すべてのおすすめ
深くみずをたたえて、湿度を高位にくばり、
森に沈みこむ薄化粧の木霊は、
香ばしい季節の賑わいを、端正に、はおり、
浮かび上がるみどりに浸る、
眩い光沢を、透き通る声の上に配して。
流れる ....
儚くて
脆い物だって
わかっているのに
それでも
手に入れた瞬間は
満たされて
幸せ
耐えられなくなった瞬間に
全てが壊れてしまいそうで
悟ってしまった ....
鏡に映る「私という人」は
だらしなく伸びた髪を
ばっさ ばっさ と刈られていく
( 少しくたびれた顔をしてるな。
( いつのまに白髪が混ざりはじめたな。
幼い頃
{ルビ日 ....
街には秋が訪れ
人々は単純な色から
個性を強調する服へと
変わってゆく
公園のベンチに座ると
どこからか
声が聞こえてくる
見て見て
あの人の配色のセンスを
私はどうなの
....
白馬に乗っかった王子様に
円らな瞳のテディベア
女の子は(誰でも) メルヘンがお好き
だから毎晩頭の中の絵本を紐とく
透けた羽を持つ仮想の恋人と
だから今宵も 夢の中にて好き放題
だから今 ....
空を
見上げようともしない、君の
泣きはらした頬の ぬくもり が
染みる
舌足らずな恋は
時を止めるすべも知らず
いたずらに季節ばかりがすぎて
最後の秋
西日を受けた
一面の ....
前から雨が吹いてくる
上り坂
秋はまだ始まったばかりだというのに
傘を持つ手が冷たくて
両手で持つというよりも
両手を温めている
足元を見ながら進む
雨の上り坂
流れてきたのは ....
カレンダー泥棒が街にやってきて
みんなの予定をどんどん、どんどん盗んでゆく
ぼくの楽しみのしていた秋の遠足も、運動会も、あっという間に盗まれてしまった。
運動会はいいけれど、遠足は返 ....
遊ぶために生まれてきたんだ
それだけだ
それが人間だ
仲良くみんなで遊べばいい
それなのに俺はここ最近
とらわれてる
檻の中に
自分の模様に
なあ月が
見え ....
ぼくは輝きたかった
理由は必要ない
何に輝きたいということも
特別に何もない
世の中に錆びたまま
埋もれてゆきたくはない
誰も知られない自分を
知られるのが怖いのかもしれない
....
どこからか流れ始める秋の風
大地を冷ます川が流れる
風の川
降りるよりかは染みてゆく
潮騒のみが海に吹き抜く
秋風の流れる様は見えずとも
草木が癒える姿が見える
風の森
集うよりか ....
のら犬がいた
そいつは
安全な距離を保ちながら
一生懸命に
オレを吠えた
かるく
しっぽが揺れていた
もとは白かっただろうに
よごれた茶色が寂しかった
砂利道にし ....
女が日盛りの中 黒い蝶を追つてくる
蝶は女の心の反映そのままに
定めなく飛び 深い森に迷ひ込む
木下闇の黒蝶は 決して見えない
陽だまりに現れるのを待つしかないが
いつまでも待つ ....
上空から見下ろす海
小刻みにさざ波たっている
雲は氷山のように海に浮かぶ
前方には白く大きな空中要塞
近づくとそこは雲海となり
白いふわふわの絨毯に変わる
....
水色のキャンパス
白い花びら、ふたつ、みつ
風の描いたような君の唄
軽く手をふるハロー、ハロー
鉛筆画の微笑みは
鉛色の雫でできてるの
はじめから
うまくのれてなかった、 ....
ふと降りた駅の
何気なく立ち寄ったデパート
入ると食品売り場
別にお腹もすいていなし
お土産にする気もない
通路をまっすぐ歩き
突き当たりそうなところで
出くわした
たった二段のエ ....
曇った空の下では
海も鈍い色をしていた
打ち寄せる波の先だけは白く
足元に届けられて
よーく目を凝らして見てごらん
水平線が弧を描いている
停留しているタンカーが遥か沖のほうで
....
一人一人が想う
それぞれの秋
赤と黄色の山道を
静けさと侘びの中に
その身を収め
大自然に心を染める
それぞれの秋
一人一人が抱く
それぞれの秋
満月と星々の夜空を
虫 ....
チーズになった
わたしとあなた
とろとろ
都会を
とろとろ
地球を
とろとろ
つつみこんでいく
やがて
おなかを空かした
とても大きな
ピンク色した怪獣 ....
生きることを考えていたら
世の中が窮屈になった
あれもこれもしなければならないし
この先が重くなってしまう
そもそも生きるという一つのテーマだけを
考えていたら身体がもたない
これ ....
草のしないだ後が 私の靴後
手の中にある と思うものだけ
鍵だから いつまでも開かない
ふさぐ風だけ 私を知ってる
つぶれない 心の輪 とじない宇宙
弾く ひくく
触れさせ ....
春のおだやかな日溜りの中
土のにおいがわかりますか
春の息吹で
緑の香りに隠れた
土のにおいがわかりますか
あなたが今
しあわせを感じずに
春をむかえているのなら
この土のにお ....
ダンス教室に
あなたとわたし
ふたりきり
今日は教えなくてもいいよ
ダンス音楽消して
ビーチボーイズ流して
たまには決まったステップなんて忘れて
自由に踊ろうよ
本能のままに体を動かそ ....
夏の終わりの河原は
餌付けされて、もはや野生とは呼べない鴨たちの
小競り合いを眺める人、も まばらで
あなたは
鴨と
餌をまくジャージ姿の老人を眺めて
微笑んでいた
すこし曲がったそ ....
こどもは夢のおとなたち
絵皿の中で遊ぶ姿も
束の間のやすらぎ
緑の風がそよぎ
ミルク色の光を浴びて
こどもたちは目を覚 ....
この世に生まれたときから
自分という列車が動き出す
時間というレールの上を
一秒ごとに走り続ける
過去は思い出
振り返ることはできても
戻ることは許されない
未来は追いつけ ....
ハニーカム
あなたは先に行って待ってて
甘い桜の薫るあの大きな木の横で
ハニーカム
これは小さな幸せの呪文
擦り減ったスニーカー
石ころを蹴飛ばして明日に辿りつけたらいい
私 ....
秋の公園には
白いベンチが
木漏れ日を浴びて
鎮まつてゐる
桐の葉がひらりと
ベンチにのる
どうぞ私を敷いてくださいな
またひとひら ふた ....
雨の日の匂いと
雨音が好きだと
君は 言った
部屋でひとり
しとしと
雨にかこまれて
雨の日の匂いは
君のことを思い出す
雨にかこまれて
一人ぽっち でも
とても 懐か ....
秋の日差しに照らされた
小さい花をただ見つめ
薄くて淡いその姿
はかない生を手で撫でる
やさしい土を踏み歩き
草の匂いか風が吹く
今だけ香るその世界
心とともに響きあう
空を流 ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182