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泉屋のクッキー缶の中に
アルバムに入れていない古い写真が一枚
モノクロームの色あせた写真には
小さな自分と親父が写っている。

庭の小さな葡萄棚の下
ふざけているのか本気なのか
親父に髪 ....
車のドアを開けて
アスファルトに降り立ち
ゆっくりと
夕焼けを踏む

夕焼けについて書こうと思う
古びて傾いた夕焼けについて
それは人通りのなくなった街道の
傍らに立つ廃屋の壁に
擦 ....
ねえ、遠くの君がゆるやかに流れて

形にならない欠けてしまった星たちが
泣きながら私の跡を追って
並べられた言葉に色をつけてゆくけれど
まだ太陽のはにかんだ顔を忘れずにいたい


もう ....
山の裾を ていねいに
両手でならしていた おばあさんの
あれからまた
小さな山が ひとつふえた


新しい山は ひとの形をしている
足のしたで 山は
お腹のように やわらかかった

 ....
無人の霊園に吹き抜ける
夕暮れの風を頬に受けて  
墓石の下に隠れた祖母に 
両手を、合わせる。  

背後を振り返り 
見渡す故郷の山々に 
あの頃よりも増えた家々は埋もれ ....
{引用=うずくまる。
からだの表面積をちいさくして
世の中の37%を遮断する。


わたしのまるいふくらみと
わたしのしろいふとももをくっつけて
ひとつ。にすると
やわらかな鼓動を感じ ....
夜の海ほど怖いものはない

宵闇の奥のさらにその奥から
打ち寄せる波の音色は
私の心を光の届かぬ深海にまで
攫ってしまいそうで


ひとつの物語が今日
終わってしまった

私の支 ....
割った石を硬い石で叩いて
形を整えて積みあげる
石と石との間には剃刀も通らない
石の壁は数百年を経ても崩れないで
空に近く雲をしたがえて
城塞と都市とを保っている

毎朝通勤電車の始発駅 ....
あなたによく似たひとだった

人違いと戸惑うわたしの顔を覗き込み
どうかしたのと気遣ってくれた

これを落としたひとをずっと探しているのと
あなたの落しものを目の前に差し出した

その ....
「予」


予め渡されたまっさらな空に

どんな雲を描いたって勝手だけど

思い込みの風力のぶんだけ

天気予報ってはずれるんだよね




「定」


定まった行先 ....
{引用=
僕のアパートは猫が飼えない
窓から見えるのは隣の物置と、アルミのベランダの裏側だけ
コンビニのビニール袋が 風にふかれてカサカサ笑い
忘れられた洗濯物が 雨に打たれてしおしお泣いてる ....
手にあまる
廃屋の残照
すぼまり 壁のない木の間で
林檎の古木は やせて
皺寄せた彩雲にのばされた からまる腕

実生の木 は、
今 ほろほろと 終わりを迎える
小さな青い果実を せい ....
  さよならの日は 風の日だ
  けれど 怖がらなくていい
  雲はいつだって自分を壊してゆくし
  空だって ためらうことなく色を捨ててゆく
  こうして みんな秋になってゆくんだ
  ....
心待った家路の果てに
ゴールデン・プラムの たわわな枝の
くちびるを這わす 実は あまく 
ちっぽけなあたしを待っていて くれる

鳥たちを 楽しませないために
そう ジャムにしよ ....
……なな〜つ、
   や〜っつ、
    ここの〜つ、とお〜
 
どこに隠れようとも
ひとたび
目をひらけば
あたしは 心のいやしい 鬼 
だ から
ようしゃは しない 
 
銀 ....
赤いチョーク
のようなトンボが
風をひっかきひっかき
ぼくの背たけを測っている


ぼくは大きくなっただろうか


朝ごとに
ぼくは生まれる
よろこびとかなしみの
草の中から
 ....
揺れる花は荒野に一輪だけ

その上で流れた一線の流れ星

空間は穏やかに過ごしていた

まだまだ口にだしていない言葉は

たくさんあるけれど

それもこの花が枯れる時には言えるだろ ....
ここに一脚の椅子があって

それは懐かしいにおいのする木製の小さな椅子
小学校の教室にあるような椅子
揺らすとかたかた音がした

そんな椅子にあなたは腰かけている
手には一冊の詩集
マ ....
「無」


カラカラの大人を脱いだらギリギリの元気

ギリギリの元気を脱いだらテラテラの苦笑

テラテラの苦笑を脱いだらシワシワの孤独

シワシワの孤独を脱いだら なんにも無い
 ....
夜の揺らぎの隙間を埋めるように
単調な音楽が鳴り響く
傷ついたレコード盤
あ行の旋律
は行の音階

誰にも聞こえていない
誰も聞いていない

真昼の顔を脱ぎ棄て
裸の肉体を擦り合う ....
先生ごめんなさい私このナイフを捨てることはできない
水色の裏切り
まだ私の中に敵がいる限り
私の中に住み着いた悪魔が私を気に入って出てくれないの
私はこの悪魔が許せないのに時に愛してしまう
だからみん ....
ガブリエル聞いてくれもう終わりにしよう
僕はいい加減朝の国の住人になりたいんだ
太陽の光に永遠を見いだしたいんだ



眠れないくせにさらにカフェオレを飲めるだけ飲む
もう怖い夢を見ないように
朝の光 ....
「観」


部屋の片隅に置かれたポトスのように

見落とすことも出来たはずなのに

僕はうっかり君と正対してしまった

君のいとおしい傷跡を観てしまった




「葉」 ....
渡りゆく空がなくても
鳥かごのツバメは夏が行くほうを見る

草ひばりの声を聴きながら
日に当たる頬の熱さは
夏をしっかりと覚えているのだが
頭を垂れた稲の穂が首を振る

入道雲が突然泣 ....
まいにち 階段の数をかぞえる
それが 母の日課だった
増えたり減ったりするので とても疲れる
と母はぼやく
階段のある家には 住みたくないと言った
階段がなくなったら ぼくの駅がなくなってし ....
季節外れの神社に
十歳の僕と親父が歩いてゆく
親父は何もしゃべらない
僕も黙ってついて行く
参道の階段には銀杏の葉
黄色い黄色い石の道
段々を上って一息入れる
親父の肺は一つしかない。
 ....
橙色に照らされた木造二階建てのアパート
蹴飛ばせば簡単に壊れてしまいそうな垣根から
紅色の白粉花がその艶やかな顔を出す


やがて来る闇に飲み込まれてしまう前に
黒くて固い種子をてのひらに ....
何が書いてあったのか
もう分からない
空っぽの封筒が
本の間に
古い思い出の
栞のように
はさんであった
大切にするでもなく
でも 忘れてしまわないように
指が触れると
草の実がはじける
ふるえる心の動きを
あなたは知ってか知らずか


見つめるあなたの瞳に
青い空が映り
その青に溶けてしまいたいと思う
その青はいつか見た風
その青は ....
高度文明
交差点の真ん中で一人の男が倒れた
風邪などによる体調不良ではなく
とりわけ身体に障害をもっていたわけでもなかった
彼は早い段階から
交差点に一台の車が走ってくるのに気がついていた
 ....
未有花さんの自由詩おすすめリスト(5454)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ハーフサイズカメラ- ……とあ ...自由詩12*09-9-20
夕焼けについて- オイタル自由詩12*09-9-19
ひかり- 佐藤章子自由詩709-9-19
彼岸- yo-yo自由詩4*09-9-18
夕闇の暮れる、その前に_ー祖母の墓前にてー_- 服部 剛自由詩6*09-9-17
うずく、まる。- 夏嶋 真 ...自由詩4909-9-17
いわない①- 相良ゆう自由詩509-9-16
架空の城- 殿岡秀秋自由詩609-9-16
流れるひと- 恋月 ぴ ...自由詩27*09-9-15
四行詩四態_<8>- nonya自由詩6*09-9-14
あなたと僕と猫と猫- リーフレ ...自由詩709-9-14
ナスターシャ/Nasturtium- 月乃助自由詩4*09-9-14
秋の日は風の日- 西尾自由詩209-9-13
golden_plums/家路- 月乃助自由詩9*09-9-13
「かくれんぼ」(妹)- 月乃助自由詩6*09-9-12
蜻蛉(とんぼ)- yo-yo自由詩8*09-9-11
透明な傘- こめ自由詩1409-9-11
ラヴなひと- 恋月 ぴ ...自由詩34*09-9-8
四行詩四態_<7>- nonya自由詩9*09-9-8
落下- 乱太郎自由詩809-9-7
続_私の中の悪魔- ゆりあ自由詩1+*09-9-6
私の中の悪魔- ゆりあ自由詩2+*09-9-6
四行詩四態_<6>- nonya自由詩7*09-9-5
暑さの残る日に- 照留 セ ...自由詩5*09-9-4
階段- yo-yo自由詩10*09-9-4
代々木八幡- ……とあ ...自由詩17*09-9-4
夕化粧- あ。自由詩19*09-9-3
古い手紙- フクスケ自由詩309-9-3
草の実はじけて- 石瀬琳々自由詩9*09-9-3
高度文明- ぽえむ君自由詩5*09-9-3

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