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ぼくのともだちはだれ
そんな行き場のない想いを
僕はいつも紙ヒコーキにして飛ばしてた
着地する場所も受け取る人もなかったけど
小学校の校庭のつき山から
中学校の木造校舎の二階 ....
いろいろなものを
誰よりも多く掴もうとして
硬くなってしまった
てのひらの
欲張りな力を
少しずつ緩めてみよう
うっかり掴み損ねたものは
そのまま放っておけばいい
本当に必要な ....
宇宙式の貨物船にのって
オールトの雲のなかを航海している
太陽から1.47光年離れても
まだお前の重力圏内にいる
まったく、すごいやつだよ
お前ってやつは
RC2052年18月03 ....
たった一つの言葉が言いたくて
書き始めた詩が
僕の手を離れて宙に浮かぶ
こんな筈では無かったと
何回も書き足して
つなぎ止めようとしたが
ますます詩は僕の部屋中に拡散し
言いたかった ....
雨が降る
黒い雨が降る
*
夢の島
誰が名づけたのだろう
ぐぐったところで明確な由来などでてきやしないこの島で
静かに眠り続ける一艘の船
東西冷戦の最中
高 ....
ウマウアカの谷に
春が来たよ お嬢さん
ウマウアカの谷が
歌っているよ お嬢さん
聞きかじったフォルクローレが
頭の中でループする
空を突き刺す白い山脈の彼方から
響いてくる ....
けさ
鶯の声をきいた
まだ うまく鳴けない
チョッピリ ハル
と聞こえた
口笛で春を 呼んでみる
チョッピリ ぼくもぎこちない
花の耳をかたく閉ざして
美しく凍えるひとよ
ホ ....
一念発起とがんばってみるのは
容易いけれど
がんばり続けることは
なぜか難しい
*
それって三日坊主
だよね
悔いてはみるのだけど
いつだって
他のひとの視線が気 ....
君は
ひとつぶ
哀しみを
螺旋構造に宿したまま
この世に零れ落ちてしまった
ひとつぶ
君は
ひとつぶ
喜びの
光にくすぐられて発芽し
言の葉の二葉を広げてしまった
ひ ....
なみだは
にんげんのつくることのできる
一ばん小さな海です
青森県で生まれた詩人の
寺山修司が書いた一ばん短い抒情詩
・・・
瓦礫の道に立ちつくす
ひとびとの涙が止まらな ....
ほら横なぐりの
ぼたん雪のなかを
回送バスがはしってゆく
窓を曇らせ
満員にひしめいた乗客の気配だけを乗せて
がらんと無人の灯りを点して
回送バスがはしってゆ ....
再び歩き始めるんだ
膝を抱えてうずくまった場所から
行き先なんて確かめなくていい
立ち止まった自分を責めなくていい
pauseを解除するんだ
内なる声が途切れた位置で
イン ....
跡形もなく過ぎ去った過去は
過去の栄光ではなく日常のホームドラマで
思いやりのある家族とお節介な隣人
歴史好きの親父とミーハーな娘
東京に行きたくて
髪の毛を染めたキャサリン
着ている ....
透明な絵本を
じっと見ている子供がいて
クレヨンを持って
かがやいた笑顔をみせる
(これは何色なの?
としきりに尋ねてくるので
答えに困って
好きな色で塗ってごらんと
うなず ....
夜の次には
朝が来ますように
春風が貴方のもとに
届きますように
空が晴れていますように
温もりが涙が笑顔が
貴方と共にありますように
そして何より
どくん ....
青空ってさ
手の届きそうもない遠くにあるから
青空と言うのかな
*
何ができるのか考えてみる
誰かが
とかじゃなくて
わたし自身でできることを考えてみる
*
....
あなたのことを
許せない
許せない
許せないと私は泣いた
肩を震わせるあなたと私は
どこが違うの
なぜ という言葉の答えを
見つけられずに泣くふたりの
影はヒトという形にみえた ....
きょう、季節の帳簿は冬に逆もどり
北風がふき 雪が
山のほうからちらちら飛んできて
冬のいかつい手が コツコツと
貯めてきた春の貯金を
ごっそり帳簿からかっさらった
開きはじめた菜の花も ....
やっぱ自然には敵わないよね
今年はやたら寒いだけかと思ってたら
河津桜は紅いろの可憐なほころび揺れているし
これはとばかりにお出かけした越生の梅林
朝晩は冷え込むためなのか未だ七分咲き ....
歩き始めの段階、道は同じ眺めのため選択間違いはよくあるのですが、間違いだと気づいても引き返す勇気がないため、どんどん先へ行ってますます道に迷ってしまうことがあります。特に最初選択した道が平坦で歩きや ....
どこまでも続こうとする坂道
喘ぎながら
繰り返される独り言のような呪文
聞きながら
やみくもにしがみついたあなたの背中
眠ったふりしながら
安いおしろいに混じった汗の匂い
嗅 ....
夜明けの人よ
この胸の彼方の青い丘に立ち
おそらくは私を待っているのであろう
夜明けの人よ
あなたのもとへと
私は行きたい
けれどそれにはまだ
私が過ぎ去らねばならぬもの
私を過ぎ ....
言葉足らずの季節がやってきて
降り注ぐ涙も白い息を吐く
部屋の暖炉で暖まっていたのは
自分一人だけ
棚に飾ってある詩集が
染みで黄ばんでいくのにも気がつかず
突然起きた表層 ....
サハラ砂漠に
たまごが一つ。
砂に埋もれて
蒸し焼きになる。
ガンジス川に
たまごが一つ。
僧侶の足に
踏まれて割れる。
冷蔵庫の中に
たまごが一つ。
中身は既に
くさっ ....
仏間に坐って
うなだれ
首を
さしだしていたことがある
白刃の前に
ながれる水音に
耳を澄ませていたことがある
客観的なまでに静まった ....
まもなく幸せになれるでしょう
と言われても
不安感の先立つ今日この頃だから
それって、ほんとかなと首をひねってしまう
フィギュアスケートとかのスポーツ番組みてると
まもなくまもなくっ ....
手のひらの小窓にあなたから写真がとどく。
風にあおられた火が波のように打ち寄せる深い
闇のなかにわたしたちが暮らす岸辺があるみた
いですね。
怖くもあり、それが真実の勇気であるようにも ....
ギザギザの
気温の折れ線グラフの
端がほつれて
光の縦糸が
眠たそうな家並に
垂れ下がる
カチカチに
凝り固まった表情筋の
端がほつれて
微笑の横糸が
路地裏の野良猫を
追い ....
咳き込んでいるのは僕から逃げ出したいから
なのだろうか。僕の身体はもう値しないもの
になりつつあるのかもしれない。濁音が空を
汚す。ひとつ。暫らくして、またひとつ。藻
みたいにドロドロして、蝕 ....
草のなかにレールをみつけた
錆びた鉄の平行な二本線が
弓なりに
ここから延びていた
または
この草のなかで
すっぱりと裁断されて尽きていた
あおぐらい記憶 ....
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