すべてのおすすめ
さっきまで
うなりをあげてたヒーターが
お構いなしに突然黙る
きっと勤勉なセンサーは
こう告げたのだ
もう十分
暖かくなりました
わたしの仕事はここまでです、と
寒々とし ....
物を収集するという行為は
生存競争という過酷な環境に無い者にこそ許される
嗜好性の強さはその個体の死を意味すると言っても過言ではないだろう
生きていくためには他にすべきことが山ほどあるのだか ....
幻想された異国のどこかで
ゆらたのざんげまださらせえ
少女の舌がキーボードの上をさまよいます
なるさばどーえゆたなかさ
キーボードはよだれでべとべとしています
ふはなたまやはなたや ....
僕はブーメランを期待して
君にくさいセリフを言ったのだけど
ちっとも返事が返ってこない
心配して見に行ったら
しまった
君はイチコロでまいっていたらしい
雪の積もった林の木
ネコが爪砥ぎをし
雪がパラパラ落ちてくる
それを見て仔ネコが空を見上げた
林の隙間から差す空へ
「フー!!!」と哭いた
家の戸を開けると
耳をピンッとたて
走っ ....
/かたつむりの貝には
/
/ /
雨の音が溜まって
/
/
/
....
えんぴつの上についてる
消しゴム は
何を書いてるのか
知らないけど
間違いは 消す
正解も 消す
すてきな
漆塗りの木の椅子に
画廊で座る
ご主人は魔法使い
みたい
椅子はお尻の部分が
固い木で
柔らかい不思議
肩が凝りがちな僕
でも
背筋に
木の中を水が通るよう ....
現実を求めながら夜を歩いた
そこかしこに散らばるそれに
触れてはみるものの
まるで伝わってこない
思考の淵をさまよって
一人 呆然として
目の前にあるコップが
つか ....
高いヒール靴で アスファルトを鳴らしながら
あたしは歩く 夜の街
アコギを鳴らして叫ぶように唄う少年や
甘ったるい匂いを引きずって笑うお姉さんや
奇抜なアクセサリーを売る露店の外人さん ....
おかえりなさい。
アナタに逢いたくて、青空を塗り替えてしまったほど。
ずっと、ずっと待っていました。
アナタの好きなものをひとつひとつゆっくりと並べて。
順番に恋をしていくということに ....
「焼ぁ〜き芋ぉ〜、
石焼ぁ〜き芋、焼芋ぉ〜」
日も暮れた
裸木の並ぶ川沿いの道を
赤ちょうちんの焼芋屋が
ゆっくり ゆっくり 歩いてく
後ろからもんぺの{ルビ懐=ふところ ....
やいライオン! お前の牙を抜いてやろう
するどい爪が残っていても
噛み砕く牙は無い
さぁ どうする!
ここはサバンナだ
乾いた空と乾いた大地に
ガゼルやらシマウマやらは群れている
....
ボクはスノーマン
お日様が
君を想う温度とすれば
ボクはスノーマン
手も足も
出せないままで溶けてゆく
明日は
水に戻るのだから
ボクはスノーマン
芯まで
氷
....
彼女は今も闘っている 新聞の紙面上で ネジ穴の底で 明けの空に浮かぶ金星と わたしの目蓋の縁と 夢のなか 彼女は今も闘っている 時計の針の数センチまで 暗い色の塀に 這うように 舞 ....
ブルーシートで窓の外が青い。青い。
午前六時。相変わらず薄暗い部屋。青いよ。
白い風に頬を撫でられつつ 坂を駆け上がる
ホームにアルタイト電車 人々乗り込む
止まるたび揺れつつ こぼれ急く
唯 洗浄された豚の薄皮に肉を詰める
唯 洗浄された豚の薄皮に破れない ....
正確には「フィカス・ベンジャミナ」といいます
日光を好むので窓際に置いてあげてください
冬場は室内に置いてあげてください
水をあげすぎると枯れてしまいます
たまに肥料をあげてく ....
かつて
わたくしは
花、だったのですよ
よろしければ
咲いてみせましょうか
と
言うと
水、のようなそのおかたは
しなしなとゆびを左右に
ゆらして
ていねいに
それをこばむ
....
夕暮れになると
ばくは星間に漂いはじめるのだった。
追いつめられてすきとおっていた
声なき声は銀河の構造
肉体を失って誘いを待つあなたは光の粒子
粒子は崩れぼくは光速で見えないあなたを通 ....
海と空の境界線は
いつだって本当と嘘に似ている
マリファナ中毒者のような顔つきで
微笑みかける老人に
アホのような笑顔で答える私がいる
この島の時間が止まって ....
冬雨の音が、換気扇につぶつぶ言ってます。
つぶつぶと聞こえる暖かい部屋の中で、あまり聞かない洋楽をラジオが歌ってます。
シンギン イン マイ ライフ
おぼろげに聴き取れるのは、 ....
逃げ道なら塞がれちゃった
からさ
ここぞとばかりに
挙式をセルフ・プロデュース
するしかないんじゃあないか
と思う訳ね
だって葬式じゃ嫌でしょう
どうせなら挙式やろうよ
流行りの地味婚 ....
小学校の放送室は
僕の隠れ家だった
放送委員の僕は
毎日お昼のニュースを読み上げ
学校行事のビデオを流したり
紙芝居を読んだりした
放課後になると
僕は一人
据えられたテレビカ ....
あのさ恐竜ってさ
誕生日
2回あるよね?
どうやら去年のクリスマスも
恐竜グッズをお願いした彼は
新たな発見に大興奮だ
卵を生んだ日と
卵から出てくる日
ハッピバースディが2回 ....
眠り姫の起こし方は忘れました
と言いますか
眠り姫を読んでません
でも
とりあえず
キスで君を起こしたいと思います
よく寝る君は
ちょっと寝相が悪くて
キスしようとしたら寝 ....
ふかーい海の底へ飛び込んだら
途中で深海魚に出会いました
「深海魚さん、どこへ行くの?」
「なーに、わたしは夢を叶えに行くんだよ」
そう言って深海魚は浮上していきました
「深海魚 ....
揺れている――
火が、無人の家に続く砂利道のそこここで、
揺れている、原野の風の行き来にあわせて
揺れている、枯れかけた草の群れが、
火が跳びはねて渦巻く、
日没前の世界に
揺れて ....
あなたが後ろを向くと
私の胸から
レモンスカッシュが吹き出した
瞬く間に水の幕をつくり
私の前を一面覆う
そっと指で触れてみる
波紋は広がる
ほんの少し振り返った
あなたの ....
田舎のネオンをにじませてゆく雪
ここには似合わない音楽ばかり流れている街
ガソリンスタンドにはタイヤ交換の長い列
観覧車はもう、来年の春まで動かない
寒いんだから
余計な言葉を喋 ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50