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小さな箱の底に僕はいるよ
産まれてきたのに
キミは要らないと言って
冷たい底に僕を置いて
軽く頭を撫でて
遠くへ行ってしまったんだ
どうしてかな
僕は知らない世界に独り
聞いた事に ....
銀杏の並木
ならんで歩いたのはいつの日か
木洩れ日落ちる夕方に誓った愛
人の心は天気予報のように
目まぐるしく変わり
思いもしらない街に僕達を誘う
サイレントムービー
君との ....
美術館前の石畳は冷たい雨に濡れ
慌てて開く折り畳み傘は
夢のなかから引き摺りだされたのを
ごねてでもいるのか
機嫌の悪さを隠そうともせず
冷えたこころをあたためてくれた
あなたの背中が ....
つなぎ忘れた何かを探そうとして
それすら不意に
忘れてしまう
星空は
いつでもその名を受け取りながら
毎夜を必ず終えさせる地図
瞳がうつす一瞬を
嘘かと惑い
ときには真逆に ....
日蝕があった
月蝕があった
地震があった
飢饉があった
父方は山賊
母方は海賊
ロケットが飛んだ
ロボットが呼んだ
冬が来た
春が来た
氷河が溶けた
島嶼が消 ....
青空にぶらさがっていた天使が地上に降りて
ポケットのなかでふるえている
半端にちぎられたコードは宙ぶらりんで
青白い声だけが、あまねくさまよう
電気信号は、いつだって正しい
素早く、正確に、 ....
それは 驟雨
我々は 再び
時空を追い越さなければならない
足早に車道を突っ切れ
大気の重々しい臭い
揮発油は燃焼を続けているから
注意深く
荒野の自然から学びなおし
そし ....
午前零時の産声が
真夜中を、とおりすぎて
青雲でゆれていました
しかしながら
その姿を見た者は
だれひとりとしていなかったのです
川岸に転がっていた小石を持ち帰り
庭のすみっこに置い ....
ある空き地の前を通ると
泣き叫んでしまいそうになる
通い慣れて遊び倒した家を思い出して
我が家より我が家だった
主を失った家は売られ
しばらくして潰された
ショベルカーがガリばりと ....
台所で
母が米を研ぐ音は
別な音がする
えっちら おっちら
えっちら おっちら
母の手が
つめたい水のなかで
ゆきをふみしめる
わたしはうまく研げないので
そんな音がしな ....
もういいかい もういいかい
暗闇に響く声
夜はだんだんと日を食んで ほおら 冬がくるよ
寒い寒い冬だよ 秋ですら変わらずにはいられないのだよ
子供が一人 そう口ずさんで
杜若が咲いていた ....
午後の陽射しを受けている
窓が開いて
レースのカーテンが揺れて
ガラスは 遠い空を 白い雲を
水平にたたえ 映した
時おり
子供達の歓声は
静寂を乱し
小石は投げられて
うすい ....
天を突き通す パルス
尖塔を仰ぎ見て
コートの襟を立てて
足早に通り過ぎて
石畳を睨みつけ
落ち葉のささやきを
スケッチしたなら
帰るべき部屋で
レトルトは加熱され
言葉 ....
めをつぶると
しん と
みえる
それは暗い水に浮かぶ
水銀のようなひかり
それをすくい上げると
すこし かなしいおとがする
とうめいなうみの底で眠る貝殻
いつしかそれら ....
あなたが感じた
その美しさを
僕の手のひらで触れることが出来るのなら
あなたが感じた
その痛みを
僕の右足で蹴ることが出来るのなら
あなたが感じた
その優しさを
僕の頬がさ ....
紅珊瑚のゆりかごの中で
柔らかな月が眠ってゐます
美しい薔薇が月にキスして・・・
(カステラの香り!)
薔薇に棘などありません
棘は一つ残らず
詩人の心臓が受け止めましたから
柔 ....
指揮棒が乱舞して
演奏が走りだす
息は上がり
弦ははち切れ
それでも止まらない
もっと速く
もっと速く
もっと速く
もっと速く
もっと速く
もっと速く ....
その道を行くのだ!
巨大なスフィンクス
詩人達の間を抜けて
理性と情熱
我らの持ちうる 全て
詩人の謎に答えつつ
渾身の一打は この胸にあり
遊撃しつつ 通過してゆけ
ラン ....
時間は意識しなければ
いつの間にか流れているけど
本当はこうしている間にも
一秒一秒刻々と動いている
僕達はそれに気付かずに
過去にしがみついたり
....
ひとつふたつと
どんぐりの実を数えながら
息子は
年の数をおぼえた
ぼく みっつ
小さな指で
小さな生き物のような木の実をつまんで
みっつの命をならべていたが
あっというま ....
そして いつか
魂が おさまる場所
魂と肉体が完全に同期して
なに 過不足ない 満ち足りた
まわるい場所へと
全て 全ての 人々が
人生を楽しみ
取りたいだけの 汗を流し
満ち ....
欲望絡みつくアラビアンナイト
踊り子の華麗なるベリーダンス
マハラジャは結婚を申し込むが
踊り子は首を縦に振らない
彼は強大な財力を使い
あらゆるものをプレゼントした
....
東に開かれた 窓があった
ソファーにもたれて
書物に目を落としていた
部屋を採光された 光が
うねり 本を照らす
読み継ぐ事に 少し疲れ
目を空へと あげる
陽光は石をも貫き ....
桔梗の匂いです
ほんのりぼかした地平線は
花のうねりが続いています
その上をすべる
乳白色 あおい月
輪郭はまだうすい
夜はさらさら
風はさやさや
月は花の ....
小さな星
あの清らかな花の先の星は
いくつもの試練を
乗り越えた光
何光年離れても
夜空に浮かぶ明るさは
僕らの住む銀河と 同じ炎の星の灯り
何百年も昔の光は ....
僕は知っている。
君が誰で
どこから来て
何をしているのか
だけど
僕は知らない。
君が何を好きで
どんな事に興味を持って
どんな笑い方をするのかを
あるお腹が空いた日
しょうがなく戸棚を開けた
何もなかった
幸せすら
見当たらなかった
あるお腹が空いた日
雨粒を一掴み口に入れた
なんの感情もなかった
ただ
冷たくなった雨 ....
涙一つ零れ落ちて
水溜りに広がる波紋
何度後悔を重ねても
繰り返してしまう悲しみを
すべて抱きしめて生きていけるほど
この両腕は強くはないけど
雨上 ....
若葉が芽吹いた時の
頬の熱さを
私は今も未だ
忘れずにいる
瞳孔を徐々に開く
その過程の間で
視界が緑に染まるのを
見ないふりをして
気管をゆっくりと
狭めていく、 ....
冬の夜の
何もない一本道を
包帯だらけの山羊が
針金でできた自転車に乗って走る
かたりかたりと
暗闇に音を染み込ませていた
....
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