すべてのおすすめ
氷のような風が
朝からずっと吹いている
体を凍らせて
心を縮ませて
地面を向いて歩いている
でも見上げれば
海のような空が
朝からずっと広がっている
体を伸ばして
心を開けて ....
窓ガラスにくちづけを
吐息がこぼれたら
やさしいあのひとの時間
ミルク色の月に
紅茶をこぼして
頬を寄せて眠るひざまくら
好きといって
嫌いといって
憎むといって
どうか
人は
可能性がある限り
その可能性を信じ
どこまで行けるのか
力尽きるところまで
走り続ける
人は
未来がある限り
その未来を信じ
どこまで望めるのか
見通せるところまで
進 ....
静かな湖面に
あなたとわたし
ふたりきり
いつもは感じ得なかった
あなたの男らしさを
ちょっと見直してみたりして
(フレアミニなら喜んでくれたかな
季節はずれの湖面に
あなたとわたし
....
3.141592…
そこから先を僕は知らない
割り切れないと知りながら
科学者達はは計算を続ける
小田原駅で別れた彼女
その後の行方を僕は知らない
もう二度と会えないと知りながら
未 ....
ピンセットを手に取りあなたの棘を
丁寧に一つずつ抜き取ると
小さい棘がこんなに痛みを作るなんてと
不思議がるあなたの手にはたくさんの棘
気がついているのでしょうか
私の体を抱く度に棘は刺 ....
いつまでも いつまでも 完成しない絵があるんだ
色を塗っては剥いで その繰り返し 毎日毎日
いつまでも いつまでも 完成しない絵があるんだ
それは空と海と人とが必要で その繰り返し 毎日 ....
深い谷に橋を架けよう
向こう側へ行く 旅人のため
大きな川に橋を架けよう
渡し守が 今以上傷付かないように
こちら側と向こう側があって
渡るための橋が架かる
どこにも属さないそこは
....
旅をしたい
計画のあるものではなく
行きたいと思った時から
電車に乗っている
どこで降りるのか
わからないけれど
どこか遠くへ行ってみたい
旅をしたい
目的のあるものではなく
感 ....
久しぶりの
雨の
窓叩く音が
私を招く
人影もない
真夜中の
常夜灯に雨は
照らされて
絹糸のように
白く光っている
時折過ぎる車の
雨の飛沫が
耳を掠めて
....
壊れた部品のお取替え
旧式だから全替えです
いろんな思い出もあるでしょうが
バックアップはとっていますし
どうせ代わりはいくらでもいますから
実際として
彼は死んでしま ....
息を飲む
この瞬間にもハイエナは
俺の蜜を奪おうと目を光らせている
人と人との出会いの物語
いずれエピソードになり
別れが待ってる
一粒の涙を残し
静かに愛する人と過ごせ ....
招き猫が嫁に行った
注文の多い小料理屋には
微笑みも衒いも無くなり
自然
お客の足も遠のいて
入り浸りだった
どこぞの
ペルシャも
シャムも
来なくなった
閑古鳥を捕まえに
....
{引用=今夜は
月もちょうど半分の明るさで
なんて幻想的な夜なのでしょう
今夜は
月も森の木の天辺に腰掛けて
なんて素敵なお客様なのでしょう
丘の上から眠る町を一望して深呼吸
物 ....
時というものは
幸福な思い出を
少しずつ削りながら
現実を幻へと変えてゆく
時というものは
不幸な思い出を
わずかずつ慰めながら
現実を夢へと変えてゆく
時というものは
人と ....
ころころと手の中転がる丸い玉
紫 群青 紅 桃色
光輝きころりんこ
瞳の輝き映し出し
きらりららるらりらら
想い 思い出 淡い恋
紡ぎだしてくゆらるるり
子供達は玉創り
心のどこかに ....
場末の小さな店を出ると
もう真夜中のはずなのに
不思議とあたりは白っぽく明るい
街灯もひとつもともっていない
しかし明るいとはいえ太陽がないので
なんだか昼間とはちがった
さびしい明るさだ ....
湯せんにかけて
やはらかくなった冬の月に
銀河のアラザンをちらし
薔薇色の粉砂糖をまぶし
僕がひとかじり
君がひとかじり
微炭酸の夢が
恋人たちの舌の上を
ゆるりゆるりと ....
夢と心を
夕空に放ち
林檎を かじる
しゃりっと
音を出す度に
淡くなる空
雲のドミノ
神が倒さない
ミルキーロード
気流が駆け抜ける
鳥のダンスに拍手を送る
夕 ....
うれしい朝だね
ほら、鳥がみんなで飛んでゆく
きっと
空にあいさつをしているんだよ
明るい朝だね
ほら、子供がみんなで遊びにゆく
きっと
思い出をつくりにゆくんだよ
優しい朝だ ....
深い森の中では
フクロウが夜を歌ってる
あの娘は眠りの浮舟に乗って
夜空に漂ってる
僕は時の移ろいを感じて
すこしばかりお酒を飲んでいる
通りに出れば路地裏で
アスファル ....
みぞれを吐き尽くした後の
灰色の空の中に、
ちょうど私のところから見れば
....
RaReRuUhuuuu...
お願いだよ、たったひとつだけ
聞いてよ、あのねあのね
RaHaHaFhuuuu...
本当はさ、判っているんだけど
こんな姿にまさかね、なるなんてさ
も ....
冬の大雨の日
どこからともなく
ノラ猫は家の庭にやってきた
近所では名の知れた
図々しく生きるヤツらしい
汚いから触るなと
大人は子どもに言い聞かす
力を失いかけながらも
木の ....
今夜は酷い夜霧だ
むやみやたらに出歩くと
街の真中で遭難してしまいますよ
旦那
今日の所は
この常夜灯の下で
霧宿りいたしましょうよ
『常夜灯の下で』 ―銀の夜を溶かして ....
黒カラス。
ゴミを漁りて世を乱す。
僕の出すゴミ見向きせず。
嬉しいような。
悲しいような。
階段で。
予想以上に足が出ず。
脛を打ち据え悶絶す。
疲れているなと慰める。
老いた ....
リュートをかき鳴らす
あの燃えるような響きはどこに
自在のままに{ルビ弦=いと}を泳ぐ
あの{ルビ勁=つよ}い指先はどこに
歌はどこに
耳を澄ませば風が行きかうばかり で
目覚めれ ....
愛しているという言葉自体には
愛しているという意味は無くて
貴方が喜んでくれた時
初めて言葉は輝きを放つ
ありがとうという言葉自体には
ありがとうという意味は無くて
貴方が笑い返してく ....
飛ぶ鳥の名前などは
どうでもいいことかも知れない
晴天をかもめ、
夕暮れには
からす
一応の名前で
呼んではみるけれど、
きっと何かが間違っている
かれらは一途 ....
積み重なる年月の
日々の出来事は
何一つとして繰り返すことなく
情の起伏が不規則に
時の流れの中に
ゆっくりと沈められてゆく
積み重ねてゆく年月の
今日の想いは
何一つとして定まる ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182