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思い出が溜まっていくことが とても怖いといった
きっと目を尖らせて 僕を止めた
ぼくはきみの その目の中に写るものがとても見たいのだ
ただ それだけで ぼくは きみから なにも奪い取りはしな ....
右手にもったきゅうすを傾けたら
青い湯飲みの底に花が咲いていた
一瞬にして
そそがれた緑のまどろみの下に
花は消えた
この湯飲みで
数百杯の茶を飲んでいるというのに
知らなかった ....
1985年頃は
クリスマスケーキを
駅前のお店で買って
家で食べるのが
1年でいちばん、楽しみだった。
お正月は7日まで静かだった
お店なんかどこも閉まっていて
いつもの景色がど ....
電線の五線譜を見上げる
三日月は細い弧を描きながら
歩くリズムで夜を唄う
譜を行き来し 生まれて三日の自分を唄う
夜毎に変わる 自分の歌を
第一の幽霊
{引用=私は待っています。
この地表に縛られて、待つこと以外に何も出来ないのです。誰を、何を、待っているのか、と問われても、私にはまるでわからず、それでも、
私は待っているのです ....
私はオレンジ色のバッグを持っている
私は眠っている
私はオレンジ色のバッグを持っている
私は夢を見ている
私はオレンジ色のバッグを持っている
私は夢の中にいる
若い男が私に言う
「そ ....
がっこうからかえると
おかあさんのからだがばらばらになって
いえじゅうにちらばっていた
あわてて
ぜんぶかきあつめて
しんちょうにくみたてると
とりあえず
おかあさんみたいなかたちに ....
仄暗い公園のベンチで
みかんの皮を食べろと言われている老人が
喜んでと言って頬張っていたのは新聞紙
これでいいですかとにこにこしながら
鳩の目で少年たちを睨みつける
ぽおっぽっぽっぽ ぽ ....
今日はぴりぴりと夜 静けさが集まる冬の夜です
加えて寒さも仲間に入るようで 足元の雪はぎゅむぎゅむと音をたてます
寒さは星を磨くので 星は喜んで配置についていました
そんな帰りは ぬくもりが ....
愛して、取り出して、そこにある気持ちだけで、セックスしよう。
じっとりと、繋ぐ手に染み込む気持ちだけで、セックスしよう。
ハッピー、ハッピー、ハッピー!って叫びたくなっちゃうような気分だけ ....
杏仁豆腐がとろけそうなころ
舌の上はエラーです
空の上は Lalala
舌はずるい
空想に
一番近い気がしたから
....
女とキスした。
俺は鳩のことを考えた。
俺は鳩料理と言うものを食べたことがないのだが
この世に、鳩料理は結構メジャーに存在しているのであるらしい。
俺が平和公園の鳩の一羽になった ....
じーっと
使い終わった注射針を見つめて
「まだ使えるじゃない・・・」
つぶやいてみる
もったいないし
でも
私のお給料に関係ないからいいか
捨てる
リサ ....
理系少女とやりたいな
サービスがたりないよっていうアイツも
掃き溜めの希望よりクズなんだよ
うすみどりの扉をしめたら
きっとあの子はがちがち震えだして
知る由もない未来にどんな方法でもいいか ....
とかげのしっぽ
途切れたしっぽ
さらに細かくして
きれいに並べた
つながらない先端
二番目、三番目
つながらない
動かなくなって
それは死んでもいなくて
近づいた胴 ....
おれは今朝、
22口径のリボルバーを携えて
川沿いの安アパートを出て
車検切れ間近のポンティアックで
43号線を西に向かって
安物のカーステレオで
大音量のジョン・ゾーンをかけて
掌 ....
バスの窓から今日の陽がまっすぐこちらにあたります
木の影のリズムが頬を通っていきます
それは前にいる車のテールランプよりも少し早いテンポで
傷だらけの窓から入る暖かさは 春がもう来ているよう ....
「かちんこちんに、しといたからな。」
Bはそういって、少し誇らしげに僕にそう伝えた。
Bはいつも勝手だ。別に頼んでもいないのに、
余計な気を回していろんなことをする。
たとえば、今日み ....
記憶というのは
たぶん
脳のとても奥深くに
結晶していて
たとえば
海馬とか
松果体とか
そういうところに
ある種の化学物質として
存在しているんだと思う
(いつか話したと ....
あなたを想って
一つ一つ記憶を浮かべていたら
どこからか笑い声が
鎖骨のくぼみに頬を近づけて
澄んだ胸を押さえると
その声が
自分の中の空洞で響いていることに
気づきました
そ ....
好きだから
女の足を折ってしまったり
小さな女の子を連れて来てしまった
寒い部屋の畳のへりに沿って
きれいに寝ころんだ女の子は
これまでに一度だって
浸食することのなかったであろ ....
開放されない夜
こんなにも悲しみは
不快な落下を求めて
その瞬間を嘆くことさえ許さない
形を維持できない感情は
なめらかに体をすり抜ける
闇を潜めて光彩に垂れた
....
どうせ
世界なんて
すぐに終わるから
はやく
目を
閉じてしまおう
琵琶湖疎水を眺めながら
南禅寺の豆腐を食べる
炬燵に入りながら
ぼくは君にビールを注ぐ
冬の一日
京都までやってきた
もう何回やってきただろ ....
どこにでも
約束は無いとして
真夜中で
月の沈む場所
緩やかな寝息で
どこへ落ちていく私にも
約束できる
ものは無いとして
少し
はぐれる
月の端を狙撃して
落ち ....
おまえはスポンジ
濡れたらドボドボで
乾けばパフパフで
中身なんてない
重みもない
いつでもだらしなく
欲しがってばっかりで
与えても
与えても
与えても
与えても
何の役にも立 ....
つられた 無類の栞
かけられた 風の綱
そこから はなれなさい
かさばって 誰も
助けにはこないの
逃げる足音
深く さとす
色あせた カーテン
抜き打ちの 眩暈
....
遠いめまい
かすむ声
押さえても届かない
痛み
息ができるほどの
苦しさ
穴に吹き込む風
根拠のない寒さ
血のような涙
どれもこれも
あなたを悩ます
無意識に探す
安らぎ
水 ....
さんだるで掃いて
町を踏めば
そりゃあ素敵な
ターミネイターが
生えてくるけど
ここはどこやと
金属の葉をゆらすので
まちな
ちょっと聞いてくるわと
コンビニの店長に
聞くと
....
ピアノジャズにゆれて グラスに色水を注ぐ
彩度を少し落としたセピアの空気を 長い煙が流れ泳ぐ
その小指の高音 鍵盤がはねる
私の気持ちは泡と跳ね ゆっくり細いかかとでリズム
天井のプロペラが ....
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