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砂を
体中の空いてる
穴に詰めていく
埋め立てた人工の砂浜の
ほつれたぬいぐるみが
さみしそうに息をしている
「あなたのコドモを産むよ」
と笑い
雨上がりの
草いきれで肺一杯にして
....
絵筆のタッチ
でアフロのボブさんが山を
適当に適当に描いた
そして山形蔵王と白石蔵王が生まれた
俺はマリアンヌを聞きながら
青根温泉からあがったばかりだ
そしてお前ら
ラブらしいぜ? ....
今夜の献立
・夕焼けと向日葵の背中の煮物
・虹のフライ
・蝉と夏休みの子供の声の和え物
・打水のおつゆ
ごちそうさまでした、と
流しに綺麗な皿が
水に浸さ ....
すべり台の一番高いところで断続的に爆発しながら
ガチャピンが存在しない耳たぶを震えさせる
そのときの高音域の伸びは
誰にも真似できないほど抜群だから
ガチャピンは何度も何度も爆発を繰り返す
....
なまなましい透明な輪郭ばかりが
声をともなって底からわきあがってくる。
止めようと思ってもとまらない
体が、ふるえる、ふるえる。ふるえながら
私はあなたのゆびばかりをしゃぶった。
止まらない ....
青のジャージ、歯の抜けたおっさんが、にへにへ洗濯機回り、ゴミ置き場周辺を回っている。
アパート備え付けのランドリーな所で変質者はいつでも登場し、不動産屋が不正な自転車が置かれてないかと見廻り ....
ことばは、とても正直だから。 ほんとうのことを伝えてしまう。おかまいなしに。
たとえば、メール。絵文字があったりなかったり、そんなことは問題じゃない。何かが違う。それがどこなのか、うまく言えない ....
イチゴのにおいのするピストルで
氷のなめらかさの弾丸を放って
稲妻の響きはハイビスカスのかたちを描き
空気のざわめきはボーダーコリーのかたちを描く
コパトーンと遠雷
スコールと狙撃手
チョ ....
その娘は頬を赤らめることができる
ただそれだけのわけで
マートのレジを叩く少女を愛おしく思った
何故人は人を求めるのかね
一人ではないという幻想
届くことのないテレパシー
真空の宙 ....
口の中に微かに鉄の味がある
コートの袖口が擦り切れている
錆びたドラム缶からはいだして
月下の廃工場を後にする
奏者を失って久しい機械が
ほの青く光る一群の風琴になっていた
鳥が飛び立 ....
「先生、強くなりたいです。」
「そんなに強くなりたいか。」
「はい」
「ならカレーを山ほど食べなさい。」
「何カレーがいいんですか。」
「それは自分で考えなさい。」
もう
あなたにかけることばを
私は持たない
あなたは
私を傷つけない
薄墨を
重ねるみたいに
記憶
コアになるはずの
つないだ手
それさえ
桜
もう一度咲くころ ....
妻が帰るまで
電話になってみる
受話器の奥が
外側に伸びてるあたりから
昔はなした電話の声が
聞こえてくる
思えば随分
たくさんの人たちと
はなしたものだ
亡くなった人もいる ....
間遠に灯るガス燈の火を
ひとつひとつ落としながら
どこまでも
迷い道をたどってきました
鳩色の街に
静かに降り積もる粉雪
きしきしと
水晶が発振する音が聞こえます
いつの日にか ....
南米帰りの友人が
土と光の匂いをまとい
訪ねてきた日のこと
土産は
幾つもの見知らぬ異郷のお話と
太陽神のペンダント
パタゴニヤの荒野では
荒らしに行き暮れ
アンデスの稜線で
ピトン ....
かみさま って
ひらがなで書くのは反則だ
世界 ってやつをひっぱり出すのも
ルール違反ってことにしよう
そこから
おれたちはまず
書きはじめなくてはならない
雨上がりの
濡れた ....
高校で処方されたトローチを
ずっと舐め続けている
いつか消えるという
先生の言葉を信じて
大学生にさん付けされ
上司にはくん付けされる
しかし口の中にはまだ
トローチが悠 ....
診断はうさぎ熱
それも重症
止まらない
君に
大切な友だちに
手をかけるやまい
君は目を閉じて
やり過ごそうとするけれど
ボクのやまいは
それを越える
君を食む
最初 ....
あの頃の十一歳は、生理で休むなんて言えな
くて、シャワー待ちのマーメイドギャングを
蛇口ひねって一網打尽。がっさがっさとふる
いにかけて出てきたコだけが五年後も信用で
きる。
そんな気持 ....
病気になると みんな
入院すると思ってる
ずっと入院されていたんですよね
お見舞いに伺いたいのですが どちらの病院ですか
病院にいた方が 苦しくないんじゃないか
病院にいた方が 安心なん ....
カップの中の恐怖が
蒸発しきってしまうまで
西日の当たる窓辺に置いて
忘れた頃に覗いて見ることにする
ガラス越しのプリズムが
灰色の壁にいびつな虹を映す
シーツとタオルケットの隙間から
....
大塚駅北口の商店街は薄汚れていて風切って歩くチンピラが絶え間なく行ったり来たりしていて、角のゲーセンの二階の奥の、使い古された脱衣マージャンに相変わらず俺は百円玉を山積みにしてる。もう何度裸にしたか分 ....
001: ママが偶数ならパパは奇数 〜Mother Goose&Father Keith〜
ママは卵を二つ割る パパは煙草を一本吸う
ママは窓を六枚拭く パパは欠伸を三度する
....
タン、と小気味よく
鼻先の時間は切って捨てられてしまった
あたしはきっと
カチカチのパンに 申し訳程度に塗られた
バター、なのだろう
いつからハムじゃなくなったのか
覚えていない けど ....
星、吸う'p カ-rテンレール越しの 灯り アルカリの
吐露 'Eの汽車の 或る一室に看る夢は揺り篭の 姫林檎
rin-音/g-0の鈴と フルートの寝息/fldの 緋化学的な'r ....
くちびくろさんぼ
銀星を憎む製図コンパスについ
た小さい鉛筆のぼくだ
おっかけこする心臓がつぶれそ
うなくちびくろさんぼのぼくだ
くるくるまわるタイガーの春だ
空から桜が散るよ叶わない ....
見 ない な朝 訪れ
ズレ 彼は けそうな気 ちを きなが
食をと
ア ファル の上を 速 ていく殺 ca が
に ーブする
空中 滑走 る硬 が 速で
シ ト る
懐 空 ....
深夜
三時半過ぎ
とじた商店前の
歩道にはパンの固まりが落ちて
蟻が数え切れない
ボヤけた視線を落とせば
地面が動いているよう
川のように
列をなして
五つ
うねって
さまざまに ....
湯気が
飛行していた
カーテンを閉めたら
夏がくるので
放っといた
そこから
出て行った
遠くの海で
波が
砕けているのは知ってる
花柄の
シャーベットに蕩けて
....
君を連れていこう
この 干上げられてゆく都会の
最後の楽園へ
マンションに包囲されながら
奇跡のように生き残った
ちいさな田園のそばへ
君を連れていこう
この 干上げられてゆく都会の ....
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