すべてのおすすめ
誰かが扉を叩いてる
今の私では
私からでは開けられないので
そっとその扉を開けてほしい
本当はそれではだめなのは
わかっていることなのに
誰かが扉を叩いてる
いまの私では
私からで ....
帰省の列車の中で
こんな夢を見た
『蜻蛉の夢』
満月の夜
月下美人のつぼみの下で
細身の女性が横たわっている
彼女の肌は
食べ物が喉を通ったら
透けてしまうくら ....
咳をしたらたまたま側にいた
隣の課のえむさんが
フルーツのど飴をくれた
えむさんがフルーツのど飴を好きだなんて
初めて知った
えむさんは僕より十歳くらい下の女の子だけど
背は僕より十セ ....
「卵冷蔵庫にあったっけ?」
「分からないからとりあえず買っておこう。」
計画性の無い二人が
買い物に出掛ければいつもこの調子
「ミルクとビターどっちがいい?」
「どうせだから両 ....
不愉快な覚醒が
北寄りの強い風で更に増して
両手の無意識がコートのポケットを探す
ひんやりとした裏地や
捨て忘れた入場券に
指先は触れているが
今はそれより風から逃れたい
月 ....
ちろちろと赤い舌?
いいえ、あれは小さな炎
黒土の下にはずっしりと火種
気化しているのはいのち
それとも、みらい
ぽっ
ぽっ
炎色反応はやがて
リチウムの赤から橙へ
橙から黄、黄色か ....
玄関のドアーを開けると
宇宙が立っていた
寒そうにしていたので
中に入れてあげることにした
宇宙は喜んで
宙返りをしながら
家の中を転がって入った
飲み物を用意している間
宇宙はバナナ ....
淡い恋色の月の浮かぶ
....
おぼろげに見え隠れするのは明日の自分
どうなるかなんて誰にも分からない
しっぽをまいて逃げ出したいのに
エイヤっと飛び込む勇気がほしい
過ぎ去ってしまえば笑い話
この壁の向こ ....
遥かに遠くに満ちてゆく、夢のような泡立ち。
その滑らかな円を割って、
弱くともる炎。
最後のひかりが、睡眠薬のなかに溶けてゆく。
みどりで敷きつめられた甘い草原。
潤沢なみずをたくわえて ....
カフェの窓辺の席
ぼんやりと外を眺めてた
交差点を行き交う人々、車
ガラス越しに
水族館の魚を見ているよう
水族館の魚たちも
人間たちをじっ ....
それは、甥っ子が遊びに来ていたときでした。
暖かい冬の日差しの中で、まったりと俺は雑誌を読み、
甥っ子は持ってきたおもちゃをカタカタと動かす中、
優しく降り注いでいた日光を薄い雲が遮 ....
森の中に
タイヤは捨てられた
誰にも見つからない
誰も見つけようともしないだろう
タイヤは毎日
真上の青空を
口を丸くして眺めるだけだった
たまに流れてくる白い雲を見ては
無理をして走 ....
みんなは朝がやってくるのは当たり前だと思ってるのかもしれないけど
オレはけっこう大変なんだ
眠い目こすりながら 危険な仮想空間への冒険に出る
これがオレの仕事
そこで出遭う生き ....
年に一度の特別な記念日
あなたがこの世に生まれた証
それなのに明かりの消えた部屋で
あなたは一人で泣いている
Happy birthday?
ロウソクの炎を吹き消す前に
....
この季節になれば
川幅いっぱいに押し寄せる銀鱗
浮ぶ屋形船を押し退け
向う岸まで
命をかけ
届けようとするもの
人生の在り様
私の意思
立会川の岸辺には
あなたへ
手渡そうとした手 ....
なぜもっと
気づいてあげられなかったのだろう
この花は綺麗に咲いているのに
葉は傷ついている
なぜもっと
気づいてあげられなかったのだろう
あの空はとても青いのに
空気は汚れている
....
つないだ手を
そっ、と離して
春までの距離を
歩数で測っていた君は
三十一歩でくるり、と振り返って
僕に何かを伝えてきた
如月駅を走り出した始発列車が
僕を追い越して
君を ....
こんばんは
良い夜です
『メメント・モリ』
何時頃からか
死にたい気分になると
身体中から
黒い霧が立ち上るのが見えました
霧は
冷たく
緩やかで ....
空がね
ほらこんなに 青い
太陽がね
ギラギラで
街を 隅々まで
照らすから 輝くから
小さな 体を
大きく 開いて
胸に 大気を 流し込む
流動の空気は『風』って ....
昼寝をしたくなったので
風呂場にある海苔を持ってきた
それにくるまって
うとうととしていると
玄関のインターフォンが鳴った
先日頼んでおいた入道雲が届いたようだ
猫の手ではんこを押したが
....
僕が働く村は 小さな漁村で
大工仲間のゴルカ君と ベンチに座ってお昼ごはんを食べる
ゴルカ君の奥さんのロシェさんはお料理の先生で
ゴルカ君の持ってくるお弁当はいつもキラキラしている
ゴ ....
なんか久しぶりに目が覚めた
眠ったって疲れるだけだ
しかし体ってのは
動かさねえとなあ
そういや
動かねえ奴がいたな
体は何ともねえのにベッドから起き上がれないんだと
何か用事が ....
どうも!
かくれんぼで鬼になったのはいいが。
百数えている間にみんなに家に帰られた事のある。
そんな日の夕焼けが目に沁みて仕方なかった僕がここにいます。
どうも!
当たりつきのアイス ....
風から風へ
季節が変わる
いつもの風景が
広くなる
時から時へ
季節が生まれる
いつもの時間が
穏やかになる
音から音へ
季節が奏でられる
いつもの音声が
豊かになる
....
無残にも
切り離されてしまった私達が
無意識に吐き散らした
ため息の中
そこに燃え残りの灰があり
それは空を覆って
雨となり落ちるのです
だからここに降る雨は
川を汚してしまい ....
「バレンタインなんて興味ないよ」
友達にはそう言いつつも
さりげなくオシャレに決め込んでいる
「いざ、尋常に勝負!」
-BATTLE1 朝の玄関-
下駄箱の中は空っぽ
まぁこの ....
毎日のように
貯金箱に
ストーブを入れている
調子がいいときには
やかんごと入れる時もある
毎日中を見るのが日課にもなっている
昨日は大きな入道雲が
もくもくとしていた
その下でアリク ....
降りつづく雨は涙であるという
土をさらい根をあらわにして
僕の虚勢を暴いてゆく
両手を広げれば
僕はまるで木のようであるのに
こんなにも簡単に倒れてしまう
水溜まりには
強が ....
ほら
雪の下が動いてる
小さな命が伸びてくる
一つ一つはわずかだけど
同時に少しずつ
湧いてくる
ほら
風が小枝を揺らしてる
小さな枝を揺らしてる
その先の方はつぼみが膨らんでる ....
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