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夏はとつぜん、空から襲ってくる。
風がきらきらと光って、薄いガラス片の、トンボの羽が降ってくる。
少年のこころが奮いたった夏。
トンボを逐うことが、なぜあんなに歓喜だったのか。

細い竹の鞭 ....
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鯨にある指先(地上)の記憶のように
人間にも忘れてしまった記憶がある
それはsora(翼)の記憶
身体の奥にある翼(骨)の記憶を頼りに
背 ....
祈ってあげてください。
とつぜん、そんなメールをもらった。
かれが重篤だという。

かれは もう ひとりの みちを あるいている…

かれのことを、詩友といっていいかどうかわからない。
 ....
ひょいと見ると出窓の内側で
そいつはいつものように
出窓に置いてある
真空管式の古いラジオに
じっと耳を傾ける
ビクターの犬のようだが
そいつは黒猫だ

出窓からは朝の港町の風景が広が ....
いたずらな風にでも煽られたのか
薄桃色の世界が一瞬目の前にひろがった
 



男のひとは女性の下着に恋するものらしい

くしゃっとした
小さな布切れなのにね

でもそれは男の ....
<種類別> アイスクリーム(自称)
<体脂肪> 22.0 %以上
<内臓脂肪> そこそこ
<原材料名>
  怠惰、臆病、猫背、妄想、未練
  安定剤(貧乏ゆすり)、乳化剤(溜息)
   ....
寄る辺なく
君を想うことなかれ
寄る辺なく
君に恋することなかれ


朝露零れて
透いた柔肌の朝顔
吐息に揉まれし


けふ
文月小暑
忘れがたき
夕でるまでの


 ....
毎日ぼくは、琵琶湖の水を飲んでいる。
といっても、湖水を掬って飲んでいるわけではない。
琵琶湖の水は、瀬田川から宇治川へ、そして淀川となって大阪湾に流れ込んでいる。その途中で取水され浄化されたもの ....
息を押し殺して
手のひらでそっと囲んだら
金色の鱗粉を残して
忽然と消えた

紫色の残像は
一瞬だけ切なく薫った後
押し寄せる後悔の波に
さらわれていった

視界の端をくすぐる ....
出棺を待つ君は安らかな表情で
首筋にあるべき索状痕は目立たぬよう化粧を施され
凄惨な最期を遂げたようには見えなかった

呼びかければ目を覚ますのではとか
冗談が過ぎたかな
頭を掻きながら棺 ....
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金魚鉢のそれのように、
一つの世界がそこで完結するとすると、
地球が再現され、
宇宙が再現され、
ついに発生する突然変異に、
ビオトープ ....
高層ビル群の彼方に
鮮やかな青と緑を
見ようとしてしまう旅

虫食いだらけの想い出を
あまりにも流暢に
語ろうとしてしまう旅

すれ違いざまに香った懐かしさに
誰かの後姿を
追 ....
雑草が覆いかぶさる細い道をゆく。
小川のそばに、水引草が咲いていた。
山の麓のさびしい村。24歳で夭折した詩人の夢が、いつも帰っていった。
その夢のほとりを歩いた。

小さなあかい花。見過ご ....
私という人見知りは
背中にうっすらとした黄金の体毛と
頭部に後光が輝くよう
分け目の間に鏡を置いた
ギミックがすこぶる付きの生物なので
東京近郊の動物園から
引く手数多なのだけれども
 ....
 暑中お見舞い申し上げます。   たま



 地下鉄

地下鉄はまっすぐ走るものだと思っていた
車体が傾いてとなりの女の顔が急に近づいた
ね、 複雑でしょ・・
耳元の吐息はいつも体 ....
青らむ、夏の
わたしの首すじ に
風がひそかな挨拶をおくる


揺れやまぬ草の穂先のいじらしさ
痺れた指でもてあそびながら
あなたのことをかんがえる


青らむ、人の
まなじりの ....
カタカタと鳴る

眠れない夜の四脚の貧乏ゆすり
床に喧嘩売って

チクチクと唸る

眠れない夜の二針の歯痛
壁にドリル打ちこんで

ザワザワと嘆く

眠れない夜のこんにゃく ....
港町の浜辺に面した食堂
浜辺の見える出窓に置かれた
古ボケた大きなラジオから
流れる昔のエレジィは
淋しく悲しい旋律で
波止場につながる道沿いを
黒いショールに包まれた
港のおカマの頭上 ....
べつだん躊躇ったりすることもなく
無造作に引きちぎった胸元のボタンを手渡してくれた

「ありがとう」

「礼なんていらないよ
こうするものらしいしさ」

恥じらいをみせれくれれば可愛い ....
そいつは僕の眼をじっと見つめ
/媚を売るでも無く
/何か一言言って僕の歩く先を
先回りしてしっぽを立ててステップを踏む
/石畳の路地は濡れて光っており
/黄色く彩色された建物の壁面に囲まれ、 ....
学生のころ帰省の旅費を稼ぐため、廃材の釘抜きのアルバイトをしたことがある。
真夏の炎天下で一日中、バールやペンチを使って材木の釘を抜く。ただそれだけの単調な作業だった。

毎日、早稲田から荒川行 ....
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水たまりに空が映って
雲が動いていた
雨は上がったようだ
太陽は力を蓄えようとして
朝はこれからのエネルギーを予感している
陽炎がすでに
 ....
最近、おなじ夢をよくみる。
岩場に立っている。そこからどこへも行けない。見下ろすと深い淵がある。とても飛び降りられる高さではない。踏みだせば死ぬ。死の淵だ。そのような岩の上に立っている。
以前にも ....
力を信じる人
仲間を信じる人
明日を信じる人

僕達は
大きな葉っぱの上に
偶然落ちてきた
震える水玉

金を信じる人
言葉を信じる人
目に見えないものを信じる人

風が ....
きょう、詩を投稿した。
もう、あとは何もない。空っぽ。空虚。おしまい。
そのたびに、もうあとは何も書けないと思う。今まではなんとかなった。だが、この先はなんともならないだろう。いつも、そう思う。
 ....
いくつもの風が過ぎた
いくつもの雨が過ぎた

いつ結んだ思い出だったろう?
   僕の地平をゆく青い旅人に
   君の塔に棲む白い少年が手を振る

日と月とがめぐる 星座がめぐる
幾重 ....



明るすぎる崖
やけに落ち着いた たたずまいで立つ
青すぎる空が 海の照り返しで
光が私に立ち上ってくる


憎悪 わたしの憎悪
おもいだせない
憎悪から ここまで ....
崖の下から海がひろがる。
寄せてくる波が、激しく岩に砕けている。
風に押し出されそうになって、岩場を踏ん張る足に力がはいる。
ぼくにはまだ、奈落に逆らう力が残っている。
それが生きる力であ ....
この坂道は君とともに上った坂道

ふたりして登坂の辛さにあえぎ
君の差し出した手のひらの熱さに驚きながらも
未来への扉が垣間見えたような気がして

したたる汗の交わる戸惑いと
きつく握り ....
歩いている。
あてもなく歩いている。
すっからかんの着のみ着のままで
歩いている。

足下には星屑が輝き
頭上には異様に大きな月が
幾つものクレーターを見せて
垂れ下がっている。

 ....
未有花さんの自由詩おすすめリスト(5454)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
蜻蛉の空- yo-yo自由詩7*11-7-23
翼の骨の記憶_/_いつかきっとsoraを飛ぶ- beebee自由詩23*11-7-21
祈りの言葉- yo-yo自由詩10*11-7-21
野良猫その2- ……とあ ...自由詩1211-7-19
確信のひと- 恋月 ぴ ...自由詩26*11-7-18
僕はアイスクリームから生まれた- nonya自由詩24*11-7-16
七夕- 乱太郎自由詩14*11-7-14
水を飲む- yo-yo自由詩6*11-7-14
迷いの森- nonya自由詩17*11-7-13
饗宴のひと- 恋月 ぴ ...自由詩2311-7-11
蛙人間は神に祈るのか?_/_熱帯夜に見る夢- beebee自由詩21*11-7-9
こころのフーテン- nonya自由詩15*11-7-9
水引草に風が立ち- yo-yo自由詩5*11-7-8
自己紹介- ……とあ ...自由詩8+*11-7-7
詰め合せお中元セット- たま自由詩30*11-7-7
青らむ、- 石瀬琳々自由詩30*11-7-7
眠れない夜に- 乱太郎自由詩12*11-7-5
鴎ー野良猫その1の上空ー- ……とあ ...自由詩6*11-7-5
第二ボタンのひと- 恋月 ぴ ...自由詩2011-7-4
野良猫その1- ……とあ ...自由詩8*11-7-4
釘を抜く- yo-yo自由詩17*11-7-4
水たまりに夏の空が- beebee自由詩16*11-7-3
夢の淵- yo-yo自由詩5*11-7-2
よろめく水玉- nonya自由詩12*11-7-2
あとは何もない- yo-yo自由詩4*11-6-30
僕らの日々- 塔野夏子自由詩7*11-6-29
- るるりら自由詩9*11-6-28
- yo-yo自由詩3*11-6-28
坂の上のひと- 恋月 ぴ ...自由詩2411-6-27
月夜- ……とあ ...自由詩16*11-6-27

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