すべてのおすすめ
プールサイドに、咲く
チューリップの花びら
清潔な横顔からこぼれ
水色の迷路を流れてゆく
僕たちの、しずく
人工レモン
人工レモン
デンプン質の知性から
いちごの香りが、する? ....
にんげんのやることじゃないです
と にんげんがいう
にんげんのこういにたいして
人間だけが原水爆をつくる
人間だけがアウシュヴィッツをつくる
人間だけがサリンをまく
人間だけが手を汚さ ....
檸檬は今にも飛んでいきそうな色と
形をしているけれど
決して空を飛ぶことはない
朝、テーブルの滑走路で
まあるいね
こんもりと
きいろいね
くっきりと
わらってる
うたってる
さぼてんの
はちのすみ
はるですよ
はるですよ
ここにいま
いきてるよ
知られたい秘密だってある
けれど口を一の字に結んで
茶封筒と共謀し
あの人の妻 の
手元をすりぬける
キッチンのテーブルでは
ブティックのダイレクトメールが
あの人の妻 に
....
年寄ると
雌牛の乳房はずるりとながい
地面につきそうなくらい
搾乳器にもかけにくい
隣の牛に踏まれると
乳房が裂ける
裂けると
いつものおじさんがきた
麻酔したのかしないのか
....
牛が生まれる
大騒ぎしているのは人間ばかりで
牛は慣れたもの
これで五度目のお産だ
まだちいさいわたしは
目をみひらいている
子牛は逆子で
おじさんは苦労している
どうやったも ....
道のひとつも間違えず
毎日を器用に歩きながら
私はここずっと
半分行方不明です
タバコを吸おうと
ベランダの窓を開けると
残りの半分が
風にはためくので
飛ばされ ....
光が絶滅したコンクリートの部屋は臭すぎて
懐中電灯を片手に、もう片方の手でガラス製のコマを回しながら
腹をちぎりたくなる
蝶々の腐った匂いがする?
蝶々の腐った匂いがするの ....
違うんだ 気が違うんだ 気が違うんだよ 本当に気が 気が違うんだ まったく否定のしようもなく 気が違っているんだ 気がね 違っているんだ ことごとく違っているんだ 余すとこなく違っているんだ おれが ....
死んだらしいので
ビデオを借りにいった
全部貸し出し中
考えることは皆同じ
本当は
堤さやかが好みです
24歳のセーラー服
死んで歳がばれる
36歳になったばかりの ....
夫婦だけの暮らしが
単調すぎるのでしょうか
真新しい車に 子犬を乗せて
夫が 帰ってきました
まるで川から桃でも拾ったみたいな
陽気な気分で
私の郷里 佐賀という文字の入ったダンボールには ....
北海道の地方都市では
量販店はひたすら郊外型になってしまって
駐車場は平地で2000台収容
回転式のエントランスに
何カ所にも設置されたエスカレーター
天井は高くて空気もよくて
新宿のビッ ....
って言ったのは
懐かしかったからだよ
おっぱい大好き
って人を前にして言うのは
確かに恥ずかしいこともあろうが
それは別に恥ずべきことでもなく
男も女も関係なく
哺乳類全 ....
{引用=
夢 やぶれ
て 帰途
どこからか
いしころ一個の
うなり声}
んんん ん
ああああああ
ええ ....
デリーさんご指名です
かんかんかんの スッカラカラ
カラッカラッの すっかんかん
男日照りが長いので
名前をデリーにした
彼はあの子とアパート泊
私は客とホテル泊
「愛は ....
縁側
手相を診てあげる
と広げさせた手のひらの大きな皺は
私とそっくりで
ああ、こんなところにも
血が隠れとった
と同じ眉をして笑った
今年も本家から柿が届いたから
....
その少女の玉手箱は
最上階の右から三番目
上りきるとすでに
玄関のドアは少し開けられて
少女は風に挨拶をしながら
俺を見ている
「きょうはなにしてあそぶ?」
部屋に入るとすぐ ....
とうさん
せんせいのおはなしには
ぼくらでてこなかったね
ぼくやまねこさんのように
どんぐりのさいばんしたかったな
くらむぼんみたいな友達ほし ....
帯解寺の帰り道
奈良の盆地の五月晴れ
水田 若穂に 渡る風
あぜ道 道草 帰り道
生まれくるもの帰り道
生まれゆくもの帰り道
....
彼が台所で欲情した
ごめん
もう
私は誰ともできないの
だって子供ができるんだよ
できたらいなくなるんだよ
彼は
左手でポケットのコンドームを揉みしだき
右 ....
三日月1号線は
全ての痛みを解いてくれる
ここではないどこかへ行ける
らしい
東に向かって走る
それだけで
僕は毎日のように
日常57号線を
行ったり来たりしているの ....
また打ち萎れて
寄せては引きゆく
涙の日々が尽きません
失う度に
一枚の半紙の表に
愛しい名前を書くのです
それをそのまま
月夜の窓辺にさらし
裏に返し ....
訂正の先頭が混雑がる チョコレート
飛び出しの通り右腕の 上げ具合
ギリギリチョウチョや 微妙な色
優しいする 優しいする
ゲイ世代の洗面器まみれ 肩からとる
すきま ....
並木道に
誰かの日傘が忘れられているのを見つけ
持ち主の名前がなかったので
失敬することにした
けれど自転車のかごに引っ掛けて
ペダルをこぎだしたそばから
日傘は陽を浴びて匂いたち
....
わたしは 此処に いるけれど
わたしは 此処に いる人か
本当は 此処に いるのだけれど
猫は 此処に いないのだ
雪で
日のない夕景は
アルミ箔の
....
その女はいつの間にか現れて、いつも私の前を足早に歩いてゆく。私はその速度に魅せられる。彼女を追わずにはいられないのだ。
しかし追跡は十五分も続けばましなほうだ。信号機や人混みが邪魔をする。女の汗 ....
俺は本屋が好きなんだ
久しく今日も行ってきたよ
麻雀が最強になる本を
ピラピラ見ながら
となりに立ってた押し花好きの
内気なスカートさんをチラ見して
何歩か歩いてパソコン本の棚に行き
....
○ところで皆さん!
ところで皆さん!
口を開けてください!
と、日記に書いた
書いたのは私一人
読むのも私一人
そこから先が続かずに
皆さんが口を開けて待っている
....
熱海といわれても
有名な温泉地という以外
実はなにも知らないのだった
このお題、絶対残るよなと思いつつ (※)
毎週書きつぶしていったけれどやはり残りつつあって
途方にくれながら飛行機で ....
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