すべてのおすすめ
背中に冬を担いで
もう、破裂しそうな神経を抱えて
ここまで来た道のりを振りかえる時
時を告げる鳥が飛来する
まっすぐに放つ生命の熱
白く空間に溶けていく
傷つくことを怖れて
....
時々いろんなものが
ただの無意味なカラーに見えるけど
なんだか新しい虹みたいで
それもきれいだからいいと思う
悲しくなった時に流す涙って
頬を伝ったり
ボロボロと化粧を落と ....
誰かを嫌いと想うことは
仕方のないこと
けれども
誰かに嫌いと言うことは
勇気がいること
責任がいること
相手を本当に想うこと
絆ができていること
関係を続けようとすること
何よりも ....
今日もまた
あなたのいない夜が来て
私の裸体に
常夜灯が点々と灯ります
あなたの吹きかける息だけが
ランプの中で揺れている
赤い炎を消すことが
できるのです
一つ一つ
あなた ....
その石は (いまも)
波動になりひとをこえて (化石の音が)
木々の梢をこえて (あなたの)
遠くの、水蒸気をゆらす (耳の奥 ....
仕事帰りの夜道
北風{ルビ凍=し}みる首筋をマフラーで{ルビ庇=かば}いながら
それらが遠くに光っているのを見ると
何故か吸い寄せられ
いつのまに
ペットボトルの並ぶ
窓の前に立 ....
我が家にはじいやがいる
じいやの名前は長谷川という
『長谷川のこと』
長谷川は今年で82になる
大正の殆ど終わりに産まれて
人生の殆どは昭和に飲み込まれ
青春の殆どを戦争に ....
名前を知らない人にとっては
五つの星にすぎないけれど
カシオペヤは輝いている
名前を知らない人にとっては
七つの星にすぎないけれど
北斗七星は輝いている
そして中心で輝 ....
休耕田に群生する
セイタカアワダチソウをかきわけるように
一両の気動車が港の方へと走っていく
スズメガの幼虫にかじられた痕のある
サトイモの大きな葉が
その風に揺れている
排水 ....
ほら
聞こえてくるよ
冬の歌が
聞くものすべてに
欣然とした
ソプラノの声が響いている
ほら
見えてくるよ
冬の姿が
見るものすべてに
純然とした
白い帽子が光っている
....
沈みゆく刻、
夜を想い。
海は光と戯れ、
波を奏でる。
了。
汚れてしまったら洗いなおせばいい
破れてしまったら縫い直せばいい
だけど捨ててしまったら
どうする事も出来なくなる
掛け違えたら着直せばいい
シワになったら熱を与えればいい
....
今日からちょうど一週間前
私は死にました
居眠り運転で突っ込んできた
トラックにはねられたのです
ビルの壁面に叩きつけられ
頭蓋骨骨折で即死でした
あまりに一瞬の出来事だったため
何が起 ....
本を読むのが好きなら
スエードの手袋がいいよって
3回目のデートの時に教えてくれた君
手袋はあたたかいのが一番だと思っていた僕
そりゃあ雪だるまを作る時には
撥水のがいい
スキー用 ....
いつもの時間に起きて
いつもの道を通って
学校に着く
教室に入る
決められた自分の席に座る
黒板の横の時間割を見れば
今日一日はすでに終わっている
自分の時間はどこにもない
自 ....
私にはあなたを焼き尽くすような強さはない
筆圧が愛の重さを表すというのなら
私の愛は軽薄にして
紙面に刻み付けるほどの価値もないのかもしれない
あなたの書く文字が美しくて
それがあなたの愛の ....
一面に広がる{ルビ金色=こんじき}の
麦畑の上に浮かぶ
一本の道
飛び込み台のように
道の途切れた向こうに浮かぶ
{ルビ一艘=いっそう}の船
途切れた道先に
組んだ ....
一人きりの夜には
君が残した最後の言葉が
走馬灯のように甦る
夢の中でさえ君は
私を許してはくれない
一人きりの夜には
携帯電話を握り締めながら
ボタンを押す事を躊 ....
君はいつも
自分が歩いてゆく道を
見つめ続けている
道の先には
新しい君と
新しい僕がいることを
きっと願って
君はいつも
自分のいる場所を
迷い続けている
道の上には ....
病院の古い長椅子は
もうすっかりガタがきて
座るとギシギシと
独り言でも言ってるみたいだ
そこにはいつも
お爺さんやお婆さんが座るから
僕はめったに座らないのだけど
ちょっと興味があ ....
まだ 行ったことのない 場所
静かに 雪の落ちる 北の国
広場に 夢の イルミネーション
降り来る 聖霊と 光のつぶて
夕の祈りを告げる教会の鐘
聖夜に降り来る雪を震わす
生か ....
自由に羽ばたける翼が欲しい
何処までも飛んでいける力が欲しい
自分の想いを貫く強さが欲しい
私は地上に縛られ
高い高い美しい空に焦がれる
でも私は縛りつけ ....
冷たい北風吹く中で
凍えながら
ブランコに乗って
赤焼け空を見上げてた
お味噌汁のいい香りが漂ってきて
母が僕を迎えにくる
兄弟がいて、父がいて
けんかしながら
それ ....
I wish...
すべての子どもたちが
武器の使い方を教わることなく
大人へ育っていけますように
I wish...
すべての大人たちが
憎しみや悲しみを教えることなく ....
洋光台から各駅停車の二両目に乗って
寝不足な頭は
昨夜の反省をする朝、七時十六分
このまま終着まで眠りたい
飲みなれない酒を勧めたせいか
君はとっても不機嫌で
なのに君のほんとうを見た ....
結果のために
努力することと
努力のために
結果を残すことは
一つのループになる
目標のために
努力することと
努力のために
目標をつくることも
一つのループとなる
初めは ....
わが家では、
大人はみんな無防備です。
すっかり気がゆるんで
世間体が無くなります。
わが家では、
子供はみんなカメラマン。
親のすること漏らさずに
小さな事も覚えます。
わが ....
献血に行ったら
貴方の血は夕焼けなので
輸血用には使えません
と
断られたことがある
16歳の頃の話だ
『血液奇談』
今は何の因果か
私は血液職員として献血車に乗り ....
あなたにこころをまかせられる
それって好きとか嫌いとかじゃなく
ずっと以前から知っていたような
どこかで一緒だったことのあるような
懐かしくて不思議な気持ち
見つめられて
見つめかえして
....
ねえ、あなた、
あたしの世界は紙でできているのです。
うすっぺらな、もろい、紙、
吹けば飛ぶ、濡れれば融ける、紙、
古くなったらほろり崩れる、紙、
紙、
もちろんあなたも紙でできている ....
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