ではなく
それを記述した言葉の美しさだった」
と かいたところで
....
七日目の夕暮れ
悲しみの中身は今だあなたへの切願なる想い
大切にしてきた海の滴が
少しづつ込み上げて重ねた後の唇を辿り
瞬きという時に忘失を委ねていた
いつも夕立が来たら虹を見る
そ ....
日差し
二月
それは
それは
大きな人でした
すごくキャップが似合っていて
つばの角度が、あの人の顔を
すこし横切るけれども
なにも
なにも
その表情を隠し立てしな ....
朝には
テーブルの余白から
夜に吐いたお伽噺は消えていて
お伽噺の糧として要した液体の缶や瓶は
テーブルの余白にて
死に惚けた口腔のような
得体の知れない黒い空虚に成り果てて ....
結局僕らは、手を繋ぐことも恐れていたから、きっと、人間なんて外枠は、どうでもよかったんだね。感覚で繋がる、思いは繋がっている。「繋がる」なんて言葉の嘘を、僕らはとうに見破っていた。不器 ....
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