すべてのおすすめ
久々にお昼過ぎまで寝られた
カーテンの外は透き通るような青
こんな日だからどこにも行かずに
コーヒーを飲んでゆっくりしよう
ダイニングを軽く掃除して
フリマで買ったコーヒーカップで
砂 ....
片手くらいの
かわいい顔した手帖があって
女の子のような
詩がたくさん書き連ねていた
僕には
春の風を思わせる旋律が聞こえ
夏の陽気さを感じる水彩画でもあり
ちいさな言葉たちだが
海原 ....
ことばの森の中
今日も歩き続ける
迷い込んだ
ずっと奥深く
流れていく
ささやかな小川は
さら さら と
どこに
流れ着くのだろう
ことば
それはただの
ツールにすぎない ....
アクセル踏みすぎちゃったり
ブレーキ掛けすぎちゃったり
右に左にハンドルを
きりすぎちゃったり
( 運転は「その人」があらわれます )
誰もいない助手席 ....
腐った落葉の下から
湿った地面の
つぶやきがもれている
庭石の下では
キリギリスがあたりをうかがい
とかげやかえる達は
アジサイの葉陰で
会議を開く
庭に埋まった
ねこの死骸を
ど ....
シロツメグサで
首飾りと花束をつくり
ぼくたちは結婚した
わたしの秘密を
あなたにだけ教えてあげる
と花嫁は言った
唇よりも軟らかい
小さく閉じられた秘密があった
シロツメグサ ....
僕の手は小さい
他の誰よりも小さい
色んな人に支えられながら
色んな人の助けを借りながら
ここまで大きく育ってきた
それでもまだ僕の手は小さい
本当は色んな人を支えたい
本当は色んな ....
草木と土の匂いが
とても近くにあった
大地に捨てられているのか、私の身体は。
顔を傾かせ
地面に耳を宛がう
と
姿の無い何者かが
私の身体をゆっくりと押さえつけてくるような
鈍い重圧を ....
世の中には支えるひとと
支えられるひとがいる
支えるひとは暗い海に胸元まで浸かり
力の限り支え続け
次々と押し寄せる荒波に揉まれては
やがて力尽き海の藻屑と消える
支え続ければ ....
やさしい一言で
みんなが溶けて小さくなる
人はこころのいきもの
小さくなった傷は
水に浸しておきましょう
ゆらゆらと水面に揺れて
透き通りながら
やがては水蒸気となって
空に浮かぶ雲に ....
ベランダの浮輪に
バッタがつかまってる
夏、海水浴に
行きそびれて
書記官は窓を開ける
木々の梢の近く
監査請求書が何かの水分で
少し湿っている
白墨の匂いを残して
物 ....
空から新聞を配達した
鳥が
雲の匂いをさせて
日付変更線をまちがえて
落ちてくる
少しずつ速度を上げて
時はわるびれた様子もなく
記事が
ところどころ切り取られていて
それ以 ....
ひどく深い山奥に
その百貨店は建っていた
百貨店といっても実際にはよろずやで
それでも、食料品から最新のテレビまで
なんでも売っているのだ
ダムが出来ると
集落のすぐしたまで水面になる ....
それは風の通り道の家で
けっして目立つでもなく
景色に溶け込んだ家で
見つけにくいようなら
赤い郵便受けを見つけて下さい
それはそれは、目の覚めるような赤で
つい最近、
満月 ....
なにごともない虚ろな午後
ふと空をよぎる
鳥が
その日の栞になった
行くでもなく帰るでもない
ふたしかな彷徨い
花が
その道の栞になった
こころもとない眠りの果て
闇 ....
上昇する空に
なすすべもなく
はじめて聞く翼の音に
耳をかたむけた朝
土は懐かしく湿り気をおびて
無数の記憶が飛び立つと
残された孤独の夜が
夢の中から
僕を見降ろしてる
ひとつの優しさ
今日の朝振り向いて
ひとつの喜び
今日の朝テーブルの上にそっと
あたたかな温もりに抱かれるように
背中から朝は訪れた
おはようと
ちいさな声であいさつする ....
夜のドレープに裂け目が入る
夜明けが裾にそっとくちづけると
私はすべてを脱ぎ捨て
一羽の鷹になって飛んでゆく
まとわりつく冷気を翼で切りながら
あなたを求めて飛んでゆく
私は ....
雑居ビルの中にある小さなライブハウス
彼女が鍵盤に指先を下ろした瞬間
スタインウェイは真っ直ぐに彼女を見つめた
たたみかけるような熱い音の重なり
スタインウェイと彼女の間には
透き間 ....
好きとか嫌いとか
そのような感情と同じ速度で
五月の空はわたしのこころを蝕んでゆく
そして陽射しに揺れる葉桜が
散り行く先など知る縁も無いように
他者への憎しみを
こころの襞奥に抱え込 ....
空白のページに
跡をつけたのは私
全体の四分の一にも満たない
まだ短いストーリー
ベストセラーになんかなりっこない
本屋の端の方で埃をかぶっている
ちょっと悲惨なストーリー
....
清しく、邪な風に
華奢な下肢をさっと隠した
裾広がりの白地に
ピンクの薔薇の咲くスカート
立襟のブラウスに
光る栗色の髪を
ながく垂らし
ただ、甘く春に散る
花の匂いを漂わせて
....
風船を手放すように
詩は一人旅を始めます
心を込めて
願いを込めて
形を成した丸いかたまりは
風に揺れながら
雨に濡れながら
貴方の元へ泳いでいきます
昨日は赤い風船を飛ば ....
白いチョークで
ポケットいっぱいの
言葉をおぼえた
おさない遊び
二本の線を引きながら
公園をよこぎって
道路をまたぐ
景色がだんだん小さくなる
電車のように
かたこ ....
テーブルの向こうには
崖しかないので
わたしは落とさないように
食事をとった
下に海があるということは
波の音でわかるけれど
海鳥の鳴き声ひとつしない
暗く寂しい海だった
....
その奥にはいつも
僕がいた
誰かの家があって
誰かのように
そこで暮らしていた
その奥にはいつも
T字路の
道がふたつあった
僕はその部屋にいた
時々わからなく ....
立ちすくむもののようにあるが
けっしてあきらめてはいない
落日の光をあびて
すてられたもののようにあるが
決意のはての姿なのだ
清涼な空気をさいて
鳥がなくとき
景観のさけめから
あふ ....
ポケットのビスケットが
粉々に砕けて割れた
壁にじっと押しつけていたせいで
鳥が飛び立つのを見たかった
小さなクロツグミが羽を広げるのを
僕はしくじった
ビスケットは無残に割れてしまった
....
雨戸をしっかり閉める
窓をしっかり閉じて
鍵をかける
電気機器のコードをすべて抜いて
ガスも水道も止めて
明かりも消して
それでも
どこからか音が聞こえてくる
時計の電池を抜いて
....
はじめての出逢い
それは父親に肩車されてのこと
ガラスの向う側で
愛らしそうな顔して笹を食べていたっけ
何時でもいるのが当たり前
そんな存在でもあったような気がして
パンダってまた ....
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