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生暖かな風が吹き抜けてゆく
ようやく緑の穂をつけた
オーチャード・グラスが
ざわざわとざわめく

雨が降る

雲はまだ薄く
北の空には光が残っている
ふいに、蕗の葉が大きく翻って
 ....
まだ9月が始まったばかりなのに
「サンタクロースがやってきたよ」
と、ばあちゃんが言った

耳をすませば

りーん
りーん

鈴虫の鳴き声

りーん
りーん

サンタクロー ....
葡萄の葉陰に{ルビ抱=いだ}かれて
青い果実のひとふさは
日ごと重くなりました

花びらのかわりに
熟れた種子をいっぱいにして
向日葵は皆うなだれました

高い空
すうと流れる
赤 ....
人は必ず困難という壁にぶつかる
それはとてもつもなく堅く厚く高い

この壁を乗り越えるには
それ以上に心が堅く強く高くなければ
簡単にはできなそう

でも実はそんなことは必要ない
堅い ....
日が暮れて街が朱色に染まっていく

ビルの隙間から雲を通して紫の空

看板やネオンに明かりが

ぽつりぽつりと灯されていく



公園で遊んでいた子たちも家路へと急ぐ

車の ....
(ヴァンサン)


窓の外に君の姿が見える
やわらかい草を裸の足裏で踏みしめて
君はこれから川へ泳ぎに行くという
もう透き通った水は冷たいというのに
君は白い歯を見せて
{ルビ銀葉=ぎ ....
まだ青き紅葉の枝に止まり来る
秋はまだかと茶色い蜻蛉
夏らしい暑さも過ぎた昼下がり
石に腰かけ秋が流れる

その風に誘われたのかまた空へ
どこへ行くのか茶色い蜻蛉
吸われゆく雲の形は秋の ....
シーズンオフの海
半ば砂に埋まつたビーチパラソル
ピンクのドームの下に
蟹が一匹ハサミをもたげる


どこから切り裂いて
片付けたものか
パラソルを見上げて
蟹はむづかしい貌
 ....
近所の家で飼っている
犬が「ふぁんふぁん」と吠えている

ふぁんふぁん、ふぁんふぁん
ふぁんふあん、ふあんふぁん
ふあんふあん、ふあんふあん
不安不安、不安不安

こんな静かな秋の夜は ....
輝くものはいつも
はるか遠くに置かれる
届かないとわかっていても
暗闇の中で
求めてしまう
温もりのない光とわかっていても
そこで燃えているものを知っている
そして永遠を誓ったりする ....
大きな木の下に置かれた
ベンチに腰かけたまま
静かに目を閉じる

大きな木の大きな葉が
サワサワと揺れ
その呼吸に自分の鼓動が合い
いつしかまどろむ

夢の中で
自分が何かを探して ....
茹でる前の固い麺は頑なに自由を拒む私の心
熱い熱い沸騰している湯に放られてほぐされ潤う心
決められた時間で私は蘇る つやつやの黄色い肌をもつ
そして私は食べられる 悲壮な顔をしたお嬢さんに
お ....
目指したのは 空
それ以上も 以下も無く
ただ なんとしても飛びたかった
見上げた空が あまりに美しかったから

空はずっと前から ただ広く
{ルビ時間=とき}はずっと前から ただ流れて
 ....
遠くの月と
近くの猫

しなやかな背を撫で
月の色した目を眺め

そして少しのお酒を飲む
幾枚かの{ルビ花弁=はなびら}が舞い落ちる 
淡い光のあふれるいつかの場所で 
あの日の君は
椅子に腰かけ本を読みながら待っている 

いたずらに 
渡した紙切れの恋文に 
羽ばたく鳥の ....
小さな幸せ
たとえばいつもの道に
花が咲いている
その花の名前はわからないけれど

小さな幸せ
たとえば道を聞かれ
教えてあげたら
「ありがとう」と言われた
その人の名前はわからない ....
たなばた たんざく たちつてと
秋の空と乙女の心は七変化
夏じまいに
怠惰で熱っぽい光を
燦々と振りまきながら
ねっとりとした風が
がらんどうの原っぱを吹き渡っていく
夏休み最後 ....
あなたの空に穴が開いたら
地面の土で埋めてあげよう

希望に満ちたあなたの夢は
くじけることを未だ知らない
世界はあなたが想うほど
優しくはない
冷たく感じることの方が
たくさんあるの ....
旅の終わりの夕暮れに 
車窓の外を眺めたら 
名も無き山を横切って 
雲の鳥が飛んでいた 

{ルビ黄金=こがね}色に{ルビ縁取=ふちど}られた翼を広げ 
長い尾を反らし 

心臓の辺 ....
スーツ姿のサラリーマンでいっぱいの
0時44分発の東武東上線
最終電車

隣の席に座った人たちは
大きなバッグと
沖縄土産を抱えていた
そうか
この人は今まで沖縄にいたん ....
その山はあまりにも高すぎて
今の自分では
登ってゆけそうにない

でも登ってゆかなければ
今の自分は今のまま
狭い世界しか見えない

山のふもとから
山の高さに文句を言っても
その ....
目が覚めると
必ず何か足りないものがある気がして
一呼吸置いてから窓を開ける
抜け落ちてしまったような
最初からなかったような
秋の始まりに吹く風が
季節に置いてけぼりにされた風鈴を鳴らし ....
雨の音が聴こえるので
ベランダに出てみたら
一面の星空で
雨なんか
一滴も降っていない

稲妻のように
乾いた荒野のイメージが
瞼の裏側に投影されて
見たことのない色で光る太陽が
 ....
夕方の空には、今日が眠っている
そんな気がする

夜に溶けようとする入り口で
わがままな僕はうずくまる

何かを忘れている
そんな気がする

ひとりひとり
今日話したいろい ....
混みあった電車の中で
携帯電話の画面を見ながら
泣いている男性を見かけた
年齢は三十代前半くらいだろうか
声はあげずに
時々
窓の外や
中吊り広告を眺め
今にもぐしゃぐしゃになりそうな ....
秋の花は
野に咲き
心に咲き
夢に咲き
思い草
桔梗の声聞く
菊あざみ

紅葉ばかりが
秋ではなく
花も実も
身も心も
染めゆくは
秋の風

秋は野に咲き
心に咲き
 ....
ダチョウはいきなり

炎天の平原を走り出した

太い頑丈な足で

砂地を蹴立てて



彼の後ろには

砂埃が舞い上がり

動物たちは

砂つぶてをくら ....
ちょっとだけ
きれた牛乳を買いに
近所のコンビニまで駆けてった 


帰ってくると
ドアにはさまれている紙きれ

『ご不在でしたので持ち帰りました』

誰からの届けものだったのか
 ....
大地にはリンドウ
世界は秋の花と風
美というよりも心

木には{ルビ蜩=ひぐらし}
世界は秋の声と風
音というよりも歌

空にはいわし雲
世界は秋の光と風
量というよりも質

 ....
小さな窓に流れ来る
微かな風の匂う秋
去りゆく時の寂しさか
訪れ{ルビ来=きた}るうれしさか
僅かばかりの部屋の中

大きな空に染まりゆく
彩る色の魅せる秋
どこから{ルビ来=きた}る ....
未有花さんの自由詩おすすめリスト(5455)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
雨を待つ- 北野つづ ...自由詩8*06-9-9
秋のジングルベル- 壺内モモ ...自由詩5*06-9-9
カラコロクル- 紫翠自由詩12*06-9-8
強き心は柔らかい- ぽえむ君自由詩7*06-9-8
夕焼けの街- ajisai自由詩6*06-9-8
ヴァンサン、夏の終わり- 石瀬琳々自由詩13*06-9-8
茶色い蜻蛉- ぽえむ君自由詩10*06-9-8
夏の残滓- 杉菜 晃自由詩6*06-9-8
犬の鳴き声と秋の夜- 壺内モモ ...自由詩5*06-9-8
今夜、輝くものは遠く- たりぽん ...自由詩1606-9-7
夢の中の探し物- ぽえむ君自由詩7*06-9-7
ラーメンとお嬢さん- ひとみん自由詩6+*06-9-7
31、羽根_【はね】- 雨宮 之 ...自由詩2*06-9-7
黒猫- 七生自由詩306-9-7
花吹雪の中で_〜出逢いの日〜- 服部 剛自由詩13*06-9-7
小さな幸せ- ぽえむ君自由詩6*06-9-6
*七夕七景*_〜夏じまい〜- かおる自由詩7*06-9-6
あなたの空に穴が開いたら- ぽえむ君自由詩7*06-9-6
雲の鳥_- 服部 剛自由詩9*06-9-6
東上線は今日もたくさんの人たちを乗せて- 壺内モモ ...自由詩6*06-9-6
その山はあまりにも高い山だから- ぽえむ君自由詩6*06-9-5
ひとたびの眠り- 夕凪ここ ...自由詩8*06-9-5
パロ・デ・ジュビア- 大覚アキ ...自由詩6*06-9-5
「夕方の空には、今日が眠っている」- ベンジャ ...自由詩9*06-9-5
あくび- 壺内モモ ...自由詩9+*06-9-5
花は心に夢に咲く- ぽえむ君自由詩6*06-9-4
ダチョウ- 杉菜 晃自由詩7*06-9-4
不在連絡表- ZUZU自由詩706-9-4
季節というよりも時- ぽえむ君自由詩11*06-9-4
小さな部屋の秋の風- ぽえむ君自由詩11*06-9-3

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